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マセラティ3200GT(スパイダー/クーペ/グランスポーツ)が欲しい!! MASERATI 3200GT(SPYDER/COUPE/GRANSPORT)

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER奥村純一
協力: マセラティ幕張

マセラティ3200GT(スパイダー/クーペ/グランスポーツ)が欲しい!!

1997年にフェラーリのコントロール下となったマセラティが、新体制下初の新型車として、1998年9月のパリサロンで発表したのが3200GT。デザインはジウジアーロ率いるイタルデザインが担当し、全長4510mmと比較的コンパクトなサイズの中で、2+2レイアウトを実現。クラシカルとモダンが融合した優美なボディを纏う。

エンジンは3.2リッターV8ツインターボで、370psと50.0kg-mを発揮。サスペンションは前後ダブルウィッシュボーンを採用していた。6速M/T(ゲトラグ製)と4速A/T(BTR製)が用意され、後者は翌1999年からデリバリーが開始されている。

日本には1998年11月に6速M/Tから導入され、翌年4速A/Tも登場。更に2001年8月には、足まわりを強化し18インチのピレリPゼロなどを装備したアセットコルサを30台限定発売した。

2001年9月のフランクフルト・ショーで、3200GTのホイールベースを220mm短縮し、ボディをオープントップ化、フェラーリ設計の4.2リッターV8 NAエンジン(390ps/46.0kg-m)を搭載したスパイダーが発表される。トランスアクスル化されると共に、6速M/Tに加えてカンビオコルサと呼ばれる6速シングルクラッチA/Tを最初から用意。またスカイフックと呼ばれる電子制御サスペンションも新たに採用した。日本には発表直後に導入されている。

2002年5月から、スパイダーと同様のメカニズムがクーペに搭載され、マセラティ・クーペの名で国内販売を開始。2004年9月からは、エンジン出力を400psに高め、10mm低い車高、エアロパーツ、19インチホイールなどを装備したグランスポーツがクーペに登場し、2006年にはスパイダーも発売。その後2007年10月に、後継モデルのグラントゥーリズモが導入された。

EXTERIOR & ENGINE

爆発的加速力のスタイリッシュ4座クーペ

ジウジアーロ率いるイタル・デザインがスタイリングを担当。3200GTのみオリジナルに忠実なブーメラン型テールライトを装備し、個性的でありながらエレガントさも併せ持つ。
ヘッドライトは外がプロジェクターのロービームで内がハイビーム。下は外からウインカー、スモール、フォグ。
ブーメラン型のテールライトは外側上がブレーキ&スモール、下がウインカー、内側はバックとバックフォグ。
Cピラーにはマセラティのエンブレムがあり、その隣は、車体左側(写真)がジウジアーロプレート、右側は給油口が備わる。
タイヤは前が235/40ZR18、後が265/35ZR18。現車は艶消し黒のホイールを艶有に塗装してある。
370psを発揮する3.2リッターV8ツインターボ・エンジン。シャマル用をやや大人しく仕立てたものだが、加速はやはり強烈。

INTERIOR & LUGGAGE

独特の色気を持つ実用的なインテリア

有機的な曲線で形作られたインストゥルメントパネル。ステアリングはオーソドックスな形状だがエアバッグ付。助手席にもエアバッグを装備。
6連のイエーガー製アナログ式メーターを装備する。盤面のグラフィックはクラシカルかつ繊細なもの。中央部分は各種警告灯と液晶の情報モニター。
センターコンソール部分は円と楕円で統一されたデザイン。中央上部には伝統のアナログ時計が備わり、シフトノブにはエンブレムが配される。
サイズが大きめのフロントシートは左右とも電動で調整が可能。座り心地はとても良く、柔らかい革で高級感も高い。
予想以上に実用性のあるリアシート。小柄な人なら長距離移動も可能だろう。荷物を置くスペースとしても有効だ。
トランクは2人分の旅行荷物なら十分搭載可能な広さを持つ。更に床下にはスペアタイヤを入れるスペースもある。

IMPRESSION

街中ではギクシャクしがちだが
踏めば爽快な加速を満喫できる

1999年春に行った「ティーポ10周年記念マセラティ3200GT西日本縦断5000kmチャレンジラン」以来、久しぶりにこのエレガントなクーペをドライブした。当時の印象は、とにかく加速が強烈で、高速道路では速度計を注視していないと、すぐに凄い速度に到達してしまう、というもの。

今回久々にステアリングを握って真っ先に思ったことは、「あれ? ゆっくり走るのがこんなに難しかったかな」ということ。クラッチが重いのに対して、アクセルの反応がシャープで、街中のストップ&ゴーを繰り返すと、どうしてもギクシャクしてしまいがちなのだ。考えてみれば、チャレンジランは高速道路と郊外の道路が主体で、それほど街中を走っていなかった。それに自分の脚力も落ちているのだろう。

ただしそれ以外の感覚は、記憶にある通りだったと言える。タコメーターの針が3000r.p.m.を超えると、ターボが急激に効き始め、車重が一気に軽くなったかのように加速していく。街中ではアクセルをすぐ戻さなくてはならないが、高速道路なら最高に気持ち良いだろう。シートやインパネ、ステアリングといった内装関係は、さすが高級ブランドだけあって快適そのもの。後席も使えば荷物は十分積めるだろうし、ロングドライブは楽しそうだ。

実用性と高性能を両立したスタイリッシュな4座クーペは、今も貴重な存在と言えるだろう。

SPECIFICATION
MASERATI 3200GT
全長×全幅×全高:4510×1822×1305mm
ホイールベース:2660mm
車両重量:1590kg
エンジン形式:水冷V型8気筒DOHC+ツインターボ

総排気量:3216cc
最高出力:370ps/6250r.p.m.
最大トルク:50.0kg-m/4500r.p.m.
サスペンション(F&R):ダブルウィッシュボーン
ブレーキ(F&R):ベンチレーテッドディスク
タイヤ(F/R):235/40ZR18/265/35ZR18

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