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潔いほどにデザイン優先、
しかし走りは捨てていない
DS 3 CROSSBACK

DSブランドとして2015年に独立してから、DS 7クロスバックに次ぐ第2のオリジナル新モデルとして生み出された DS 3クロスバック。ライバルの多いコンパクトSUV市場の中で、独自の立ち位置をしっかり確立している。

TEXT / 斎藤慎輔 PHOTO / 神村 聖

潔いほどにデザイン優先
しかし走りは捨てていない

今のところ世界最後発ともいうべき、量産車におけるプレミアムブランドを目指すDSオートモビルは、第一弾としてDS 7クロスバックを発売、次にDS 3クロスバックと、SUVからスタートさせてきたのは、まさに今の自動車マーケットを象徴しているものだろう。

タイミング的には中国の景気減退などと重なり、販売は計画通りとはいえないようだが、新生DSのおかげでシトロエンも方向性を明確に定められた感があり、双方を見ている分には面白い。

それこそDS 3クロスバックは、サイズ的にはシトロエンC3エアクロスにも近いが、当然として全く方向性も狙いも異なる上にDS 3クロスバックは、プラットフォームも新設計のCMPと呼ぶ最新版を採用してきている。

今回、2週間以上に渡り手元に置かせてもらい、日常の足から800km程度のドライブなど、1500km以上乗る機会を得たが、新世代プラットフォームによる高い実力を知ることとなった。

新生DSの特徴のひとつは、やはりデザインにある。内外装ともに、きらびやかな雰囲気を携えるが、それが人によって洒落ているであったり、中にはおそらく狙いとは裏腹に、子供っぽいと評する人もいたりして、捉え方は様々だなと思わされたが、DSとしての個性と、それなりの存在感を備えているのは確か。

試乗車は最上級グレードのグランシックで、ヘッドライトもこのグレードだけにマトリクスLEDを備える。他は通常のハロゲンヘッドランプであり、いわば目つきが大きく異なるので、顔の印象も変わってくることは伝えておこう。

このクラスでは唯一のリトラクタブルドアハンドルは、キーを持ち近づけば自動でせり出し、離れればキーロックとともにドアハンドルも収納される。デザイン性とともに、確かに、ちょっとお金かかってますねと思わせる辺り、この動作に心くすぐられる人もいるだろう。

インテリアはDS 7クロスバック同様にデザインもカラーも凝ったもので、グランシックはバスチーユと呼ぶトリムで、インパネに繰り返されるダイヤモンドパターンが本革シートの表皮にも反映される。ただ、スイッチ類などは機能よりもデザイン重視と思われる所もあり、センターコンソール上に、少し離されてはいるものの同列に配されるパワーウインドウスイッチと電動パーキングブレーキスイッチは、思いもかけない誤操作をもたらすことも実体験した。

それは、夜間に運転席のサイドウインドウを閉める際に起こった。ブラインドタッチでパワーウインドウを引き上げるつもりが、パーキングブレーキスイッチを引き上げてしまったのだ。瞬間にリアタイヤはロックしスキール音を発したが、街中で速度も低く直進時だったので、即座にスイッチを戻して事なきを得た。私の凡ミスではあるが、ミスを誘発する可能性の高いスイッチレイアウトはなるべく排除したい。おかげで、イザという時にサイドブレーキとしてしっかり使えることも確認できたわけだが。

ちなみに、Bピラーのシャークフィン形状はエクステリアの特徴ともなっているが、後席に座るとこれがサイドウインドウからの斜め前方視界を大きく遮ることになる。ボディサイズから考えるより後席の足元周りに余裕があるし、着座感そのものも快適なのだが、なにせ視界が狭められた所に押し込まれた感じ、とは、後席に乗った人からの指摘だった。

と、デザイン優先であることは明快な主張として捉えられるが、一方で走りは、なにより動的な質において、新開発プラットフォーム採用による様々な進化を多く感じさせるものとなっていた。エンジンは、ピュアテックと呼ぶ3気筒1.2リッター・ターボの最新版で、EURO6.3に対応している。これにアイシン製の8速ATを組み合わせるが、元々スムーズな回転フィールに加え、なにより従来に比べて、加減速時等のエンジン&トランスアクスルのパワーユニットの前後揺動が遥かに小さく抑えられていることで、ユサユサしないだけでなく、駆動ラグが少なく済んでいる。また、小排気量ターボと8速という多段ATの効率面を含めたマッチングの良さと、さらに変速の小気味良さも備えているなど、日常域から好ましい走り感を備える。

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