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プジョー508(初代)が欲しい!! PEUGEOT 508(I)

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER山本佳吾
協力: プジョー新横浜

プジョー508(初代)が欲しい!!

プジョー508は、407の後継として2010年秋に正式発表された。ボディはセダンとワゴンの2種。全長は407よりセダンで101mm、SWで48mm、ホイールベースは92mm拡大され、デザインは407とは対照的な落ち着いた雰囲気となった。

日本には、156psを発揮する1.6リッター直4ターボ・エンジンと6速トルコンA/Tを組み合わせ、フロント・サスペンションにストラットを採用したセダンとSWがまず導入される。それぞれに装備内容の異なるアリュールとグリフの2種が設定された。

ちなみに本国には高性能ディーゼル・ターボとフロント・ダブルウィッシュボーン・サスペンションのGTも当初から用意されていた。

2011年7月に日本で発売され、1年後にはグリフをベースとした豪華な1周年記念特別仕様車を限定発売。更に2013年9月には、アリュールをベースとしたお買い得な特別仕様車プレミアムも発売されている。

2014年12月に、マイナーチェンジを受けた後期型の日本導入がアナウンスされ、翌年1月に発売。前後デザインを変更し、エンジンは1.6リッター直4ターボのまま、165psを発揮するものに変更された。ミッションの改良やスタート&ストップ機構の追加もあり、燃費は実に28%も改善された。またセダンは40mm、SWは15mm全長が伸びた。

2016年7月に、日本でも2リッター直4DOHCターボ・ディーゼル(180ps)エンジンを搭載し、ダブルウィッシュボーンのフロント・サスペンションを備える、GTブルーHDiが追加発売される。

2018年11月に新型508が日本市場で発売され、初代の販売は終了した。

EXTERIOR & ENGINE

ドイツ車とは異なる魅力のミドルサルーン

アグレッシブだった先代407に比べて、落ち着いたデザインとなった508。前期型は特に、端正なスタイルになっている。撮影車両は2013年式の1st ANNIVERSARY仕様。

後期型はややアグレッシブなデザインになった。ノーズ部分で15mm、セダンはリアバンパー部分も25mm、前期型より延長されている。撮影車両は2017年式のGTブルーHDi。

前期型のフロントライトは、外がLEDのスモールで内がHIDのヘッド(ロー&ハイビーム)。バンパー部にウインカーとフォグが備わる。

後期型のフロントライトはLED化された。上3つの両サイドがロービームで、中央がハイビーム。バンパー部の細長いものがスモール&ウインカー。

前期型のテールライト。縦3本のLEDスモールの外がブレーキで内がバックフォグ。中2本の透明な部分はウインカーとバック。バンパー部にリフレクターが備わる。

後期型のテールライト。全体の形状は前期型と同じだが、上下に分割され、上がブレーキ&スモール、下がウインカー&バックになり、バックフォグはバンパー部に移動した。

前期型の日本仕様には、当時多くのPSA車両に採用されていた、BMWとの共同開発による1.6リッター直4直噴ターボ・エンジンが搭載された。前期型の最高出力は156ps。

後期型に2016年に追加されたのが、180psの2リッター直4ディーゼル・ターボ・エンジンを搭載したGTブルーHDi。トルクフルで元気な走りを味わえる。無論燃費も良い。

タイヤ&ホイールはグレードにより異なる。前期型1stアニバーサリー仕様は、専用17インチホイールと、215/55R17のミシュラン・プライマシーHPを履いていた。

