OTHERS

<その他コンテンツ>
ニューカー、ヤングタイマー、クラシック、オーナー、ライフスタイル、
カタログ、100ドロ、ミニカーなどなど
USED CAR

魅力の質が異なる快適フレンチセダンCITROËN C6 & PEUGEOT 508

小学生くらいのお子さんがいる家庭では、ミニバンやSUVが今や当たり前にファミリーカーとして普及している。だが中には、背の高いクルマは嫌という人もいるはずだ。そんな方にお勧めするのは、セダンだ!

TEXT / 中島秀之 PHOTO / 山本佳吾
SPECIAL THANKS / シトロエン横浜緑(https://www.gst.co.jp/) &プジョー新横浜(https://www.gst.co.jp/

魅力の質が異なる快適フレンチセダン

個人的なことで恐縮だが、自分には小学生の娘が一人いて、週末に家族とクルマで外出する時はほぼ3人乗車だ。稀に義母が一緒に乗ることもあるが、それでも4人しか乗らない。

今40歳代くらいで(自分はもっと年齢が上だが……)、小学生のお子さんが1人か2人いるという方は、結構多いのではないかと思う。で、こうした3~4人の家族が乗るクルマといえば、今やミニバンかSUVが当たり前になっている。確かに車内が広くて荷物も積めるミニバンやSUVは、ファミリーカーとして便利に違いない。

でもお父さん(またはお母さん)は、こうしたクルマを本当に気に入っているのだろうか? 単純に便利だから選んでいる方が多い気がするのだ。

まぁ最近は世界的なブームなので、カッコいいSUVも増えてきているが、個人的にはどうも背の高いクルマは好きになれない。デザイン的にもそうだし、運転している時、重心の高さからカーブで頭が左右に振られる感覚が嫌いなのだ。ついでに言えば、空気抵抗が大きく、車重の重いミニバンやSUVは燃費の面でも良くないはず。

じゃあ何に乗ればいいか? 自分がお勧めするのは、ちょっと大きめのセダンだ。車内も荷室も広く、運転するのが楽しいセダンこそ、ファミリーカーに相応しいと以前から思っている。「セダンなんてオッサン臭い!」と言われるかもしれないが、車種を選べば、品よく素敵に乗れるし、ミニバンやSUVに乗る友人やご近所からも、一目置かれる存在になると思うのだ。

近年その数が激減しているセダンだが、日本車やドイツ車にはまだまだ様々なタイプが新車で用意されている。一方イタフラ系では、アルファロメオ・ジュリアか新型プジョー508しか日本では選択肢がない。ただ前者はかなり高価だし、後者はカッコいいのだが後席が狭くなってしまった。

でもご安心を。中古車なら魅力的なセダンがいろいろと選べる。今回チョイスしたのは、シトロエンC6と初代プジョー508最終型の2台だ。

2007 CITROËN C6 EXCLUSIVE

前衛的なデザインと夢の乗り心地が絶妙にマッチ

シトロエンC6は、日本で2006~10年に販売された、当時のフラッグシップ。DS、CX、XMに次ぐビッグシトロエンで、ハイドラクティブIIIプラス・サスペンションを装備していた。サッシュレスドアやCX風の凹んだリアウインドーを持つアヴァンギャルドなボディデザインと、未来的な感覚もある落ち着いたインテリア、そして抜群の乗り心地が特徴だった。

日本仕様は3リッターV6エンジンとアイシン製6速ATを搭載する、最上級グレードのエクスクルーシブのみで、今回お借りしたのもこのタイプだ。

シトロエンがハイドラクティブ系サスペンションを廃止したためか、「一度乗っておきたい」という人が多いようで、中古価格は高値安定が続いている。価格は走行6万kmで大きく変わるそうで、そこまでの距離であれば250~350万円程、それ以上だと100万円程下がるとのこと。また走行7000km以下だとプラス100万円程になり、逆に10万kmを超えると大幅に安くなるそうだ。

CXやXMとの連続性を感じさせる独特のデザイン。オーバーハングは前が長く、後が短い。

純正アルミホイールに、245/45R18のタイヤを装着する。

リアウインドーは下端が半円形だが、これはCXの中央が凹んだウインドーの現代的解釈?

ボディサイドの緩やかな曲線が、最後の部分で盛り上がり、そこにテールランプが配される。

215psを発生する3リッターV6エンジンは実直に仕事をするタイプで、アイシン製6速A/Tとの相性もいい。

ナビ用モニターをフェイシア中央に配置した左右対称に近いデザインのインパネ。メーターはハンドルの間から見る。

メーターはデジタルで表示されるが、運転中でも視認性はかなり高い。

革がパンと張っていて、やや硬めに感じるシート。それでも前席は大型で座り心地良好。

実質二人掛けだが、足元が広く、座面も大きいため、後席は抜群に居心地がいい。

トランクルームは独立している。容量は十分に大きく、ラウンジパッケージでなければ後席のダブルフォールディングも可能だ。

SPECIFICATION
CITROËN C6 EXCLUSIVE
全長×全幅×全高:4910×1860×1465mm
ホイールベース:2900mm
車両重量:1820kg
エンジン:V型6気筒DOHC
総排気量:2946cc

