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アルファロメオ164が欲しい!! ALFA ROMEO 164

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER山本佳吾
協力:コレツィオーネ(http://www.collezione.co.jp/

アルファロメオ164が欲しい!!

アルファロメオ164は、フィアット、ランチア、サーブとFFのプラットフォームを共有する、ティーポ4プロジェクトの一員として開発された。サスペンションは4輪ストラットで、美しいボディデザインはピニンファリーナが担当している。

1987年のフランクフルト・ショーでデビュー。日本では1989年に導入が開始され、当初は3リッターV6 SOHC/185psエンジンと4速A/T搭載の164と、その豪華版である164特別仕様車が輸入された。

1990年にはメーカー系インポーターが発足。同年末に、200psの3リッターV6 SOHCエンジンと5速M/Tを組み合わせ、エアロパーツなどを装備した、164クアドリフォリオ(QV)が日本市場で発売された。

1991年に、各部を改良した164Lが登場。豪華装備の164Lトップ・バージョンも用意されていた。

1993年に、ヘッドライトの形状や内装のデザイン変更を行うなどし、各部に改良を加えた後期型を発売。210psの3リッターV6 DOHC24バルブエンジン&4速A/Tを搭載し、大型バンパーを備えた164スーパーが登場。更に1994年には、シュタイア・プフと共同開発した4WD機構とゲトラグ製6速M/Tを持ち、230psのV6 DOHCエンジンを搭載した164Q4を、受注輸入で発売している。

1995年に3リッターSOHC/175psの164スーパー(12V)が登場し、従来車はスーパー24Vとなった。

その後、1998年に販売を終了した。

EXTERIOR & ENGINE

繊細な外観デザインと官能的なV6エンジン

フロント・サスペンションの取り付け方を工夫し、ノーズの低さに拘ったと言われるボディデザイン。直線的でありながら、後の155のようなシャープさはあまりなく、繊細な印象を受ける。取材車両は1994年式の164 Q4。
ヘッドライトはロービームがプロジェクターで、その内側がハイビーム。外はウインカーで下部はフォグ。
テールライトは外から順に、ウインカー、スモール&ブレーキ、リフレクター、バックフォグ、バックと並ぶ。
伝統のアルファの盾は比較的小ぶりで、正三角に近いお結び型をしている。その中に横桟が入る。
4WDのQ4には前後&サイドのエアロパーツが標準で備わる。FFのクアドリフォリオ(QV)と同様のパーツだが、Q4は後期型ヘッドライトとの組み合わせとなる。
ホイールはQ4専用のスピードライン製16インチ/5穴。タイヤは205/55R16サイズが、当時から装備されていた。
DOHC24バルブ化された3リッターV6エンジンは、Q4の場合230ps/29.0kg-mを発揮。抜群に気持ち良い回転フィールとサウンドを6速M/Tで楽しめる。

INTERIOR & LUGGAGE

大人4人が快適に過ごせる魅力的な車内

1980年代生まれらしい、角張った大型のメーターナセルを持つインパネが備わる。ステアリングはやや遠く感じられる位置に付く。後期型はエアバッグが装備されていた。
メーターはアナログ6連タイプ。上にフルスケール260km/hの速度計と、7000r.p.m.からがレッドの回転計。下には燃料、水温、油圧、電圧が並ぶ。
後期型のセンターコンソールはピアノスイッチになり、信頼性が向上した。ただし液晶表示は壊れやすい。
Q4には電子制御サス(オートマチック・サスペンション・コントロール)も装備されている。
前席はレカロ製で、サイズも大きく座り心地は非常に良い。Q4は本革が標準だが、ベージュの他に黒も選択できたようだ。
後席は基本的に二人掛けの独立したタイプ。足元は広く、頭上にも余裕はあるが、頭部の横側が窓に近くてやや窮屈だ。
FFの164のトランクはかなり広いが、Q4は大きなセンターデフとリアデフが床下にあるため、浅くて狭く感じられる。後席中央部分が開閉でき、スキーなどを収納するための袋が備わる。

ANOTHER USED CAR

コレツィオーネが在庫するもう一台の164は、1989年式の3.0 V6。初期型のFFモデルで、内外装とも抜群のコンディションに保たれていた。初期型はヘッドライトが厚く、ツートーン塗装が標準。
テールライトも色味が異なる。Q4に比べればメンテナンスも安心かも?
エンジンは185psを発揮する3リッターV6 SOHC 12バルブ。4速A/Tと組み合わされる。
メーターまわりの配置は後期型と基本的に同様。ただしハンドルにエアバッグは備わらない。
後期型と異なるセンターコンソール。タッチパネル式で壊れやすいが、現車は大丈夫のよう。
ベースモデルのため表皮はファブリックだが、フロントシートの調整は全て電動で行える。
リアシートは当初から2人掛けに近い形状(定員は5名)。FFだが足元中央に膨らみがある。

IMPRESSION

珠玉のV6をM/Tで操る楽しさと
当時の最新技術を味わえる嬉しさ

今回お借りしたのは、1994年式の164 Q4。後期型のヘッドライトと、エアロパーツ&ツートーン塗装の組み合わせが新鮮だ。

乗り込むと、ベージュの革張りシートが快適で驚いたが、日本仕様のQ4はレカロシートが標準だったので、それも納得。ただこの時代はまだ、ステアリングがやや遠い、イタリアン・ポジションを強いられるが……。

エンジンは230psまでチューンされた3リッターV6 DOHCで、回転の上がり方や、独特のサウンドが、やはり抜群に気持ち良い。特にこのQ4は、ストロークの短いゲトラグ製6速M/Tを搭載しているので、なおさらだ。

驚いたのは、ヴィスコマティックと呼ばれる4WDシステムの作動が自然なことだ。前後トルク配分を、電子制御と独特の可変型センターデフで、積極的にコントロールするシステムで、当時としては画期的、かつ極めて複雑な内容を持つものだった。

晴天の街中を走る程度だと、前後どちらに強く駆動がかかっているかわからない。カーブを曲がる際にも、何も不自然なところは感じられない。言い換えれば、そうしたことを全く意識せずに、普通に気持ちよく運転でき、しかも安全ということだ。四半世紀以上前のハイテクに、改めて感心させられた次第だ。

164 Q4は、その運転感覚、乗り心地、ハイテクのまとまり具合に於いて、高級かつスポーティなアッパーミドル・サルーンとして、今もなお十分に魅力的だった。これであと数十センチ、最小回転半径が小さかったら最強なのに、と思ってしまった。

SPECIFICATION
ALFA ROMEO 164 Q4
全長×全幅×全高:4555×1760×1385mm
ホイールベース:2660mm
エンジン:V型6気筒DOHC 24バルブ
総排気量:2958cc

最高出力:230ps/6300r.p.m.
最大トルク:29.0kg-m/5000r.p.m.
トランスミッション:6速M/T
サスペンション(F&R):ストラット
ブレーキ(F&R):ベンチレーテッドディスク
タイヤ(F&R):205/55R16

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