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ボクらのヤングタイマー列伝

小さなボディにV8を詰め込んだ
伝説の!? オープンカー
MG RV8

遠藤イヅルが自身のイラストともに1980年代以降の趣味車、いわゆる“ヤングタイマー”なクルマを振り返るのがこのコーナー。1971年生まれの遠藤イヅルと1973年生まれの編集担当が、独断と偏見でお届けします! こちらは英国車のワイルドピッチ!? ある意味伝説の1台、『MG RV8』ですヨ!

TEXT / 遠藤イヅル(イラストも)

英国車を代表するスポーツカー、MGB。その説明に今さら多くのスペースを割く必要もありますまい。全長4m以内で車重も1トンを切り、エンジンは1.8リッターの直4 OHVでパワーは100ps以下。そんな“ライトウェイトスポーツカーの鑑”みたいなMGBですが、その手のクルマで必ず起こる“モアパワー”のリクエストに対応して、大きなエンジンを積んだモデルがいくつか用意されました。それが3リッター直6の『MGC』であり、3.5リッターV8の『MGB GT V8』であり、そして今回ご紹介する3.9リッターV8の『MG RV8』です。パワーアップの方法として大排気量の直6やV8を積んじゃうのはいかにも古えの方法、そして英国流のやり方で好ましいですよね。

1980年代末、ユーノス・ロードスターの登場を契機にロータス・エランが復活したように、MG(ローバー)も新しいスポーツカーを生み出そうという動きになりました。でも新規モデルを生み出す余力がなかったMGは、ヒストリックモデルとも言えるMGBを半ばかなり無理やりにアップデート、1993年に新たな車種を送り出します。それがRV8でした。出た時はびっくりしました。1990年代に入って再びMGBが生産されることになろうとは!

RV8は英国流ライトウェイトスポーツカーを現代に蘇らせてしまったロードスターには真っ向から対抗せず、V8によるパワーとゴージャスな英国流内装が与えられました。190ps/32.4kg-mというスペックは、V8を積んでも車重が1100kg台しかないRV8に充分すぎるほどの性能。それを受け止めるファットになったタイヤはブリスター状オーバーフェンダーに収められ、外観も一気に現代的な装いになっています。とはいえ1960年代のクルマですから、縦に薄く直立したウインドスクリーン、前後に狭いコックピット、小さなドアとなだらかなトランク、リーフリジットのリアサス(!)といった古い設計が色濃く残り、運転しても古典的な乗り味が勝るクルマでした。

30年前に出た車種を現代的に改めて再生産、しかも大排気量のV8を押し込んで内装は超豪華という結構無茶なコンセプトを堂々とメーカーがやってのけたRV8は、時たま常識外からとんでもないボールを投げてくる、ある意味でいかにも英国的な1台と言えます。しかも正規で日本に輸入もされまして、価格は399万円でした。アウディ80が約400万円、メルセデスの190Eが約500万円だった頃の感覚では安いような気もしますが、少なくともユーノス・ロードスターのライバルにはなりえない価格なのは間違いありません。なんでパワー&ゴージャスの方に走ったのかな? と今更ながら疑問に思っちゃいますよね(笑)。あ、ちなみにエランは1992年の段階で665万円でした。遥かに高いやないかい(号泣)。でも当時大学生だった僕には、どちらも憧れのクルマだったのです。