TMB IMPRESSION

<インプレッション>
実際乗ったらどうなんですか?
TMBが選りすぐった“名車”を運転してみて感じたこと

ALFA ROMEO 166 TI

1998年にデビューしたアルファ166は、カタログスペックだけでは測れない、数多くの魅力にあふれている。かつてのアルファのフラッグシップを、この機会に是非とも体験してみてはいかが?

TEXT / 中本健二 PHOTO / 佐藤亮太
SPECIAL THANKS / アウトレーヴ(http://autoreve.jp/

アルファ純血V6エンジンの
音色を166で楽しもう!

「いい声で歌う!」。それはスロットルペダルを踏み込み、シフトダウンした瞬間に訪れた至福の時であり思わず感嘆の声が漏れた。3リッターV6ユニットの最高出力は200psを多少超える程度で、トランスミッションは4速A/Tだから、瞬間的に加速度が増したわけでも、レッドゾーンまで回した訳でもない。それでもドライバーを興奮させる魅力がある。

それは21世紀を間もなく迎える1998年にデビューした、アルファロメオの旗艦モデル166でこそ体感できる類のものだ。ロードノイズや車外の騒音は上手く遮断され、予想以上に静粛性の高い車内はフロントに搭載されたV6のエンジン音がクリアに広がる。70年代に登場したアルファ6にルーツを持つV6ユニット、と言えば古めかしく感じられるが、長い年月をかけて熟成極まったエンジンは、低速から高速まで唯一無二の音色を奏で、これだけでも乗る価値があると思わせてくれる。

走る愉しさを考えると6速M/Tに目が行きがちではあるが、スポルトロニックと呼ばれるZF製の4速A/Tの組み合わせもなかなかのもの。セレクターをDのポジションから左に倒せば、2ペダルでマニュアルモードを楽しませてくる。ちなみに前方がアップ、手前がダウンだ。昨今のトルコンやデュアルクラッチに比べれば“一呼吸”あるが、それをネガと感じるほどではない。

ここで取り上げたヌヴォラホワイトを纏った166 TIは、僅か20台が生産されたモデルとのこと。もっとも世界的には色違いで販売されているようだが、ヌヴォラホワイトのTIは日本専用で20台の限定モデルだ。カラー以外の特長として、ローダウンサスや18インチの専用ホイールなどが挙げられる。

166は当時のアルファロメオのフラッグシップとして、5シリーズやEクラス、A6などドイツ勢を敵に回しながら、エンジンスペックに頼らない“スポーティサルーン”として確固たる地位を築いた。

GTAやクアドリフォリオほど走りに特化したグレードではないが、アルファロメオにとっては特別なTI(Turismo Internazionale)を掲げるこのモデルを、是非とも味わってみてはいかがだろうか。

164の後継モデルとして搭乗した166は、1998年にデビューしたアルファロメオのフラッグシップ・モデルだ。Eセグメントきっての“スポーティサルーン”を標榜し、独自の地位を築いた。写真は前期型で“離れ目”のデザインが大きな特徴だ。今回取り上げた後期型はいわゆる“ブレラ顔”となる。

日本市場へ導入されたV6ユニットは2.5と3リッターが用意されていて、紹介する車両は後者を搭載。フラッグシップ・モデルに相応しい静粛性により、車内は雑音を交えずにV6のエンジン音を堪能できる最高の空間となる。

シフト周りのパネルやエアコン吹き出し口の周りへ効果的にシルバーの加飾を用いることで、黒で統一されたインテリアは引き締まった印象だ。メーター類は、ドライバーに向けて装着される。

トランクリッドの開口部は広く、収納スペースも十分な容量が確保されている。左側にはCDチェンジャーとバッテリーが備わる。エアコン、オーディオ、オンボード・コンピューター、ナビなどを集中操作する“ICS”は166中古車の鬼門とされるが、正常に操作することができてドット落ちもなかった。
大ぶりでドライバーを面で包み込むフロントシート。ヒップポイントは低いが、ボンネットラインも低く抑えられているため圧迫感はなくむしろ開放的だ。後席も左右セミバケットシートの様に凝ったデザインとなっていて居住性はこちらも高い。電動サンルーフを備え、リアウインドウにはロール式の遮光カーテンが用意されている。

写真ではわかりづらいが、陽の当たり方で表情を変えるヌヴォラホワイトはクリアに傷みはなく良好な状態が保たれている。同年代のEセグメントサルーンと比較して、コンフォートに主眼を置けば166に勝るモデルはあるだろうが、スポーティサルーンをお探しなら166を強く推したい。