BUYERS GUIDE

<バイヤーズガイド>
ホントに買っていいんですか?
気になるクルマをユーザー目線で掘り下げます

ルノー4が欲しい!! RENAULT 4

EDITOR中島秀之
PHOTOGRAPHER山本佳吾
協力: コレツィオーネ

IMPRESSION

元気なエンジンと快適な乗り心地
不思議なシフトを操るのも楽しい

今回お借りしたのは、1990年式のR4 GTLキャンバストップ。フロントシートは、車格の割にはゆったり目のサイズで、全体に柔らかいこともあって快適だ。

ダッシュパネルから生えるシフトレバーを、手首を使って動かしスタートさせる。エンジンは軽快に吹けるが、ギア比が高く、街中だと4速にはなかなか入らないほど。ステアリングはノンパワーだが、タイヤが細いため低速でも大きな力は必要ない。もちろんペダル類も軽いので、独特なシフトレバーに慣れてしまえば、普通に運転できる。感心したのは直進性がいいことで、流れの速い幹線道路でも軽く手をステアリングに添えているだけでOKだ。またブレーキも、GTLのほとんどがフロントディスク・ブレーキを装着しており、僅か700kg程の車重ゆえ、全く不安を感じなかった。

足まわりは、2CVほどフワフワした感じはしないものの、それでも十分ソフトで、しかもストローク感がたっぷりあるから、実に気持ちいい。ついつい、ちょっとハイペースで走るのも楽しそうだなと、思ってしまった。

もちろん現代の感覚からすれば、ボディはユルいし、安全装備はほとんどないし、騒音もかなり大きいから、決して快適とは言えない。だがこの圧倒的なまでのかわいさと存在感は、何者にも代えがたい。意外なほど運転がしやすく、楽しいのも魅力的だ。しかも、程度の良い個体を入手できれば、今後価格が下がることはまずないだろう。その意味で、キャトルは今が買い時と言えるのではないだろうか?

MODIFY POINT

中期型と後期型は顔が交換可能

取材した個体は、フロントグリルを中期型のものに交換していた。本来後期型は、ヘッドライト横部分を四角くした樹脂製のグリルなのだが、金属製でサイドが丸い中期型用グリルに、僅かな改造で装着できるため、モディファイされているクルマも多い。確かにクラシカルさが増して、かわいく見える。ただし後期型はウインカーの形状が異なるのと、GTLにはバンパー補強用のバーが備わるので、見分けることは可能だ。なお中期型のグリルは、今も探せば入手することが可能とのこと。

取材車両のフロント部分。状態の良い中期型用メッシュグリルが備わり、イエローバルブ・ヘッドライトとの相性も抜群だ。ロサンジュは旧いタイプ。

1967~75年に生産された中期型がこれ。一見全く同じだが、ウインカーが丸いので識別できる。

本来後期型R4GTLはこのグリル。基本的にグレーの樹脂製で中央にこの時代のロサンジュが付く。

MARKET INFORMATION

販売価格は50~150万円で幅広いが
どのように手を加えたかで決まる

現在日本で流通しているルノー4は、そのほとんどが1980年代半ばから1994年頃に並行輸入された、豪華仕様のGTLだ。

1997年に放送されたTVドラマ「ビーチボーイズ」で急に人気が高まり、その後程度の悪い中古車が出回ったこともあるが、現在はそれなりに良い状態のものが多い。ただし以前より流通量は、かなり減っているそうだ。

販売価格はここ10年ほどほとんど変わっておらず、状態により50~150万円の間で様々。価格差は年式や走行距離より、「どこまで手を入れて直してあるか」によるものと言える。安いものはベース車と考えるべきで、購入の際には、そこから自分の好みに仕上げるのにどのくらいお金が必要か、計算しておいた方が良いだろう。ただし昨今は、「ヤレた状態」が好みという方もいて、メカニカルな部分は手を入れても、内外装はなるべくそのまま乗りたいというユーザーも少なくないとのことだった。

今回取材でお借りした個体は、前オーナーが各部に手を加えていたため、非常に良好な状態だった。走行は8.6万kmだが、エンジンは好調で、ボディも再塗装され美しかった。これならどこかを修理する必要もなく、そのまま乗ることができそうだ。なお個体によっては、走行距離が15万km前後まで伸びている場合もあるが、R4は丈夫なクルマなので、それほど気にする必要はないとのことだった。

1980〜1994年式50〜150万円

TROUBLE SHOOTING

01:油脂類や消耗品は
マメに交換した方が安心

基本設計が1950年代に遡るR4は、例え1990年代製のモデルでも、トラブルと無縁とはいかない。ただし元々の構造がシンプルなため、油脂類や消耗品をマメにチェックして交換していれば、大きなトラブルに悩まされることは少ないとのことだ。エンジンオイルは硬めの鉱物油が適しているそう。またシート生地は、ファブリック部分が擦り切れやすいようなので、注意が必要だ。

02:電気系は怪しいと思ったらリペアを

生産から30年前後は経っているため、特に電気系には注意したい。経年劣化によりオルタネータが寿命を迎えたり、ヒューズボックスが接触不良を起こしたりといったことは起こり得る。またクーラーが装着された個体もあるが、他の部分に大きな負荷をかける可能性もある。いずれにしても、こうしたクルマの経験が豊富なショップでメンテナンスをしてもらうのが、最善の策だろう。

TOPICS

国際ラリーでも活躍を見せた!

ルノー4はデビュー間もない時期に、プロモーションのため、様々なラリーに参戦している。当初から、小排気量ながら無類のタフネスを発揮し、名だたる過酷なラリーで完走を果たしいる。例えば1962年のイーストアフリカン・サファリ・ラリーでは、2台の4Lが参戦し41位と45位で完走。1962年と63年のモンテカルロ・ラリーにも参戦している。これ以外にも1963年のシドニー‐パリなど、様々なラリーに出場し活躍した。

1962年のサファリラリー出場車のレプリカ。

1963年のモンテカルロ・ラリー出場車のレプリカ。

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