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EVENT REPORT

ファンが聖地で祝100周年イベントCITROËN LA FERTE VIDAME 100th ANNIVERSARY

まさに、見渡す限り360度、1919年から2019年までの、あらゆる世代のシトロエンで埋め尽くされた。あえて100という数字を謳わず、“世紀の”と銘打った辺りもココロ憎い。過去・現在・未来のいずれとも繋がった、シトロエンならではの特別な3日間だった。

TEXT / 南陽一浩 PHOTO / 南陽一浩
上空から見たイベント会場。3日間行われたイベントは天気にも恵まれ、6万人と4000台が会場内に展示された。その姿はまさに圧巻。写真に収まっていないが、広大な敷地を持つテストコースは左側にある。

1938年以降に作られたシトロエン車は、すべてここ、ラ・フェルテ・ヴィダムを走り込んで世に送られてきた。「なぜ、生前のアンドレ・シトロエンがテストコースを造るのに、ラ・フェルテ・ヴィダムを選んだか知ってる?」。首を横に振ると広報女史はこう教えてくれた。

「パリから西にあるから。朝、向かう時も仕事を終えて夕方に帰って来る時も、太陽を背にして走れるでしょ。従業員の安全と快適のためなの。敷地をまたぐ公道もなくて秘密保持にもよかったし。今も民間所有としてフランスで最大のドメーヌ(区画、領域)なのよ」

また戦時中に占領ドイツ軍から守るため、2CVのプロトタイプ3台が屋根裏に隠されていたのもここ、ラ・フェルテ・ヴィダムの話。いわばシトロエン乗りにとって聖地巡礼といえる機会、それが今回の100周年ミーティングなのだ。というわけで参加したシトロエンとオーナーにはもれなく、テストコースを特別に一周する権利が与えられた。メーカーの現役のテストコースを一般オーナーが自らのクルマで走れること自体、例外的だ。

それにしてもフランス革命で廃墟になったシャトーをバックに、前衛と進歩主義で鳴るシトロエン車が全世代、ズラーッと居並ぶ様は、相当にザワつく。ただ主催者はシトロエンではない。シトロエン各車種・各国ごとのクラブをまとめるアミカル・シトロエンという協会が元々存在するところに、メーカーと相談して『セレブラシオン・サントネール・シトロエン(CCC)』という100周年準備委員会的なものが立ち上げられ、2016年から周到に準備されてきた。まさしくまずは理性と合議でコトを進める共和国方式だ。

フランス式庭園の前庭は11CVをはじめ戦前車で占められ、両翼はスワップミートやオークション会場、正面にはステージもある。さらに周辺はDSからGS、BXにメアリや2CV、SMやCX、XM、C5、C6と、モデル別かつ年式ごとに分けられていた。しかも駐車したヒストリック・シトロエンは横並びではなく、上空から見たらダブルどころか無数のシェヴロンになるよう斜め一列ずつの並びだ。

シトロエン・オフィシャルのテントと展示は、入口寄りとはいえ少し奥まった、むしろ隅っこにスペースを構えていた。歴史とレガシーの半分はオーナーによって作られるものなので、100周年の主役とはいえ、そもそも祝ってもらう側が真ん中で威張っていたら格好悪い、そういう考え方だ。ちょっと控えめなのがシトロエンらしいではないか。

旧コンセルヴァトワール改めシトロエン・ヘリテイジから選りすぐった歴代モデルを展示する以外にも、シトロエンはサプライズを用意していた。エッフェル塔とCITROËNのイルミネーションを何分の一かのミニチュアとはいえ、再現してしまったのだ。このエッフェル塔を観て気分の上がらない人など、ここにいるだろうか? ちょっと言わされているようで悔しいながら、シトロエンもフランスも大好きと、SNSに発信してしまうに違いない。フランスとパリとシトロエンが限りなく一体であることを、訪れた約6万人の人々と4200台のオーナーたちは再確認したはずだ。3日間に渡る盛大なお祭りは、こうして幕を閉じたのだった。

目抜き通りはご覧の通り、濃密なクルマが行き交う。終始クラクションを鳴らしながら、お互い挨拶をしている状況だった。
普段は静かな田舎町だそうだが、この週末は多くのシトロエンと人で埋め尽くされた。イベント会場はお城があった跡地だった。
イベントの楽しみ方は人それぞれ。ピクニックに来ているような家族連れも多く、それもまたシトロエンらしい雰囲気。
会場は車種ごとにスペースが区切られ、駐車場兼展示スペースとなっている。2CVだけで100台近くが並んだ。
センターのステージではライブが行われるなど、朝から晩までお祭りは続いた。クルマ・音楽・食が融合したイベントだった。
地元の方々もイベントに参加。移動式の焼き窯を持ってきて、焼き立てパンを販売! ホクホクの出来たての味は格別!
これまでに見たことも無い数のDSがズラリと並ぶ。ピカピカにレストアされたものから、普段の足として乗られているヨレヨレのクルマまで、どれもが魅力的に見えた。
隣接するシトロエンのテストコースを一般開放! 参加された方なら、誰もが走れるという太っ腹な特典。
スタッフの方々は自らのクルマを提供して、お客さんを乗せてテストコース内を案内してくれた。
イベントはオーナーズクラブがメインに仕切り、メーカーが協力する形に。最新モデルも展示された。
100周年を記念して発表された『19_19CONCEPT』。レベル4の自動運転、800kmの航続距離を持つコンセプトカー。
街中にフリーフローで展開する自動運転コンセプトの『アミONE』。シトロエンらしい合理的でシンプルなモビリティ。
公式ケータリングは有名シェフのマルク・ヴェラの『リュラル』。アッシュトラックがまた良い雰囲気を演出。
ヨーロッパに点在するSMクラブの展示も圧巻。オリジナルのものから、ラリーカーまで様々な車両が揃っていた。
大量に並ぶ『トラクシオン・アヴァン』は、上空から見るとシトロエンのマークであるダブル・シェブロンの形で並べられた。
『アミ6』から『アミ8』まで集まったスペース。その横には2CVベースのカスタムモデルも並んでいた。
日本ではそれほど見る機会のない『GS』も、ご覧の通りの圧巻の台数。まだまだ現役で走り続けている。
80年代のフラッグシップモデルCXも1、2を争う展示台数だった。救急車やキャリアなどのカスタムモデルも展示。
日本でも人気のあるBXはまだまだ現役だ。中にはプライスタグをつけているクルマもあった。
C6も未だ人気の高いモデル。参加台数はそれほど多くなかったが、ロシアから参加しているオーナーさんもいた。
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