BUYERS GUIDE

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シトロエンAXが欲しい!! CITROËN AX

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER山本佳吾
協力: ガッティーナ

シトロエンAXが欲しい!!

シトロエンAXは、LNAとヴィザに代わる小型車として、1986年のパリ・サロンでデビューした。

ベースとなったのはプジョー205で、サイズやホイールベースは一回り小さかったものの、前ストラット+コイル、後トレーリングアーム+横置きトーションバーのサスペンションを始め、多くの部分を共用していた。

まず3ドアが登場し、翌年5ドアを追加。日本には1989年に、1.4リッター直4 SOHCエンジンを搭載した3ドアのGTと5ドアの14TRSが西武自販により導入された。前者は2バレル・ソレックス・キャブレターで85ps、後者は同シングルバレルで65psのエンジンを搭載。内装やホイールなどが異なるが、共に左ハンドルの5速M/T仕様で、車重は共に750kgだった。

1990年にエンジンがシングルポイント・インジェクション化され、両グレードとも75psになった。またマツダ系のユーノスでも取り扱いが始まり、右ハンドルも用意された。車重はGTが770kg、TRSが790kg。

1991年、バンパー、リアハッチ、インパネ、シートなどのデザインを変更した後期型が導入される。3ドアには鋳鉄ブロックにマルチポイント・インジェクション装備で95psとしたエンジンを搭載、4穴ホイールも装備したGTiが追加された。また左ハンドル車はそれまでのクーラーからインダッシュのエアコンに変更されている。なお車重はGTが800kg、TRSが810kg、GTiが820kgだった。その後、1996年まで日本で販売された。

EXTERIOR & ENGINE

軽量コンパクトでスタイリッシュなボディ

直線的なデザインの上、テールゲート付近など所々にエッジが立った部分があり、全体的にシャープな印象。ただしヘッドライトまわりは少し曲線的で、フロントは優しい表情になっている。取材車両は1992年式GTi。

ヘッドライトは、スモール、ロー&ハイビームを内蔵。その外側がウインカーで、バンパー部はフォグランプ。

テールライトは上からブレーキ、ウインカー、スモール、バックフォグ(右側の同位置はバック)の順。

オプションの大きなリアスポイラーがテールゲートに備わる。元々リアウインドウ下端がキックアップしている上、標準装備のルーフスポイラーとの二段重ねとなり、なかなかの迫力だ。

GTiは4穴のスピードライン製アルミホイールを装備。現車はピレリP4の175/65R13サイズ(本来185/60R13)に変更されていた。

GTiの1.4リッター直4エンジンは、ブロックがアルミからスチールに変更となり、マルチポイント・インジェクションを装備。95psと12.2kg-mを発揮する。

INTERIOR & LUGGAGE

シトロエンらしいシートで長距離も快適

インパネ形状は後期型で、90年代らしい曲線的なデザインとなった。助手席前のグローブボックスは下側につくようになったが、この時代まだエアバッグは、ステアリングにも備わらない。

メーター配置も後期型で変更された。引き続きイエーガー製で、シンプルなデザイン。

後期型の左ハンドルは、インダッシュのエアコンを装備する。オーディオはノンオリジナル。

前席は小ぶりだが、適度にソフトで座り心地がいい。GTiのシート生地はやや地味な印象。ドア内張のペットボトルホルダーは廃止された。

足元が狭いため大人が長距離乗るのは少々辛いが、なんとか実用にも使えそうな後席。まだヘッドレストはないが、3点式ベルトは備わる。

ラゲッジスペースは、ボディサイズを考えれば十分な広さがある。後席のバックレストは5対5分割で倒すことができる上、背面が傷まないようカバーも装着される。座面が折り畳めないためダブルフォールディングにはならないが、スキーなどの長い物も搭載できる。

ANOTHER USED CAR

ガッティーナにあるもう一台のAXは、同じ1992年式ながら中期型のGT。フロントグリルやノーズエンブレム、インパネ形状などが異なる。シート生地はこちらの方が人気とか。

メーターナセルが角型で、時代を感じさせるインパネ。冷房は国産のクーラー。

斜めのストライプの入る生地に赤いパイピングの、いかにもフランスらしい配色。

ドア内張には、ペットボトルの入るホルダーがある。これもいかにもフランス流。

1.4リッター直4エンジンはシングルポイント・インジェクション装備で75ps。

IMPRESSION

元気なエンジンとしなやかな足まわり
軽量ホットハッチならではの楽しさ

今回試乗したのは1992年式のGTiで、マルチポイント・インジェクション装備で95psを発揮するエンジンを搭載する。

車体はかなり小さく、乗り込むと助手席が近いが、意外に窮屈な感じはしない。ウインドウ面積が現代車より大きいからかもしれない。シートは小ぶりだが、芯が柔らかい感じで快適だ。

1速に入れて走り出すと、まずステアリングがノンパワーで、低速だとそれなりに重い。ただし少しスピードが出れば気にならなくなる。エンジンは特にシャープな感じはしないものの、気持ちよく回って、トルクも下からついてくる印象だ。ギアは比較的クロスしているのか、つながりが良い。ポンポンと無造作にシフトしていっても、気持ちよく加速していってくれる。

車重が820kgと軽量なのも、気持ちよさに大きく貢献している。足まわりはスポーツグレードらしくやや硬めだが、ストローク感はあるので、カーブでは軽さを活かして、キビキビと向きを変えてくれる。ブレーキも街中ではよく効いた。これならロングドライブの後にワインディングを愉しむことも十分可能だろう。ただし現代車に比べて車内は少々うるさいので、そこはある程度我慢が必要だが……。

今回ご協力いただいたガッティーナの酒井代表によれば、シングルポイント・インジェクション装備の75psエンジンの方が、レスポンスの面ではGTiの95ps仕様を上回るそうで、個人的にはこちらがお好きとのこと。いずれにしても、運転が楽しいクルマであることは間違いない。

SPECIFICATION
CITROËN AX GTi
全長×全幅×全高:3515×1595×1340mm
ホイールベース:2280mm
車両重量:820kg
エンジン形式:直列4気筒SOHC 8バルブ
総排気量:1360cc

最高出力:95ps/6600r.p.m.
最大トルク:12.2kg-m/4200r.p.m.
トランスミッション:5速M/T
サスペンション(F/R):ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ(F/R):ディスク/ドラム
タイヤ(F&R):185/60R13

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