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ランチア・デルタ(3代目)が欲しい!! LANCIA DELTA(III)

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER山本佳吾
協力: コレツィオーネ

ランチア・デルタ(3代目)が欲しい!!

3代目ランチア・デルタは、2006年秋に、ベータHPEの現代版としてデルタHPEの名でプロトが公開され、2008年春に生産型が発表されている。

シャシーは2007年登場のフィアット・ブラーヴォのものを基本的に流用。エンジンはガソリンとディーゼルで様々なものが用意された。またボディデザインは社内スタジオの作だが、ショートワゴン的フォルムと凝ったディティールが特徴。全長4520mmに対し、ホイールベースが2700mmと長いのも特徴で、車内スペースはこのクラス最大級だ。

ランチアは、日本では1996年以降正規輸入が行われていない。実はフィアット・オート・ジャパン(当時)で正規輸入する計画もあったのだがキャンセルされ、結局並行輸入でしか日本には導入されなかった。2008年末に最初に輸入を開始したのは、長くランチアを販売してきたガレーヂ伊太利屋で、当初ガゾリン1.4リッター・ターボ(150ps)+6速M/Tと、ディーゼル1.6リッター・ターボ(120ps)+6DFN(セミA/T)の2種類を販売。その後ディーゼル+6速M/Tも追加され、更に2009年8月には、待望のガソリン1.8リッター・ターボ(200ps)+アイシンAW製6速トルコンA/T仕様が追加された。

ガレーヂ伊太利屋以外にもいくつかのショップが輸入を手がけたが、排ガス規制の許可枠の関係で、上記のグレードが殆どだった。唯一の例外が、2013年に登場した、内外装を特別仕立てにしたS MOMO DESIGNで、これにはディーゼル1.9リッター・ツインターボ(190ps)+6速M/T仕様も存在した。その後3代目デルタは、2014年をもって生産を終了した。

EXTERIOR & ENGINE

お洒落で快適なラグジュアリー・ハッチバック

後方に向けて窄まる水滴型のサイドウインドウと小さなリアウインドウがユニークなデルタのリアビュー。全体のフォルムはミニバン的で、室内空間が広いことが窺える。
ヘッドライトはロービームがHID。ウインカーとLEDのスモール灯がその上下に。バンパー部にフォグも備わる。
テールランプは内側がスモール&ブレーキ、外側がウインカー。バンパー部は右がバックで左がバックフォグ。
200ps/32.6kg-mを発揮する1742ccの直噴直4ガソリン・ターボ・エンジン。6速A/Tと組み合わされる。
純正のホイールに225/40R18サイズのタイヤを装着。もう少し当たりの柔らかなタイヤにしたいところ。

INTERIOR & LUGGAGE

リムジンにもワゴンにも使えるのが魅力的

オーソドックスだがきちんとデザインされたインパネまわり。ランチアらしい高級感が演出されている。
メーターはクラシカルなアナログ式で、スピード、タコ、水温、燃料が表示される。中央に各種情報を表示する液晶モニターが備わる。
インパネ中央にはオーディオの他、電子デバイス、フォグランプなどのスイッチが集中。コンソール部にエアコンの操作パネルがある。
フロントシートはエッジ部分を丸くした柔らかな印象のデザイン。座り心地も良好だ。ヘッドレストにランチアのエンブレムが刻印される。
ポルトローナフラウ製のフルレザーシートは手触りが素晴らしい。リアシートは座面が大きい上に足元スペースが広く、まるでリムジンのよう。前後スライドも可能で、使い勝手に優れる。
通常状態で380リッターの容量を確保しているラゲッジルームだが、後席を前にスライドすれば広く使える他、バックレストを倒すことも可能だ。

IMPRESSION

どこまでも安楽に運転できそう
タイヤを換えれば更に快適なはず

かつて取材で日本導入直後の1.4リッター・ターボをお借りし、木曽路までドライブしたことがある。久々に見るデルタIIIは、相変わらず未来的かつスタイリッシュなデザインで実に魅力的だ。

インテリアの質の高さもランチアならではで、オプションのポルトローナフラウ製本革シートが、高級感を更に増している。フロントシートは、自分のように低い身長だと腰の部分を巧く支えてくれない感じだが、まずまず快適なポジションを取れる。むしろリアシートの方が、座面が長く足元も広いため快適に過ごせそうな印象だ。

今回お借りしたのは前期型の1.8リッター・ガソリン・ターボ・エンジン(200ps)搭載車。ミッションはアイシンAW製の6速A/Tだった。低速から太いトルクを発生するエンジンと、シフトショックの小さいトルコンA/Tの組み合わせは極めて快適。車内の遮音性が高いことも好印象だった。もしこのエンジンとA/Tが日本仕様のアルファ159に載っていたらと、つい思ってしまうほど。

一方で、標準で備わる40扁平の18インチタイヤは明らかにオーバークオリティな印象だ。足まわりは1.4リッター仕様より硬められているのだがハード過ぎず、タイヤから伝わる振動だけが時折不快に思える。タイヤを新品に交換する時に、同じサイズでも、もう少し当たりの柔らかい種類をチョイスすれば、高速ツアラーとして最高の1台となりそうだ。

SPECIFICATION
LANCIA DELTA(III)1.8 Di Turbo Jet
全長×全幅×全高:4520×1797×1499mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1550kg
エンジン形式:水冷直列4気筒DOHC 16バルブ・ターボ
総排気量:1742cc

最高出力:200ps/5000r.p.m.
最大トルク:32.6kg-m/1400r.p.m.
トランスミッション:6速A/T
サスペンション(F/R):ストラット/トーションビーム
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤ(F&R):225/40R18

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