ディーゼルながら高性能仕様の後期型GTブルーHDiは、純正の5本スポークアルミホイールに235/45R18サイズのミシュラン・プライマシーHPを装着していた。

INTERIOR & LUGGAGE

フランス車らしい広くて快適なインテリア

外観同様オーソドックスなデザインのインパネまわり。前期型はナビがコンソールに収まる。ステアリング裏にはシフト用のパドルが備わっている。

ナビがインパネ中央上部に備わる後期型のインパネまわり。現車はスポーティなGTのため、ブラック基調で一部に赤いステッチが入る。

前期型のメーター。スポーティな印象のアナログ5連メーターを採用するが、この時代のプジョー車と共通するイメージでまとめられている。

後期型もメーターの盤面デザインは共通のようだ。ただしディーゼル・ターボ・エンジンのため、レッドゾーンは4500r.p.m.からになっている。

前後期型ともグリフには、視線を動かさずに読み取れるヘッドアップ・ディスプレイが装備されていた。前期の1周年記念車も装備。

前期型はナビやオーディオを操作するモニターが下段に備わる。全車シートヒーター付電動シートを採用。

撮影車はブラウンのナッパレザーを採用した前期型の1周年記念限定車。前席は硬めながら、大型で座り心地に優れる。

後期型GTもシート形状は同一。ただしレザーとファブリックのコンビシートを採用しており、ファブリック部分が柔らかめで気持ち良い。

後席は広く、シートはフラットな形状で3人掛けが可能。前期型1周年限定車はブラウン・レザーで明るい雰囲気。

後期型GTの後席。シート形状はこれも前期型と同一。中央席にも座れるが、リアの空調吹出しあり、足元はやや窮屈。

セダンのトランクルームは前後期とも通常状態で515リッター。シートバックは6対4分割可倒で、中央部のみ開けることも可能。左右シートバックを倒せば1381リッターまで容量が拡大する。

IMPRESSION

前期:1.5トンを超える車重だが鈍さは皆無
普段の使い方では快適この上ない

今回お借りしたのは、2012年夏の限定車508 1st Anniversaryの、2013年登録モデル。通常であれば色気のない508グリフのグレーの本革シートが、明るいブラウンになっているだけで随分と華やかに感じられる。

フロントシートは座面、シートバックとも大きく、サイドサポートは出ているものの、ゆったり座れる印象だ。ただし座り心地はかなり硬めと言える。

エンジンは156psの1.6リッター・ガソリン・ターボで、車重が1.5トン以上あるため、非力な印象かと思いきや、さにあらず。走り出すと、かなりスポーティな性格であることがわかる。制御が進んだアイシン製の6速トルコンA/Tのお蔭もあって、軽々としかもスムーズに車速を伸ばしていく。その際、強めにアクセルを踏めばそれなりにエンジン音が聞こえてくるが、街中で流れに乗って走る分には十分に静かに思える。

足まわりは先代の407同様やや硬めで、特に17インチホイールのグリフ(撮影車もグリフ・ベース)は、路面が荒れたところでややタイヤがドタバタする感じはある。とはいえスムーズな路面の街中を走る限り、絶妙なアシストのパワーステアリングと相まって、非常に快適だ。フロントサスペンションが407のダブルウィッシュボーンからストラットに変わったことによるネガも全く感じられなかった。

おそらくワインディングでパドルシフトを駆使するような状況では、プジョーらしいスポーティな走りを楽しめることだろう。508は車体は大きいがプジョーらしさは濃厚と言えそうだ。

SPECIFICATION
2013 PEUGEOT 508 1st ANNIVERSARY
全長×全幅×全高:4790×1855×1455mm
ホイールベース:2815mm
車両重量:1520kg
エンジン形式:水冷直列4気筒DOHC+ターボ
総排気量:1598cc

最高出力:156ps/6000r.p.m.
最大トルク:24.5kg-m/1400-3500r.p.m.
トランスミッション:6速A/T
サスペンション(F/R):ストラット/マルチリンク
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(F&R):215/55R17

後期:ガソリン・エンジン車より明らかに速く
足まわりもより懐深い設定となっている

一方こちらは、2017年式の後期型GTブルーHDi。180psと40.8kg-mを発揮する、強力な2リッター直4 DOHCディーゼル・ターボ・エンジンを搭載し、フロントサスペンションをストラットからダブルウィッシュボーンに変更した、これぞ欧州仕様ともいうべきモデルだ。ただしガソリン車に比べると、車重は130kgほど増えている。

前席はサイズが大きく、中央部分がファブリックなこともあって、当たりが柔らかい。しかも形状が良いこともあり、とにかく「収まりがいい」感じだ。後席は座面が大きく、バックレストは平板ながら、これも快適な印象だった。

驚いたのはその走りだ。2リッター・ディーゼル・ターボ・エンジンはトルクフルで、1.65tのボディを軽々と加速させる。予想を上回る吹け上がりの良さも、近年のディーゼルらしいところ。単純な速さの面でもガソリン・ターボ車を明らかに上回っている。更に感心したのは足まわりで、ストロークがたっぷりありながら、無駄なロールはせず、狙った通りノーズが向きを変える。フロントがストラットの他のグレードと比べると、少しハードに攻めた時に一層懐が深い印象で、これは快感だった。

知る人ぞ知る極上ファミリーカー。508GTブルーHDiはまさにそんなクルマで、かなり本気で欲しくなった。

SPECIFICATION
2017 PEUGEOT 508GT Blue HDi
全長×全幅×全高:4830×1855×1455mm
ホイールベース:2815mm
車両重量:1650kg
エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ(ディーゼル)
総排気量:1997cc

最高出力:180ps/3750r.p.m.
最大トルク:40.8kg-m/2000r.p.m.
トランスミッション:6速A/T
サスペンション(F/R):ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(F&R):235/45R18

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