IMPRESSION
往年の205 GTiを彷彿させる小気味良さ
快適&便利に使える実用性の高さも魅力

今回撮影のためお借りしたのは2013年式の208 GT。156psの直4 DOHCターボ・エンジンを6速M/Tで走らせるスポーツタイプだ。乗り込むと、最近のプジョー車ではすっかりお馴染みの、小径ステアリングの上からメーターを見る、独特な運転ポジションに一瞬驚く。ただし走り出してしまえばすぐに慣れ、ほとんど気にならなくなった。
シートは、座面のサイズこそ小さ目だが、サイドサポートが大きめなこともあり、スッポリと収まるような印象。座り心地も悪くなく、疲れが少なそうだ。
走り出すと、低回転からトルクフルな印象で、踏めば結構な勢いで加速していく。早め早めにシフトアップしてもギクシャクするようなことはないし、低速ギアで全開にしても、トルクステアを感じることもなかった。
乗り心地はややゴツゴツした印象だが、これは45偏平のタイヤの影響も大きいだろう。足まわりそのものはそれほど硬い感じはせず、しなやかに動いているのがわかる。またステアリングはかなりクイックで、僅かに切っただけでノーズがスッと向きを変える。この辺りは205 GTi以来、プジョーのスポーツ・ハッチバックが受け継いできた美点と言える。
3ドアであっても後席やラゲッジルームは十分広く、実用性は高い。また現車にはパノラミックガラスルーフも標準装備されており、シェードを開ければ車内は更に明るく開放的になって気分が良かった。普段の足として、208はかなり魅力的な1台だろう。
MARKET INFORMATION
前期&中期型は70~150万円程
ただしGTiは数十万円高くなる
プジョー208の中古車は、日本導入初期の2013年式がタマ数的には一番多い。2012~15年秋までに発売された、1.6リッター直4エンジン搭載と1.2リッター直3 NAエンジン搭載の初期型および中期型は、ターボ付のGTやXYを含めて、大体40~130万円の価格帯に収まっている。ただし、同じ1.6リッターターボでも200psのGTiは、その他のグレードより数十万円高い値付けとなる。また走行距離によって、価格もバラツキがある。
2015年秋以降の現行(後期)型の中古車は、1.2リッターボ+6速A/Tのモデルが圧倒的に多い。また2016年式以降の個体は、走行距離が少ない割に値段がリーズナブルなものも多くお買い得感が高い。
一方208psとなった後期型GTiはタマ数が少ない上、価格的にもかなり高くなる。特に中期型最終期の限定車GTi 30th Anniversaryと、後期型のGTi by Peugeot Sportは、中古車が極端に少ない上に、あってもかなり強気な価格になるようだ。
なお今回撮影でお借りした2013年式GTは、正規ディーラーの認定中古車だ。プジョーの認定中古車は、登録から9年以内の正規輸入車であること、新車当時からのメンテナンスノートがあること、事故車や低品質車でないこと、修復歴がないことが前提となる。認定中古車には、走行距離無制限の1年間の保証が付いているので安心感が非常に高い。
前期&中期型 | 後期型 | GTi | |
2012年 | 30~80万円 | ||
2013年 | 35~90万円 | 70~170万円 | |
2014年 | 45~100万円 | 100~180万円 | |
2015年 | 50~110万円 | 150~200万円 | |
2016年 | 80~150万円 | 160~240万円 | |
2017年 | 80~160万円 | 170~250万円 | |
2018年 | 110~200万円 | ||
2019年 | 140~230万円 |
TROUBLE SHOOTING
01:水温センサーの不具合は
リコール対象
プジョー208は消耗品さえ定期的に交換していれば、基本的にトラブルが極めて少ないクルマと言える。因みにエンジンオイルは、1万kmまたは12ヶ月(GT/GTi系は5000kmまたは半年)に一度の交換が推奨されている。また水温センサーが誤作動することがあるそうだが、これはリコール対象のため、正規ディーラーで交換されている可能性が高い。念の為、定期点検などの際確認したい。
02:3種あるA/Tも
基本的に信頼性は高い
208に搭載されるA/Tは過去3種あった。最初はAL4型4速トルコンA/T。このタイプとしては最終型で制御や信頼性が向上している。このため早めのA/Tフルード交換(2~3万kmごと)を心がければ心配ない。一方シングルクラッチ・セミA/TのETG5は、トラブルこそ少ないようだが、使い方によりショックが大きい場合があり注意が必要。最新の6速トルコンA/Tは信頼性が非常に高いという。