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シトロエンC4ピカソが欲しい!! CITROËN C4 PICASSO

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER宮越孝政
アウトスペック(https://www.autospec.co.jp/

シトロエンC4ピカソが欲しい!!

シトロエン製ミニバンの短い方、5人乗りのC4ピカソは、初代モデルが2007年、7人乗りのグランドC4ピカソに半年遅れて登場した。

1999年に発売されたモノフォルム・セダン、クサラ・ピカソが予想以上のヒットになり、その後継車が必要だったことと、世界的なミニバン人気の高まりに応える必要があったことで、2タイプが用意されたのだった。

この初代は3列シート7座仕様のグランドC4ピカソのみが、C4ピカソの名で日本に導入されたが、2014年に登場した2代目は、日本市場にも5座と7座両方が同年10月から輸入されている。

日本仕様のエンジンは当初ガソリン1.6リッター直4DOHCターボ(165ps)と、6速トルコンA/Tの組み合わせで、5座のC4ピカソはフル装備のエクスクルーシブのみが設定された。

2016年に本国でマイナーチェンジされ、翌年日本にも輸入されるが、その際、新たに2リッター直4DOHCディーゼル・ターボ(150ps)モデルが追加された。またグレードはやはりフル装備のシャインに変更された。

ただ日本では7座のグランドC4ピカソの人気が圧倒的に高く、日本仕様の特別仕様車の数も、グランドC4ピカソの方が断然多かった。その後諸般の事情でピカソの名称が使用できなくなり、2018年にスペースツアラーと名称を変更。日本仕様もこの年秋に、一部仕様を変更して7座がグランドC4スペースツアラーの名になるが、5座はこの段階で輸入が中止された。この5座のC4スペースツアラーは、2020年7月に生産を終了した。

EXTERIOR & ENGINE

2列シートならではの塊感のあるボディ

7座のグランドC4ピカソとは、リアドアから後ろが全く異なるデザインとなっている。特にこの角度から見ると、モノスペース・セダンを名乗ったクサラ・ピカソの後継であるのがよくわかる。取材車両は2017年式のShine Blue-HDi。
フロントは、一番上がスモールまたはウインカー、真ん中がHIDロービーム(外側)とハイビームで、バンパー部はフォグライト。
7座仕様と異なるテールライトは上がスモール&ブレーキ、下は外がウインカーで内がバック。ピカソの名称はこのモデルで最後となった。
バンパー部はバックフォグだが、リアゲートを開けた状態だと、安全確保のために、外がスモール、内がウインカーに変わる。
150ps/37.7kg-mを発揮する、2リッター直4ディーゼル・ターボ・エンジンを搭載。ミッションは6速トルコンA/Tで、ガソリン・エンジン車より130kg重い車体を走らせる。
純正アルミホイールと組み合わされるタイヤは、前後とも205/55R17サイズ。現車はブリヂストン・レグノGRV IIを履いていた。

INTERIOR & LUGGAGE

子供2人までの家族にぴったりな車内

センターメーターだが、左右対照ではないインパネまわり。12インチのメーターディスプレイと、ナビを兼ねた7インチのタッチスクリーンを装備する。ステアリングは下部がフラットな形状となる。
メーターは数種類のグラフィックから選択可能。これは右側に速度、回転数、シフトポジションなどの情報を集約。左に車両の状況が表示される。
かつてのDSシリーズに用意されていた、セミA/Tのそれを模したセレクターレバー。上奥がPで、手前に引いてから、右側に倒して使用する。
インパネ中央下部の小物入れ(右)には、電源やUSBなどが備わる。左右シート中央の小物入れは蓋付で大型。その前にカップホルダーが備わる。
後期型C4ピカソは、写真のパノラミックガラスルーフ(電動サンブラインド付)や、ハンズフリー電動テールゲートなどが標準装備だった。
前席は座面、バックレストとも大型で、座り心地がいい。折りたたみ式の肘掛も備わるため、長距離でも快適。シート生地はサラッとした肌触りのもの。
後席は7座仕様の2列目と同じ3脚が独立したタイプ。スペースに余裕はあるが、座面、バックレストともに小さく、大人が座ると窮屈に感じられる。
クサラ・ピカソからの伝統(?)で、前席背面にはピクニックテーブルが備わる。ただ滑りやすい上、カップホルダーは浅く、停車時専用といった印象。
ラゲッジルームは通常状態で537リッター、後席を前にスライドすれば630リッターの容量となっている。後席は一脚ずつ簡単に折り畳みが可能で、スキーのような長い物を搭載するのに便利。もちろん3脚とも全てたためば、かなり大きなスペースが確保できる。

IMPRESSION

腰高な印象はなく乗り心地も快適
発進加速がやや力不足な感じも……

今回お借りしたのは、後期型の2リッター・ディーゼル・ターボ・エンジンを搭載した、C4ピカソ・シャインBlue HDi。一見固そうに見えるフロントシートだが、サイズは大きめで座り心地もシトロエンらしく、非常に快適だ。エンジンをかけるとディーゼル特有の音が僅かに聞こえるが、それほど気にならない。かつてのDSのそれを彷彿させる繊細なセレクターレバーを操作して、スタートさせる。

1.6リッター・ガソリン・ターボ車が165ps/24.5kg-mで車重1460kgなのに対し、こちらは150ps/37.7kg-mで1590kgなので、130kg車体が重い分を太いトルクで補うのだなと思っていた。ところがこのディーゼル・ターボ・エンジンは、最大トルク発生回転が2000r.p.m.で、発進時にガソリン車と同じ感覚でアクセルを踏むと、加速が鈍く感じられる。もちろんアクセルを多めに踏めばきちんと加速するが、なんとなくクルマの性格に似合わない印象を受けた。

一方足まわりは、車重が重くなったためか、ガソリン車よりしっとりした印象で、とても快適だ。その上、重心が高いはずなのに、どっしり踏ん張ったイメージで、ミニバンでよくある、コーナーで頭が振られるようなところがなかった。これなら長距離でも安心して運転できるだろう。

標準装備のガラスサンルーフのお陰で車内は明るく、後席の頭上と足元には大きな余裕がある。独立した後席のサイズが大人には小さ目なのが少々残念だが、子供2人までの4人家族なら、最高の一台ではないだろうか。

SPECIFICATION
CITROËN C4 PICASSO Shine Blue-HDi
全長×全幅×全高:4440×1825×1630mm
ホイールベース:2780mm
車両重量:1590kg
エンジン形式:直4 DOHC+ターボ(ディーゼル)
総排気量:1997cc

最高出力:150ps/4000r.p.m.
最大トルク:37.7kg-m/2000r.p.m.
トランスミッション:6速A/T
サスペンション(F/R):ストラット/トーションビーム
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(F&R):205/55R17

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