BUYERS GUIDE

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アルファロメオGTが欲しい‼ ALFA ROMEO GT

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER宮越孝政
協力: コレツィオーネ

アルファロメオGTが欲しい!!

アルファGTは2003年のジュネーブショーで発表された。ベースとなったのは147/156で、155ベースで当時モデル末期だったGTV(916系)の、実質的な後継車と言える。ただしGT誕生から2年後には、159ベースのブレラがデビューするため、この時代のアルファロメオの商品戦略は、やや迷走気味だったと言うべきだろう。

ボディデザインはベルトーネがアルファロメオ・チェントロスティーレと共同開発したもので、ピニンファリーナ製のGTV、ジウジアーロ製のブレラとはテイストが異なる。またGTというシンプルな車名からもわかるように、実用性に配慮した設計がなされており、後席の居住性やラゲッジルームの容量などはクーペとは思えぬほど。ただし、おそらく開発中のブレラとの棲み分けを狙ってと思われるが、147/156との共通部品を増やしてコストと販売価格を抑えていた。プラットフォーム、パワートレイン、前後サスペンションなどの他、インストゥルメントパネル、シート、更には左右ドアやフロントフェンダーまでも147/156系から流用されている。

日本市場には2004年に導入され、当初3.2リッターV6+6速M/T+左ハンドルの3.2V6 24Vと、2リッター直4直噴+5速セレスピード+右ハンドルの2.0JTSセレスピード(装備の違いでベース車とエクスクルーシブが存在)が用意された。この内3.2V6 24Vは、2006年前半で販売を終了。以後は2.0セレスピード仕様のみとなる。

その後様々な特別仕様車を限定導入しながら、エクスクルーシブがより豪華なディスティンクティブに変更されるなどしたが、2008年頃からは基本的に特別仕様車が販売の中心となっていく。結局2011年夏まで販売は継続され、ブレラと同時に姿を消すこととなった。

EXTERIOR & ENGINE

ベルトーネの巧みな技が光るクーペ

フル4シーターに近い室内を持ちながら、美しく纏められたエクステリア・デザイン。コンパクトに見えるが、全長は4495mmで、GTV(4295mm)、ブレラ(4415mm)より長い。取材車両は2004年式GT 3.2 V6 24。

ヘッドライトは一番内側がハイビームで真ん中がロービーム。ロービームはV6と2.0エクスクルーシブはHIDが標準装備される。

一番外側はフォグランプ。法規の関係でハイビームとは同時に点灯しない。ヘッドライトウッォシャーも装備。

テールランプは小さめのシンプルなもの。内側がブレーキで外側がウインカー。バンパーにあるのは右がバックフォグで左がバック灯。

リアフェンダーにはベルトーネのエンブレムがあり、デザインがベルトーネであることを強調。

トランクには“b”のマークも備わる。

V6搭載車は18インチの15本スポーク・ホイールを標準装備。キャリパーは赤塗装となる。

147/156GTA、GTV後期型と基本的に同一の3.2リッターV6エンジン。出力はGTAより10ps低い240psだが速さは十分。サウンドと回転フィールが抜群。

INTERIOR & LUGGAGE

快適なドライブ環境と実用性を両立

V6搭載車は左ハンドルのみの設定。インパネ全体は147と基本的に同一のものを採用する。撮影車には収納式のHDDナビが装着されていたが、画面がエアコン吹き出し口を塞いでしまう。

アルファ147と基本的に同一形状ながら、ホワイト盤面などで印象を変えているメーター類。スピードメーターはフルスケール300km/hだ。

センターパネルはシルバーのものを装着。シフトレバーまわりのコンソール部のデザインはGT専用のもの。シフトノブは変更されている。

撮影車には赤いアクセントの入ったアルミ製のペダル&フットレストが装着されていた。

ベタベタになるドア内張のノブ部分に、撮影車は同色のカバーが巻かれていた。

フロントシートはサイズが大きく、身体の各部を巧みに支えてくれる形状。それでいてサポート性も高いため、長距離走行で疲れなさそうだ。

リアシートはサイズはまずまず大きく、座り心地も悪くない。ただし大柄な人だと、足元と頭上の空間が狭いため、苦しい姿勢になりそうだ。

ラゲッジルームは通常状態で320リッターと大きい。クーペとしては異例に実用的な設計なのがわかる。

リアシートは6対4の分割可倒で、ダブルフォールディングも可能。最大905リッターまで拡大できる。

ラゲッジルーム左右側面には小物入れが備わる。撮影車はCDチェンジャーを収納。

IMPRESSION

気持ち良く回るアルファV6を
マニュアルで存分に味わえる

今回お借りしたのは2004年式の3.2 V6 24。147/156GTA系のそれを僅かにデチューンした240psのV6に6速M/Tを組み合わせるモデルだ。クーペとはいえ比較的高めの車高(1375mm)のため、前席の乗り降りは非常にしやすい。フロントシートは大きめで、身体を包み込み、巧みに支えてくれるため非常に快適。一方リアシートは、足元と頭上空間がやや狭いが、形状は良いので、小柄な人なら長距離ドライブも可能だろう。

エンジンをかけ走り出す。アルファ伝統のV6 24Vエンジンは、ロロロロロ……に近い例のサウンドを発しながら、実に気持ち良く吹け上がる。パワー的には十分以上で、これをマニュアルシフトで操る作業は実に楽しい。2.0JTSとセレスピードの組み合わせも軽快で良いのだが、V6の方を選びたくなる気もする。

乗り心地はやや硬めだが快適で、ハンドリングもアルファらしくクイック。ただしV6搭載車ゆえフロントヘビーなのは間違いなく、ワインディングで飛ばすより、ゆったりと高速で流す方が得意といった印象だ。またV6に標準装備される18インチタイヤ&ホイールは、アピアランスは抜群なのだが、細かく路面の凸凹を伝えてくる感じを受けた。

今となってはコンパクトなボディに、アルファの魅力がいっぱい詰まったこのGTが、手頃な価格で入手できるのは実に魅力的だ。

SPECIFICATION
ALFA ROMEO GT 3.2 V6 24
全長×全幅×全高:4495×1765×1375mm
ホイールベース:2595mm
車両重量:1430kg
エンジン形式:V型6気筒DOHC24バルブ
総排気量:3179cc
最高出力:240ps/6200r.p.m.

最大トルク:29.4kg-m/4800r.p.m.
トランスミッション:6速M/T
サスペンション(F/R):ダブルウィッシュボーン/ストラット
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(F&R):225/40R18

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