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シトロエン・エグザンティアが欲しい! CITROËN XANTIA

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER山本佳吾
協力: RS-UNO
http:/www.rsuno.com/

シトロエン・エグザンティアが欲しい!

シトロエン・エグザンティアはBXの後継車として1993年春にデビューした。小さなノッチのついた5ドアHBのボディはBX時代より全長で20cm以上大きくなっており、シャープで美しいエクステリア・デザインを採用していた。

サスペンションは前ストラット、後トレーリングアームで、これにハイドロニューマチックを組み合わせる。スフィアと呼ばれる球の中に封じ込められた窒素ガスがスプリング、液体(LHM)がダンパーの役割を果たす独特の機構だ。またステアリングのパワーアシストやブレーキ機能も、ハイドロが担っていた。

日本市場では同年秋から販売されたが、直4SOHC8バルブ/120psのエンジンとZF製4HP-14型4速A/Tを組み合わせたモデルが導入された。グレードは、ハイドロニューマチックを備えるベーシックなSXと、コンピュータが最適なサスペンション制御を行うハイドラクティブⅡを採用し、装備も豪華なV-SXの2種だった。また1995年秋には細かな仕様変更を受けている。

1997年にブレークが日本でも発売される。ブレークはSXに準じる仕様。

1998年には3リッターV6DOHC24バルブ/190psエンジンとZF製4HP-20型4速A/Tを搭載、衝突安全性を高めたフェイズ2ボディを採用したV6エクスクルーシブ(5HB)が登場。4ヶ月遅れて直4仕様もフェイズ2ボディ(5HBとブレーク)となり、2リッターDOHC16バルブ/130psエンジンと、AL4型4速A/Tが新たに採用される。その際グレード名はSXとエクスクルーシブになった。その後特別仕様車販売を経て2001年に販売を終えた。

コンパクトなサイズながら快適な乗り心地のエグザンティアは日本でも人気が高かった。高い実用性と適度なマニアックさが同居する、魅力的な1台である。

EXTERIOR & ENGINE

個性的なデザインとメカニズムで人気に

シャープで美しいデザインは今も魅力的。本来SXはバンパーとサイドモールが未塗装だが、取材車両は2001年式リミテッド・エディション・プラスのためフルカラードとなる。
ヘッドライトの形状はフェイズ2で変更。リアと同様に、ウインカーはホワイトレンズとなった。
テールランプはフェイズ2で上段が明るい白に変更されスッキリした。下段内側はバックフォグ。
ハイドロニューマチックはハイトコントロール機能を持つ。ロー、ノーマル、ミドル、ハイの4段階で、通常はノーマルで走行する。ローは荷物の積み降ろし、ハイはタイヤ交換やチェーン装着時などに使用する。
後方に傾けて搭載されるエンジンは2リッター直4DOHC16バルブ/130psで、電子制御式4速A/Tが組み合わされている。
本来スチールホイールだが、現車はオプションのアルミホイールと205/65R15のタイヤを装着。

INTERIOR & LUGGAGE

想像以上に広く快適なインテリア

オーソドックスで操作がわかりやすいインパネ周り。ブレーキペダルは丸いボタンの上にラバーが貼ってあるような形状。
フェイズ2のインパネは、助手席前のバーがなくなり、ウッドトリムが備わり、メーターが青い盤面となり、シフトインジケーターが追加された。
AL4型電子制御4速A/Tは、学習機能を備える。また標準、スノー、スポーツの3モードが選択できるようになった。
センターコンソールにあるハイドロニューマチックのハイトコントロール・レバー。ノブを引っ張って操作する。
シートは抜群の座り心地。現車は2リッター・エクスクルーシブと同様、運転席電動ハイトアジャスターを備える。
後席の座り心地も素晴らしい。リアサイドウインドウは全開が可能。またドア形状が良く乗降がしやすい。
ラゲッジルームは広くフラットで使いやすい。後席バックレストと座面は6:4分割可倒のため、全て倒すと広大なスペースとなる。肘掛け裏側も開閉可能だ。

IMPRESSION

ブレーキ&パワステにもハイドロで
シトロエンらしさが強く感じられる

かつて8年余り1997年式エグザンティアSXに乗っていた筆者にとって、久々に乗るエグザンティアはやはり魅力的だった。

取材でお借りしたのは、最後の限定車であるリミテッド・エディション・プラスで、通常のハイドロニューマチック(ハイドラクティブⅡではない)の足周りと2リッター直4DOHC16バルブ・エンジンを備えている。まずこのエンジンがいい。自分が乗っていた2リッターSOHC仕様より明らかにトルクがあり、加速に優れる。音も静かだ。また悪評の多い初期のAL4型4速A/Tだが、この個体はシフトショックが少なく、なんの不安感もなかった。

もちろん乗り心地は快適そのもの。本革シートは筆者が所有する初代C5後期型よりソフトで座り心地が良く、リラックスできる。電子制御されないハイドロニューマチックの足は、街中で特に気持ち良く、例の水に浮いているような独特の感覚を楽しめる。車速が高まると制御が緻密なハイドラクティブ系に軍配が上がるが、この感覚の方が好きという人もいるはずだ。

またハイドロで作動するパワステとブレーキは、個人的には非常に好印象。自分のC5の油圧パワステはフィールに乏しく、ブレーキはオーバーサーボ気味で扱い難いからなのだが、進化とは何かを少々考えさせられた。

シトロエンらしさが薄いと言われたエグザンティアだが、今となっては十分濃厚なシトロエンらしさを味わえるモデルと言えそうだ。

SPECIFICATION
CITROËN XANTIA SX(後期型)
全長×全幅×全高:4525×1755×1400mm
ホイールベース:2740mm
車両重量:1350kg
エンジン:直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量:1998cc

最高出力:130ps/5500r.p.m.
最大トルク:18.7kg-m/4200r.p.m.
ミッション:4速A/T
サスペンション(F/R):ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(F&R):185/65R15

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