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フランスの技術とドイツ流の高い完成度OPEL GRANDLAND X

2021年後半に約15年ぶりとなる日本市場復活を宣言したオペル。導入予定モデルの中から最も注目を集めそうなCセグメントのSUVであるグランドランドXを選び、ドイツ本国で試乗した。

TEXT / 竹花寿実 PHOTO / 山本佳吾

フランスの技術と
ドイツ流の高い完成度

90年代前半には、アストラがVWゴルフのライバル最右翼と言われるなど人気を博し、国内で年間3万8000台以上を販売した年もあったほど高い知名度を誇ったオペルが、2021年後半に約15年ぶりに日本市場に復活する。最新のオペルがどんなクルマか気になり、早速ドイツへ飛んだ。

今回試乗したのは、2021年後半の再上陸時に導入される3車種のうち、最も注目を集めそうなCセグメントのSUVであるグランドランドX。このSUVは、オペルと2012年から協力関係にあり、2017年には親会社となったグループPSAのEMP2プラットフォームを採用した2列5人乗りSUVである。つまりプジョー3008やシトロエンC5エアクロス、DS 7クロスバックなどと、コンポーネントの多くを共用したモデルだ。

全長4477mm、全幅1844mm、全高1609mmのボディサイズは、ちょうどVWティグアンくらいで、プジョー3008より若干全長が長く、全幅が狭い。2675mmのホイールベースは3008と共通で、室内の広さもほぼ3008と同等となっている。

エンジンラインナップは、ほぼ3008に準じ、ガソリン、ディーゼルのほかにPHEVも設定される。今回試乗したのは、ドイツでも2020年1月にデリバリー開始となった最新のPHEVの4WDである「ハイブリッド4」で、2トーンのボディカラーが標準の「アルティメイト」という最上級仕様だ。

リュッセルスハイムのオペル本社でクルマを受け取り、走り出した瞬間にまず驚かされたのは、とても力強くスムーズな発進加速だ。このクルマは、フロントに最高出力200ps、最大トルク30.6kg-mの1.6リッター直4ガソリンターボ「ピュアテック」エンジンを搭載し、これに110psと32.6kg-mを発揮する電気モーターと8速ATを組み合わせたハイブリッド・パワートレインを搭載。

さらにリアにも113psと16.9kg-mを発揮する後輪駆動用の電気モーターを積む電動4WDで、システム合計で300psと53.0kg-mを発揮する。発進時にはリアモーターを積極的に使用し、速度が上がるにつれてフロントモーターとガソリンエンジンが加わってくる。

その制御も極めて緻密で、頻繁に加減速を行うような場面でも、パワーソースの切り替わりにほとんど気がつかないほどシームレス。ガソリンエンジンも室内に侵入するノイズが上手く抑えられていて、静粛性はとても高い。

ちなみにリアシート下に積むリチウムイオン・バッテリーは、容量13.2kWhで、EV走行時の航続距離はWLTPで最大59km。また電気モーターのみで135km/hまで加速可能だ。

シャシーチューニングにも感心させられた。足まわりはフロントがマクファーソン・ストラット、リアはコンパウンド・クランクと呼ばれるトーションビーム式の一種を採用し、19インチの大径オールシーズンタイヤを履いているのだが、しっかりとストロークし、しなやかでありながらコシのある乗り味は、昨今のオンロード系SUVとはひと味違う上質感が感じられる滑らかな乗り心地。街乗りの快適性はクラストップレベルで、極めて滑らかで上質なステアリングフィールは、ドイツ製プレミアムカーのレベルにある。

ワインディングロードでも、アジリティはそれほどでもないが、高いスタビリティによる懐の深い走りが楽しめた。高速安定性もとても高く、アウトバーンの速度無制限区間で200km/hを超えてもハンドリングの正確性は失われず、狙った走行ラインを綺麗にトレース。安心感は非常に高い。

グランドランドXは、技術的にはフランス由来の部分が多いが、乗り味と完成度の高さは完全にドイツ車。日本でも高い評価を得る事になるはずだ。

1.6リッター直4ターボは200ps/30.6kg-mを発揮。前後2基のモーターと合わせて300ps/53.0kg-mの性能を実現。

タイヤは前後とも205/55R19のミシュラン・パイロット・アルペン5というオールシーズンタイヤが標準で装着される。

車両右側に給油口、左側には充電口が備わる。7.4kWのウォールボックスを使用すれば、90分でフル充電状態となる。

ボディの上下で2トーンとなる個性的なカラーリングは、最上級仕様のアルティメイトに標準。テールゲートは電動式で、フットセンサーも備わっている。

インパネはオペル独自のデザイン。センターには8インチのタッチディスプレイを装備し、バッテリーマネジメントなどはここから行う。

シフトセレクターレバーはプジョー3008などに通じる形状。左側のスイッチで走行モードの切り替えが可能。Pブレーキは電動式だ。

右に速度計、左にパワーメーターが備わる。中央のインフォディスプレイにはエネルギーフローやACC作動状態などが表示できる。

フロントシートは運転席8ウェイ、助手席6ウェイの電動式。

リアシートは、ニースペース、ヘッドスペースとも大柄な男性でも問題無い。

フロア下にモーターやインバーターを積むため、ラゲッジは通常時で390リッターと他の仕様より124リッター少ない。最大時は1528リッター。

SPECIFICATION
OPEL Grandland X Hybrid4 Ultimate
全長×全幅×前高:4477×1844×1609mm
ホイールベース:2675mm
トレッド(F/R):1595/1610mm
車両重量:1875kg
エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1598cc
最高出力:200ps/6000r.p.m.
モーター最高出力(F/R):110/113ps

システム最高出力:300ps
最大トルク:30.6kg-m/3000r.p.m.
モーター最大トルク(F/R):32.6/16.9kg-m
システム最大トルク:53.0kg-m
サスペンション(F/R):ストラット/トーションビーム
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(F&R):205/55R19
価格:5万3830ユーロ(ドイツ)