BUYERS GUIDE

<バイヤーズガイド>
ホントに買っていいんですか?
気になるクルマをユーザー目線で掘り下げます

ロータス・エラン(M100)が欲しい!! LOTUS ELAN(M100)

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER山本佳吾
ロータス世田谷(オーセンティックカーズ)(https://authentic-cars.com/

ロータス・エラン(M100)が欲しい!!

ロータスの2代目エラン(M100)は1989年秋に発表された。伝統のX型バックボーンフレームにFRPボディを搭載していたが、初代と大きく異なっていたのは、エンジン横置きのFWDだったことだ。これには、1986年以来ロータスを傘下に収めていたGMの意向が強く反映されていたのだが、FWDのスポーツカーという新分野への挑戦にロータスが意欲的だったという側面もある。

エンジンは、当時GM系列だったいすゞが新開発した1.6リッターDOHC(NAとターボ)が選ばれ、5速M/Tもいすゞ製。サスペンションは前後ダブルウィッシュボーンで、車重は1020kg。ボディデザインは、ピーター・スティーブンスが担当した。

1990年からデリバリーが開始され、日本では1991年から、アトランティック商事を通じて、165psのターボ・エンジンを搭載したエランSEが正規輸入されている。

だがほぼ時を同じくして、マツダがロードスターを発表し世界的なヒットとなったため、FWDで高価なエランは苦境に立たされ、僅か3800台余を生産しただけで、1992年に生産を終了する。ところが1993年にロータスはブガッティ・アウトモビリ傘下となり、僅かに改良を加えたエランS2を1994年から800台限定生産する。これもアトランティック商事を通じて少数が正規輸入された。

その後エランの生産設備は韓国の起亜に譲渡され、起亜エラン(日本名ビガート)として少数が販売された。

EXTERIOR & ENGINE

特異なディメンションとターボらしいエンジン

ピーター・スティーブンスがデザインしたボディは、ニューシェイプ・エスプリと同イメージの、丸みを帯びたウェッジシェイプ。全長×全幅×全高とホイールベースは、ランチア・ストラトス(3710×1750×1114&2180mm)に近い。
ヘッドライトはエスプリと似た形状の、4灯リトラクタブル式。バンパー部に細長いスモールとウインカーが備わる。
テールライトはアルピーヌV6ターボと同じもの。外からウインカー、スモール&ブレーキ、バック、リアフォグの順。
幌は、ウインドスクリーン上部のロックを2箇所外し、座席後方のボディ色のカバーを上げて、そこに収納する。
慣れればほんの数十秒で開閉可能だ。
純正ホイールに205/50R15サイズのタイヤを装着。現在は種類が少なくなっているが、現車はダンロップ・ディレッツァを履く。
横置きに積まれるいすゞ製1.6リッター直4ターボ・エンジン。狭いエンジンルームになんとか収まっている。

INTERIOR & LUGGAGE

80年代的デザインのインパネと低い着座位置

1989年の発表だが、大きなかまぼこ型ナセルを持つインパネは典型的な80年代風デザイン。メーター周囲にウッドパネルを使うエスプリやエクセルに比べ、全体に樹脂が多用されるため、ややチープに見える。
メーターは中央に半円形の速度計を置き。扇形の回転計が左、水温と燃料が右という配置。現車はイギリス仕様で、MPHとkm/hが並記される。
センターコンソールに、電圧、油圧、ブーストのメーターが備わる。スイッチ類は同時代のGM車からの流用。エアコンはマニュアル式だ。
シートは厚みがあって座り心地は快適。日本仕様はフルレザーだが、現車はイギリス仕様のため、ファブリックとレザーのコンビが装着されていた。
シート後方にはバルクヘッドがあり、その後方に畳まれた幌が収納されるため、荷物が置ける隙間は小さい。ただし幌を出せば、その部分に荷物を入れられる。
トランクはかなり実用的。2人分の旅行荷物なら入りそう。ただし床は意外に凸凹している。床下にはテンパータイヤを収納。

IMPRESSION

ターボが効くと鋭さを増す加速と
軽快に向きを変えるハンドリング

今回お借りしたのは、イギリス仕様の1992年型SEで、ファブリックとレザーのコンビシートを装着していた。エンジンをかけて走り出す。まず気づくのは、シフトレバーのストロークが長いことで、「あぁ昔のFF車はこうだったなぁ」と思い出した。ミッションもいすゞ製をそのまま使うためだろうが、これは少々残念なポイントではある。

またエンジンの低速トルクが細く、アイドリングプラスで走り出そうとするとストールしてしまう。おそらくギア比の問題もあると思うが、街中の渋滞で運転するのは気を遣う。一方で3000r.p.m.付近を超えるとトルクが一気に増す感じで、加速は鋭くなる。ただし6000r.p.m.くらいで頭打ちで、その間はトルクがグイグイ増える感じではなく、フラットで扱いやすい印象だ。

感心したのはボディ、というよりシャシー剛性の高さで、走行中に段差を乗り越えても、不快な印象は全くなかった。

サスペンションは、同時代のエクセルに比べるとハードだが、十分にしなやかで、乗り心地も快適だ。またパワーステアリングは重めの設定だが、動きはスムーズで自然。これなら日常の足として使うことも可能だろう。

ハンドリングは正確で、ノーズの入りがいいため、ついステアリングを切り過ぎてしまうほど。やや速めの速度で切り込んでも、しなやかにロールした後きれいに収束する。これぞロータスのスポーツカーで、現代にあっても、絶対的な速さはともかく、運転が楽しいFF車の筆頭と言えるのではないだろうか?

SPECIFICATION
LOTUS ELAN SE
全長×全幅×全高:3803×1732×1254mm
ホイールベース:2250mm
車両重量:1070kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC 16バルブ+ターボ
総排気量:1588cc

最高出力:165ps/6600r.p.m.
最大トルク:20.4kg-m/4200r.p.m.
トランスミッション:5速M/T
サスペンション(F&R):ダブルウィッシュボーン
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(F&R):205/50R15

1 2 3