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アルファロメオ・ミトが欲しい!! ALFA ROMEO MiTo

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER奥村純一
協力:アルファロメオ池袋/フィアット松濤/アバルト松濤(http://tricoloretoto.com

アルファロメオ・ミトが欲しい!!

アルファロメオ・ミトは、従来の147より小さい、3ドア専用のコンパクト・モデルとして開発された。ベースとなったのはフィアット・グランデプントで、前ストラット、後トーションビームの足まわりも同様。車名のミトは、ミラノでデザインされ、トリノで生産されることを意味し、イタリア語の伝説の意も付加される。

2008年6月に発表され、翌年5月から日本で販売が開始された。日本仕様は当初、155psを発揮する1.4リッター直4DOHCターボ・エンジンと6速M/Tを備える、1.4ターボ・スポーツのみの設定。DNAシステムと呼ばれる、3つの走行モードが選べる電子デバイスが標準装備された。

2010年3月には、ツインクラッチ式6速A/TのアルファTCTを、135psを発揮する新開発の1.4リッター・マルチエア・ターボ・エンジンと組み合わせた仕様を発表。装備の違いでスプリントとコンペティツィオーネがあり、日本では10月から市販された。

また同年7月には、170psを発揮する1.4リッター・マルチエア・ターボ・エンジンを搭載したクアドリフォリオ・ヴェルデも追加発売。1.4ターボ・スポーツはフェードアウトした。

その後限定車の発売などを経て、2014年1月に、クアドリフォリオ・ヴェルデの販売を中止し、スプリントとコンペティツィオーネのみに車種を整理。更にスプリントも2015年に販売を終了し、本革シートと17インチタイヤを備えるコンペティツィオーネのみになった。

2017年2月に、フロントグリルの形状を変更し、ブランドロゴを刷新したマイナーチェンジ・モデルを発売。その際グレード名をスーパーに変更した。

2018年で日本での販売を終了した。

EXTERIOR & ENGINE

コンパクトでもアルファらしさは満載

一見かわいらしいのだが、よく見ると筋肉質で逞しい印象も受ける独特のデザイン。全長は4070mmで、コンパクトではあるがこのクラスとしては大きい方。取材車両は2011年式のコンペティツィオーネ。

ヘッドライトは下がHIDのロービーム、中にハイビームとスモール、上がウインカー。バンパー部はフォグ。

テールライトは外からスモール、ブレーキ、ウインカーの順で、バンパー部にバックフォグ(右)とバック。

伝統のアルファの盾とそれに続くグリルは、同時代の8Cコンペティツィオーネを彷彿させるデザイン。

車名はデザインを担当したミラノのアレーゼと生産を担当するトリノを示し、伝説の意も込めた。

コンペティツィオーネは17インチホイールを装備。タイヤは215/45R17のPゼロ・ネロ。

フィアット・パワートレイン・テクノロジーズが開発したマルチエア・エンジンは、吸気側のバルブをカムではなく油圧ピストンで自由に駆動するのが特徴。現車には135psの1.4リッター・ターボが搭載される。

INTERIOR & LUGGAGE

クラスを超えたクオリティが魅力的

円を基調に、抑揚のあるデザインとされたインパネまわり。フェイシア部はカーボン調パネルを採用し、スポーティに演出。

メーターは左からスピード、燃料、水温、タコの順で文字表記はイタリア語。液晶パネルは切替式で英語表示を選択。

現車はカロッツェリアの楽ナビを装着。エアコンは左右独立調整式フルオート。その下にアルファDNAシステムのスイッチがある。シフトはステアリングのパドルでも操作可能。

前席用のセンターアームレストを上げると現れる、シートヒーターのスイッチ。

現車はBOSEのスピーカーなども装着しており、かなり豪華な仕様となっていた。

前席は大きめで座り心地も良い。長距離ドライブでも疲労感は少なさそうだ。取材車はポルトローナ・フラウ製のレザー内装を装備。

後席は3人掛けだが、スペース的には2人用といった印象。また足元はまずまず広いが頭上が狭い。

トランクは通常270リッターだが、バックレストは6対4分割可倒で、座面のダブルフォールディングも可能。最大950リッターまで拡大できる。必要に応じて荷室を拡大できるので、日常的な使用で不便はないだろう。

IMPRESSION

スポーティだが日常的な走りも得意
都会的な足グルマとして完成度が高い

今回お借りしたのは、2011年式のコンペティツィオーネで、当時はオプションだった赤のポルトローナ・フラウ製本革内装が装着された個体。内外装ともコンディションは非常に良く、新車といっても通用しそうだ。

フロントシートは車体のサイズを考えれば大きめで、座り心地も良い。調整は全て手動式だが、シートヒーターまで備わる豪華版だ。まずはDNAシステムをノーマルでスタートする。

加速はそれほど鋭くはないが、アルファTCTの変速ショックが小さいため非常に滑らかに走る印象だ。足まわりは硬く、17インチ・タイヤが伝えるショックも大きめだが、コンパクトなサイズのお蔭で、街中で乗る足としては十分魅力的に思えた。

一方DNAシステムをダイナミックに切り替えると、過給圧、ステアリングの重さ、シフトタイミングなどが変わり、動きが一変する。加速は鋭くなり、いかにもアルファらしいスポーティさを見せてくれるのだ。これなら山道でも相当楽しいだろう。

もうひとつのオールウェザー・モードは雪道用で特に試さなかったが、このDNAシステムのお蔭で、ミトはアルファロメオというブランドに相応しい、高級感と完成度を手に入れることに成功していると思えた。チンクエチェントやミニといった3ドアのBセグ・プレミアムカーの中で、少し大人っぽい独特の存在感があるミトを、このクラスの中古を検討している人に強くお勧めしておきたい。

SPECIFICATION
ALFA ROMEO MiTo COMPETIZIONE
全長×全幅×全高:4070×1720×1465mm
ホイールベース:2510mm
車両重量:1260kg
エンジン形式:水冷直列4気筒16バルブICターボ
総排気量:1368cc

最高出力:135ps/5000r.p.m.
最大トルク:19.4kg-m/4500r.p.m.
トランスミッション:6速A/T
サスペンション(F/R):ストラット/トーションビーム
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(F&R):215/45R17

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