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ジネッタG4が欲しい!! GINETTA G4

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER山本佳吾
協力: ウィザムカーズ

ジネッタG4が欲しい!!

英国サフォーク州で、ボブ、アイヴァー、トレヴァー、ダグラスのウォークレット4兄弟により、1958年に設立されたジネッタ。彼らは1961年に軽量スポーツカーのG4を登場させる。

丸チューブによるスペースフレームにファイバー製ボディを被せたG4は、フォードの様々なエンジンを搭載され、アマチュア・ドライバーから愛されたのだった。1963年にはシリーズ2に進化。ボディからテールフィンがなくなり、HT固定のクーペが追加された。1966年にポップアップ・ライトと角パイプ製シャシーを持つシリーズ3が登場、1969年まで生産されている。

それから21年の時を経た1990年。日本はバブル景気真っ盛りで、クルマの世界でも投機目的の売買などが横行していた。そんな中、ある日本の会社が、ジネッタG4とミッドシップのG12をジネッタ社に再生産させることを企画する。スーパーセブンが人気で、需要があると見込んでのことだったようだ。

安全や環境の規制が現在ほど厳しくないこの時期、意外にもあっさり再生産は実現。G4は角パイプ・フレームにフォード225E型1.6リッター直4 OHVエンジンを搭載し、シリーズ2ボディを被せたモデルが作られることになった。

だが再生産から2年程で、ウォークレット兄弟はジネッタ社を離れて新たにDARE(デザイン・アンド・リサーチ・エンジニアリング)を設立。G4とG12はこちらで生産されることになる。DARE製のG4は1996年にマイナーチェンジを実施。1.8リッター・フォードZETECエンジン、ダブルウィッシュボーンの後輪独立懸架、後輪ディスクブレーキが標準的な仕様となった。

これらのG4は2000年頃までに輸入を終了。だがその後もDARE社は、受注に応じてG4とG12の生産を続けている。

EXTERIOR & ENGINE

公道を走るカートのような軽量スポーツカー

ハードトップを装着した状態は非常にスタイリッシュ。この当時のイギリスのバックヤードビルダーのデザインとしては抜群に高いセンスを誇る。特にリアフェンダーからリアエンド周辺は秀逸。取材車両は1996年式のフォード225Eエンジン搭載車で、リアサスペンションはリジッド仕様。

ヘッドライトは丸2灯。この時代のハロゲンライトを装備している。メッキのリングはミニ用だが、下にネジが付けられないためよく取れるそうだ。

テールランプは汎用の丸型タイプ。当時からこのタイプで、いかにもバックヤードビルダー製らしい。バックライトや反射鏡を装着する必要がある。

ケントユニット搭載車はボンネットに瘤がふたつある。一方ZETECエンジン搭載車は平たい四角の膨らみがあるだけだ。

エキゾーストはサイド出しが標準。ウィザムカーズでは、触媒付でサイド下方出しの車検対応エキゾーストを用意している。

サイドミラーは新車当時標準仕様がなく、ショップごとに好みの物を付けていた。現車はアルミ板で高い位置に装着。

1996年のマイナーチェンジで、ボンネットのスプリングフックの奥に凹みが設けられ、塗装に傷がつき難くなった。

90年代の再生産車のフレームは角型パイプで構成されている。フロントサスペンションはオーソドックスなダブルウィッシュボーン式。

取材車両のリアサスペンションはリンク式のリジッドタイプ。限界は独立式より低いが、操る楽しみがあると言われる。

エンジンは1.7リッターまで排気量を拡大したフォード225E(ケント)。2基のウェーバー40DCOEを装備して135psを発揮。

タイヤは185/60R13サイズ。現車はエイヴォンZV1を装着していた。ホイールは純正のミニライト風8本スポークタイプ。

INTERIOR & LUGGAGE

走ることに必要なもの以外は何ひとつない!

インパネはシンプルなレイアウト。メーターは全てスミス製。スイッチ類には何も文字がなく、最初は迷いそうだ。

タコメーターのレッドゾーンは6300r.p.m.付近から。メーターは斜めに配置すると壊れるそうなので注意。

センターコンソールにはシフトレバーがあるだけ。シフトは短いストロークでコクコクと入る。消火器は必ず装備したい。

シートはバケットタイプで前後スライドのみ可能。身長の高い人は一番後ろにしても足が窮屈かもしれない。

燃料タンクで制限されるが、トランクにはちゃんと荷物が入れられるスペースがある。小さな鞄なら二人分入りそうだ。

IMPRESSION

クイック極まりないハンドリング
全てがダイレクトで緊張感を伴う

固定式ハードトップを持つジネッタG4は、ドア開口部が小さく乗り降りにちょっとした苦労を伴う。だがコクピットに収まってしまえば、自分のように小柄な体格なら問題なく良好なポジションが取れる。ただしステアリングは、当時のフォーミュラカー的なストレートアームで握る形となるが……。

試乗車はケント・エンジンのリジッド仕様。走り出してまず驚くのは、全てがダイレクトに身体に伝わることだ。エンジンの振動とサウンド、路面の凸凹、タイヤが跳ね上げる小石など、様々な情報がもたらされる。この感覚は現代のクルマでは味わえないものだ。

スーパーセブンSSと同じ135psのケント・エンジンは、低回転からトルクを出す性格で、高回転域は思った程回りたがらない。とはいえ僅か550kgの車重には十分な実力で、全開にすれば各ギア共アっと言う間に吹けきる。

ハンドリングはクイックそのもので、最初はカーブで思わず切りすぎてしまうほど。だが少し慣れると、最低限の操作で心地良くノーズが向きを変えてくれる。おそらく速度域が上がればハンドリングはより正確さを増し、更にクルマと一体になれることだろう。

乗り心地は硬く、各部の操作にも繊細さが必要で、ある意味スーパーセヴンよりスパルタンと言えるこのG4。何に感覚が近いかと聞かれれば、やはりレーシングカートかフォーミュラカーと答えるしかない。独特のヒリヒリとした緊張感を伴うので、毎日乗るのはさすがにしんどいが、月に何度か非日常を味わいたい時には最高の相棒になりそうだ。

SPECIFICATION
GINETTA G4
全長×全幅×全高:3400×1450×1000mm
ホイールベース:2027mm
車両重量:550kg
エンジン形式:直列4気筒OHV8バルブ
総排気量:1690cc

最高出力:135ps/6000r.p.m.
最大トルク:16.8kg-m/4500r.p.m.
サスペンション(F/R):ダブルウィッシュボーン/ライブアクスル+ラジアスアーム
ブレーキ(F/R):ディスク/ドラム
タイヤ(F&R):185/60R13

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