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トライアンフTR4/TR4Aが欲しい!! TRIUMPH TR4/TR4A

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER奥村純一
ACマインズ(http://ac-minds.com/

トライアンフTR4/TR4Aが欲しい!!

トライアンフが1952年秋に発表したTR(トライアンフ・ロードスター)は、北米のスポーツカー人気を狙ったプロトタイプだった。

その後大幅に改良されたモデルが、TR2として1953年に販売を開始。シャシーは同社の既存モデル用を改良したラダーフレームで、サスペンションは前ダブルウィッシュボーン、後リーフリジッド。エンジンは直4 OHV 1991cc/90psだった。

1955年秋に小変更されてTR3に進化。その後も改良されながら、1957年秋にはフロントグリルが大型化したTR3Aへと進化した。

1961年秋に、TR3Aをベースに、ミケロッティ製の美しいボディを持ったTR4が登場。TR3Aでオプションだった2138cc/100psエンジンが標準となり、1991ccはオプションとなる。4速ギアボックスはフルシンクロ化され、ステアリングはラック&ピニオンに改められた。

1965年1月に、フレームを改良し、リアサスペンションをセミトレーリングアームとしたTR4A(IRS)が誕生。2138ccエンジンは104psになり、グリル形状を変更、ボディにメッキモールが追加装着された。

1967年に、機械式インジェクション付直6OHV2498ccエンジンを搭載したTR5(北米向けはキャブレターのTR250)が発売される。

その後1969年に、カルマン社によるボディ改良などが行われたTR6が登場。1975年にクーペのTR7が登場し、さらにV8のTR8も登場した。

EXTERIOR & ENGINE

イタリア風味なのに正統派ブリティッシュ

ミケロッティ・デザインのボディは、非常にスタイリッシュ。フロントグリルはTR4Aから横桟基調のものとなり、サイドモールも追加された。取材車両は1965年式TR4A。
幌は途中まで広げた後、幌骨後ろ側を後方に伸ばし、その後ウインドシールド部分を固定する。幌を張った状態もなかなかスタイリッシュだ。
丸型のヘッドライトはハイ&ロービームで、その右下にスモール、サイドモール前方にウインカーという配置。
北米仕様のためテールライトは赤一色。上がウインカーで、リフレクターを間に入れ、下がスモール&ブレーキ
ボンネット前端に世界地図をデザインした丸いエンブレムと、TRIUMPHの文字エンブレムがある。
トランクに付く車名エンブレムは、TR4にAの文字を後付けした印象。その下にIRSの文字も装着される。
直4 OHV 2138 ccエンジンは104psを発揮。現車はSUツインキャブを装備し、ラジエターは上部を前にして斜めに装着。電動ファンが追加されている。
デフまわりの部品が増えたためか、エキゾーストはTR4Aから左右2本出しに変更された。サウンドはやや大きめ。
現車のホイールはワイヤースポークで、タイヤは165R15のミシュランXZXを装着。ホイールはキャップ付のスティールも存在。

INTERIOR & LUGGAGE

当時としてはかなり豪華だったインテリア

全面にウッドが貼られたインストゥルメントパネルは豪華な雰囲気。TR4Aで僅かにスイッチの配置などが変更された。ステアリングはこの大径の樹脂製がオリジナル。サイドブレーキはフライ式。
メーターはイエーガー製を装備。回転計は5000r.p.m.からレッドゾーン。北米仕様のため速度計はマイル表示だ。
水温、油圧、燃料の各サブメーターもイエーガー製だが、右端の電流計のみスミス製が備わる。これがオリジナルとのこと。
TR4から、巻き上げ式サイドウインドウを装備したドアが標準となった。ドアポケットを持つ立派な内張も装備。
座面、バックレスト共に厚みがあり、座り心地が良いシート。ポジションは足が遠く手が近い英国式になる。
オプションでオケージョナルシートが付けられたほど、座席後方スペースには余裕があり、大きな鞄も積める。
トランクは、この時代の2座オープンカーとしては、かなり広いスペースを持つ。床もフラットで使いやすい。
スペアタイヤは床下に収納される。バルクヘッド部に燃料タンクがあるが、フロア形状を工夫してある。

IMPRESSION

男らしい操縦性はそのままだが
IRSで後輪は落ち着いた挙動に

今回お借りしたのは、1965年式TR4Aの左ハンドル仕様。2138ccのエンジンはストロンバーグではなくSUツインキャブが装着されており、ラジエターの配置など細かな部分がモディファイされていた。ただしそれ以外はほぼオリジナルで、車体に貼られたストライプ類もカッティングシートのため、簡単に剥がすことができるとのこと。

乗り込むと、スピットファイアに比べれば着座位置が高く、シートの厚みもあって居心地が良い。エンジンをかけると、二本出しのエキゾーストからやや大きめのサウンドが聞こえる。フルシンクロのギアを1速に入れ走り出す。排気量が大きいためエンジンはトルクフルで扱いやすい。各ギアは比較的クロスしているようで、車速の伸びはいいのだが、シフトの、特に横方向のストロークが大きく、スポーティさをスポイルしている。慣れが必要なフライ式サイドブレーキと相まって、この辺りは古さを感じる。

そもそもラダーフレームも直4 OHVエンジンも、戦前から終戦直後の車両のものに改良を加えて使用しているため、運転感覚そのものはかなり古典的というか、ハードに感じられる。例えば1962年に登場したライバル(後に同門となるが)のMGBはモノコックボディで、乗り心地や操縦性の面で進化している。

ただし現車は、リアサスペンションをセミトレーリングアームに変更したTR4Aだったため、トラクションのかかりや不整地での後輪の挙動はリーフリジッドより明らかに良くなっていた。

SPECIFICATION
TRIUMPH TR4A
全長×全幅×全高:3960×1460×1270mm
ホイールベース:2240mm
車両重量:1016kg
エンジン形式:水冷直列4気筒OHV
総排気量:2138cc

最高出力:104ps/4700r.p.m.
最大トルク:18.2kg-m/3000r.p.m.
ミッション:4速M/T
サスペンション(F/R):ダブルウィッシュボーン/セミトレーリングアーム
ブレーキ(F/R):ディスク/ドラム
タイヤ(F&R):165×15

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