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フォルクスワーゲン・ビートルが欲しい!! VOLKSWAGEN BEETLE

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER山本佳吾
FLAT4(https://www.flat4.co.jp/)

フォルクスワーゲン・ビートルが欲しい!!

フォルクスワーゲン・ビートルは、ナチス政権下のドイツで、フェルディナント・ポルシェ博士により開発された。生産開始は1939年。この年第二次世界大戦が始まり、国民車KdFワーゲンは軍用車に姿を変え、その後敗戦を迎えたのだった。

KdFワーゲンの工場を接収したイギリス軍はその性能を高く評価し、フォルクスワーゲンと名称を変えて生産を再開。程なく会社として独立し、国内販売に加えて輸出も開始された。

このVWタイプ1は、本来の目的であった国民車として大人気となり、更に貴重な外貨を稼ぐ輸出品としても重要な役割を担っていく。また毎年のように細かな仕様変更を行いながら、カブリオレやカルマン・ギア、タイプ2といったバリエーションを増やしつつ、大量生産が続けられていった。

世界中の国々に輸出されただけでなく、オーストラリア、ブラジル、メキシコ、南アフリカなどに工場が作られて生産を拡大。その人気は1960年代にピークを迎えることになる。

だが1970年代を迎えると様々な新しいライバルの前に苦戦。足まわりやボディ形状を変更したモデルを追加したが人気は回復せず、1978年をもって本国での生産を終了した。

だがその後もブラジル、メキシコでは生産が続けられ、各国に輸出も行われた。ブラジルでの生産は1996年、メキシコでの生産は2003年7月に終了。戦前からの総生産台数は実に2152万台以上に及び、これは同じ設計の車種としては世界最多である。

EXTERIOR & ENGINE

唯一無二の癒し系ボディと
独特の空冷エンジン

ウインドウの大きさ、フェンダーやライト、バンパーの形状など、時代ごとに細部は異なれど、基本的なデザインは最後まで不変。どこから見てもビートルとわかる。取材車両はメキシコ製ビートルの最終生産車アルティマエディション、2003年式。
フロントは、1967年以来のカバーを持たない丸2灯ヘッドライト(スモール兼用)と、バンパー部のウインカーのみ。6V時代のフェンダーやライトへの交換も可能。
テールライトは上からウインカー、リフレクター、スモール&ブレーキ、バックの順。ハイマウントブレーキランプは備わらない。これも古いタイプに交換可能だ。
昔のビートルを再現した、ノーズに装着されるウォルフスブルグの紋章。
キャップ付スチールホイールに165R15のタイヤを装備する。
1.6リッター空冷水平対向4気筒エンジンは、ノーマルで46psを発揮。インジェクション、大型オルタネータ、クーラーなどでエンジンルーム内は密状態。

INTERIOR & LUGGAGE

クラシカルな趣を残した内装は実用性も十分

ドイツ製時代に比べてパッドが大幅に増加したインパネ。ただしアルティマ・エディションはボディ色に塗られる。ステアリングは他の水冷車用を流用。
メーターはこれのみで、速度計、燃料計、オドメーター、警告灯が配置される。
シフトレバーはEMPI製クイックシフターを装着し、操作しやすくしている。
アルティマ・エディションでは標準装備されていたクーラーの吹き出し口。
硬めで、自然に背筋を伸ばした姿勢になるフロントシート。足をペダルに合わせると、ステアリングがやや近い。
ベンチタイプの後席は、足元、頭上ともやや狭く、子供用スペースといった印象。左右に3点式ベルトを備える。
フロントのトランクスペースは、下に燃料タンクがあるため深さがない。
後席後方にはスピーカー付トレイが備わる。
本来ラゲッジスペースだったトレイの下は、クーラーのユニットが占拠している。

ANOTHER USED CAR

FLAT4にあったもう一台の中古車は、1965年式の北米輸出仕様。西海岸に似合いそうなブルーのボディは艶も十分で、非常に良いコンディションだった。
小さなテールライト、純正スチールホイール、左右2本出しマフラーなども魅力的だ。
カバー付ヘッドライト、フェンダー上のウインカー、ダブルバンパーなどがクラシカル。
1.2リッターエンジンはソレックス・シングルキャブで40ps。電装系は12Vに換装してある。
ステアリングはFLAT4製VW純正スタイルに交換。ラジオはBLAUPUNKT製だ。
シートとドア内張は、新品のビニールレザー製カバーで張替え済。とても清潔な印象。
クーラーがないため、後席後ろのスペースは、かなり広い荷物置きとして活用できる。

IMPRESSION

力のあるエンジンと快適な足まわりで
日常的に使えるヒストリックカー

今回お借りしたのは、メキシコ製ビートルの最終限定車アルティマ・エディション。内外装をクラシカルに仕立て、ボンネットのオーナメントやホワイトウォールタイヤも装着される。

現車は低走行のノーマルで、内外装とも非常に良い状態。乗り込むとまず、ドアの締まり方が昔のドイツ車そのもので、思わず頬が緩む。シートは硬めで、ピンと背筋を伸ばして近めのステアリングを握ることになる。

バサバサという空冷サウンドを聞きながらスタートさせる。排気量が1.6リッターと大きいエンジンはトルクフルで、なんのストレスもなく車速を上げていく。ノンパワーのステアリングは動き出してしまえば軽く、据え切り以外で不便は感じない。ただしミッションはギア比が離れているようで、やや車速が緩慢になる場面もあった。

驚いたのは乗り心地が良いことで、きちんとストロークしながらショックを巧みに吸収してくれる。それでいてカーブではフワフワした感じがなく、安心してアクセルを開けていける。またフロントがディスクになったブレーキも、古い年式に比べると格段によく効いていた。

なお取材日は暑かったため走行中はクーラーを終始つけていたが、十分に冷えて快適だった。

メキシコ製ビートルの中でも特に人気が高く、ノーマルで乗る人が多いというこのアルティマ・エディション。クラシカルな良さを気軽に楽しめるということで、空冷VW初心者はもちろん、様々な車種を乗り継いだベテランにもお勧めしたい一台だ。

SPECIFICATION
VW TYPE 1 MEXICO Ultima Edition
全長×全幅×全高:4060×1550×1505mm
ホイールベース:2400mm
エンジン:空冷水平対向4気筒OHV
総排気量:1585cc
最高出力:46ps/4000r.p.m.

最大トルク:10.0kg-m/2200r.p.m.
トランスミッション:4速M/T
サスペンション(F/R):トレーリングアーム/スイングアーム
ブレーキ(F/R):ディスク/ドラム
タイヤ(F&R):165R15

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