BUYERS GUIDE

<バイヤーズガイド>
ホントに買っていいんですか?
気になるクルマをユーザー目線で掘り下げます

MASERATI GHIBLI

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER山本佳吾
協力: コレツィオーネ

マセラティ・ギブリが欲しい!!

3代目マセラティ・ギブリは、2013年4月の上海モーターショーでデビューした4ドアサルーン。

兄貴分に当たるクアトロポルテとメカニカルな部分は多くを共用するが、サイズ的には、ホイールベースが170mm短い3000mm、全長は291mm短い4970mmとされた。

サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン、リアは5リンクと呼ばれるマルチリンクで、エンジンは3リッターV6ツインターボ、ミッションは8速トルコンA/Tが採用されていた。

日本には同年11月に導入され、当初410psのエンジンを搭載した後輪駆動のギブリSと、これを4WD化したギブリS Q4が販売されている。

2014年5月に、330psの3リッターツインターボ・エンジンを搭載し、装備を簡略化したギブリを追加発売。

2015年9月には、エンジンに改良が加えられ、燃費と環境性能を改善。2016年3月には、275psの3リッターディーゼル・ターボを搭載した、ギブリ・ディーゼルも日本で発売された。

2017年1月、全車に8.4インチ・ディスプレイの新型インフォテインメント・システムを採用。またギブリのエンジンが350psとなった。

同年11月に小変更され各部がアップデート。ギブリS系のエンジンは430psとなった。また全グレードに、『ベース』の他、パッケージオプションの『グランルッソ』と『グランスポーツ』を設定。両者は装備の他、前後バンパー形状なども異なる。なお特別仕様車が何度か限定発売されている。

EXTERIOR & ENGINE

全長5m級セダンとしては
出色のカッコよさ!

ホイールベースが3000mmあるシャシーに、曲線的で美しいセダンボディを構築。前後オーバーハングは短く、フォルム的にはロングノーズ&ショートデッキを採用している。

ヘッドライトは、HID のロー&ハイビームの左右にスモール、内側下にウインカー。

テールランプは、環状の細い線がスモールで、中央は外からウインカー、バック、バックフォグ。外側上にブレーキ灯を配置。

3リッターV6ツインターボ・エンジンは、初期型ギブリSの場合410psを発揮する。車重は2t近いが、全開加速はちょっと怖いほど。

現在のマセラティ各車のアイデンティティになっている、フロントフェンダーのエアアウトレット。エレガントなフォルムの中で獰猛さをアピールしている。

現車のタイヤは前245/45R19、後275/40R19サイズ。ホイールは純正。

INTERIOR & LUGGAGE

ビトゥルボ時代から続く
豪華な内装は健在

インパネのデザインはスポーツカー的で、このサイズのサルーンとしてはスイッチ類が少なく、操作しやすい。

アナログの二眼式メーターの間に、デジタル表示のマルチディスプレイを配置。スッキリしていて非常に見やすい。

マセラティ伝統のアナログ時計の下に、モニター、空調コントロールが配されるセンターコンソール。

現車は電動サンルーフを装備。解放感がある分、頭上空間は若干犠牲になる。天井内張も豪華な仕上げ。

フロントシートはサイズが大きく、包み込まれるような形状で、非常に座り心地がいい。またデザイン的にも、イタリア製らしいお洒落さだ。

リアシートはやや平板ながら、足元はかなり広く居心地は良い。ただし頭上空間はそれほど広くないので、大柄な人は若干窮屈かもしれない。

通常状態で500リッターの容量を持つトランクスペース。

後席バックレストは6対4分割可倒で、ファミリーカーとしての実力も十分。

後席をすべて倒せば、大きな荷物も搭載できる。

IMPRESSION

通常は静かで乗り心地も良いが、
モードを変えれば本性を露わに!

お借りしたのは410 psのV6ツインターボ・エンジンを搭載するRWD のギブリS。クアトロポルテほどではないが、車体は十分に大きく、特に全幅は1945mmもある。しかも左ハンドルなので、車線の幅が狭い幹線道路の右車線では、右前輪をガードレールの縁石に当てないか、最初のうちは緊張した。

ただ慣れてくると、まずシートの座り心地の良さに感心させられた。次いで、街中での乗り心地が良いことにも驚かされた。ハイパフォーマンスゆえ、もう少しハードかと思っていたのだが、ノーマルモードだと、豪華サルーンそのものだ。

エンジンサウンドは、外で聞くとかなり勇ましい。だが車内にいる限り、心地よい音がかすかに聞こえてくる程度。踏めばそれなりに音は高まるが、マセラティに乗る人で、この音がうるさいと思う人はいないだろう。

加速は、踏めばもちろん強力だが、街中での全開は事実上無理。8速A/Tは非常にスムーズにシフトしてくれる。また油圧のパワーステアリングは、軽めだが正確で、安心できる。

ただ、このジェントルな振る舞いはギブリの一面に過ぎない。制御モードをSPORTにし、足周りをハードに切り替えると、その本性を露わにしてくる。乗り心地はハードになり、シフトポイントが変わることで、加速もより強烈になる。山道を飛ばすなら、断然こちらがお勧めだ。

このエレガントでスポーツカー並の性能を持つマセラティが、中古なら手が届く価格帯にある。なんと悩ましいことか!

SPECIFICATION
MASERATI GHIBLI
全長×全幅×全高:4970×1945×1485㎜
ホイールベース:3000mm
車両重量:1950kg
エンジン:V型6気筒DOHC24バルブ+ツインターボ

総排気量:2979cc
最高出力:410ps/5500r.p.m.
最大トルク:56.1kg-m/1750~5000r.p.m.
サスペンション(F/R):ダブルウイッシュボーン/5リンク
ブレーキ(F&R):ベンチレーテッドディスク
タイヤ(F/R):235-50R18/275-45R18

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