最高出力:215ps/6000r.p.m.
最大トルク:30.5kg-m/3750r.p.m.
トランスミッション:6速A/T
サスペンション(F/R):ダブルウイッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ(F&R):Vディスク
タイヤ(F&R):245/45R18

2017 PEUGEOT 508 (I) GT BLUE HDI

最新ディーゼルと懐深い足周りで快適ドライブ

一方初代プジョー508は、日本で2011年に発売され、2018年に新型に交代している。車内が広く、乗り心地も快適なセダンだったのだが、いかんせんデザインが地味で、人気はいま一つ。2015年1月にマイナーチェンジされ、ノーズが長くなり、デザインも変更されたが、劇的な人気回復とはならなかった。日本仕様のエンジンが、マイチェンで馬力が上がったものの、ずっとガソリン1.6リッター直4ターボのみだったのも、その理由かもしれない。

ところが、モデル末期の2016年7月に、180psを発揮する2リッター直4DOHCディーゼル・ターボを搭載し、フロントサスペンションをストラットからダブルウイッシュボーンに変更した、GTブルーHDiという新グレードが日本に導入された。これぞ欧州仕様ともいうべきモデルで、一部ファンから歓迎されたのだが、販売された台数は決して多くなかったようだ。

今回お借りしたのは、このGTブルーHDiの2017年式。初代508は、その内容を考えると不当とも思えるほど中古価格が安いのだが、この個体は走行3000kmながら、価格は新車時(434万円)の半額に近い228万円(!)。しかもガソリン・エンジンなら、40~150万円と、更にお買い得なのである。

ボディはキャビン部を大きく取ったデザインで、リアデッキは短くなっている。

純正の5本スポークアルミホイールに235/45R18のタイヤを装着。

フロントライトはLED化されている。上3つの両サイドがロービームで、中央がハイビーム。バンパー部の細長いものがスモール&ウインカー。

テールランプはサイドに回り込んだ形状。

2リッター直4ディーゼル・ターボ・エンジンを搭載。トルクフルで元気な走りを味わえる。無論燃費も良い。

オーソドックスな形状のインパネ周辺。ステアリングにはシフトのパドルが備わる。

アナログのメーターは左が回転で右が速度。その間にデジタルの切替表示、アナログの油温、燃料、水温計が並ぶ。

レザーとファブリックのコンビシートを採用。前席はサイズが大きくファブリック部分が柔らかめで、気持ち良い。

後席は十分に広い。3人掛けも可能だが、中央席は足元にエアコン吹出し口がある。

トランクは通常状態で515リッター。バックレストは6対4分割可倒式。

SPECIFICATION
PEUGEOT 508 (I) GT BLUE HDI
全長×全幅×全高:4830×1855×1455mm
ホイールベース:2815mm
車両重量:1650kg
エンジン:直列4気筒DOHCターボ(ディーゼル)
総排気量:1997cc

最高出力:180ps/3750r.p.m.
最大トルク:40.8kg-m/2000r.p.m.
トランスミッション:6速A/T
サスペンション(F/R):ダブルウイッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ(F/R):Vディスク/ディスク
タイヤ(F&R):235/45R18

では運転した印象も含めて、両者のお勧めポイントをご紹介しよう。まずC6だが、ボディデザインは今見ても全く古さを感じない。他の何にも似ていない、唯一無二のスタイルが、凄く魅力的に思える。また現車はガナッシュと呼ばれる濃いエンジの外装に、ベージュの革内装で、実に品がよろしい。

乗り込むと車内は広く、特に後席はまるでリムジンのよう。シートの座り心地は前後とも思ったより硬めなのだが、快適なのは間違いない。

走らせると、ハイドロ・シトロエン独特のフワリと浮いたような感覚が続く。普段自分が乗っている初代C5後期型より、路面のいなし方が上手い気がしたのだが、これは制御が更に緻密なハイドラクティブIIIプラスのお陰らしい。ショーファー・ドリブン向きのようなC6だが、ファミリーカーとしても極めて魅力的に思えた。

対する508はどうか? 車内の広さは、後席の足元こそC6に譲るが、それ以外はほぼ同等。ただし内装がブラック基調で薄暗い印象を受ける。

前席はサイズが大きく、当たりが柔らかい。しかも形状が良いこともあり、とにかく「収まりがいい」感じだ。後席は座面が大きく、バックレストは平板ながら、これも快適な印象だった。

驚いたのはその走りだ。2リッターディーゼルターボはトルクフルで、1.65tのボディを軽々と加速させる。吹け上がりの良さも最新ディーゼルらしいところ。更に感心したのは足周りで、ストロークがたっぷりありながら、無駄なロールはせず、狙った通りノーズが向きを変える。これは快感だった。 知る人ぞ知る極上ファミリーカー。508GTブルーHDiはまさにそんなクルマで、かなり本気で欲しくなった。

PROFILE/中島秀之

免許を取って最初に運転したのが自宅の230セドリックで、現在はシトロエン初代C5後期型が足というセダン好き。去年の大型連休はC5で家族と京都を往復してきたとのこと。