OTHERS

<その他コンテンツ>
ニューカー、ヤングタイマー、クラシック、オーナー、ライフスタイル、
カタログ、100ドロ、ミニカーなどなど
COLUMN

“気になるクーペ”カタログBEAUTIFUL COUPE CATALOGUE

我が国ではなかなか根付かない、パーソナルなオトナのたしなみとしてのクーペにあえてチャレンジするという心意気。SUVやミニバン全盛の時代の今だからこそ、華麗に乗りこなしたいクーペ・カタログ。

TEXT / カー・マガジン編集部

カー・マガジンのスタッフが選ぶ
“気になるクーペ”カタログ

一口にクーペと言っても、そこはそれ。流麗な衣の下から筋肉質なやる気がにじみ出るスポーツクーペから比較的マイルドな雰囲気系、ブガッティやドラージュ、タルボラーゴと言ったアールヌーヴォーかつデカダンな1930年代の貴族趣味に360ccの軽自動車、市販化されなかったプロトタイプまで。カー・マガジンのスタッフが思いつくまま気の向くまま、選んだクーペは全26台。貴方のお気に入りはありましたか?

ランチア・フルヴィア・コンセプト

初海外モーターショー取材となった2003年春のジュネーブでデビューしたのが今乗っているランチア・イプシロンで、同年秋のフランクフルトでデビューしたのがこのフルヴィア・コンセプト。元々、往年のフルヴィア大好き、後に買うくらい好きなイプシロンと同じチェントロスティーレ・ランチアのデザイン、そしてプラットフォームは当時乗っていたフィアット・バルケッタ。もう買うしなかいと決意してから17年。未だに市販されていない……(涙)。(平井)

ランボルギーニ400GT

これまでドライブした中で最も“豪奢なクーペ感”に溢れたモデル。今日ではコンパクトなボディにV12エンジンを収め、それをM/Tで引っ張る感覚も贅沢。スーパーカーになってしまう前の純粋なグランツーリスモ・ランボルギーニ。このクルマに乗ろうと思ったら、最低でも仕立ての良いジャケットくらいは羽織ろうと思うし、行先も駐車場も当然のように選ぶ。正当な大人のクーペは、自然と乗り手が襟もとを正そうとするような威厳に満ちているべきだ。(吉田)

マセラティ・ギブリ(&ビトゥルボ系)

カーマガ新人時代に、当時の編集局長である安東さんが乗っていたビトゥルボ・ギブリが好きだった。1回だけ運転させてもらったが、“ウィ~~ン”という何だかわからない低周波のノイズが聞こえていて、これは宇宙船だと思った記憶がある(←これでも褒めているつもり)。当時はまだ新車でとてつもなく高く、買う人と言えば北方謙三みたいな妖しいオヤジ。これを手に入れるという発想は皆無だったが、ビトゥルボ系のマセラティはそういう色気があって今でも大好きだ。(平井)

ブガッティ・アトランティック・クーペ

アナタは、零戦、欲しいですか? 戦艦大和、欲しいですか? キングタイガー(←戦車ね)欲しいですか? 否。欲しいとか乗りたいとか、そういう対象じゃなくて、もはや存在そのものが遠過ぎて、畏敬の念とか畏怖のココロとか、そっち方面。クルマの中でもそんな存在はいくつか思いつく。ブガッティのタイプ57、アトランティック・クーペはその筆頭。維持管理はラルフ・ローレン氏に任せ、私は神々しい、ありがたい、と拝んでいれば良いというシアワセを噛みしめる。(ナガオ)

ニュー・ストラトス

ドイツの自動車部品メーカー『ブローゼ』の社長がピニンファリーナに作らせたワンオフモデル。ベース車両はフェラーリ430スクーデリアだ。初めてこれを見た時「これは紛れもない現代版ストラトスだ……」と感動した記憶がある。オーナーは発表会で「量産化も検討している」と宣言し、実際に量産化に充分な数のオーダーがあったのだが、フェラーリ社の意向により計画は白紙になったとか。自分に買えるわけがないけれど、それでも量産して欲しかったなあ。(前田)

アルファGTV

ストラトスに対して、こちらは現実的に欲しい1台。今でこそ英国車のミニに乗っているが、元々はイタフラ車が好きで、特にアルファロメオは好きなメーカーのひとつ。90年代以降のアルファロメオの中ではこのGTVかアルファGTが個人的にはお気に入り。どちらも中古市場ではよく見かけるし、相場もおおよそ“100ドロ”の範囲内。狙い目は最終型の3.2リッターV6モデル。色はネロで、内装はタンレザーなんて個体があれば、とりあえず見に行きたい……。(前田)

モーガン・エアロ8

長らく、最も手に入れたいモデルの筆頭。純英国メイクスによる古の工場、職人による手作り、伝統を継承した流麗なスタイリング、プロダクトエンジニアが伝説のレーシングドライバー、FIA GT用の純レーシングカーがベース。アルミ、ウッド、本革の饗宴、骨太な走り。どの要素をとっても、モーガン・エアロの素性に敵うクルマなど現世には存在しない。このクルマが我が国でほとんど普及していないのは、本当の目利きがいないからである。(吉田)

アルファロメオ・ジュリアSS

フランコ・スカリオーネのデザインが、美しいと思えるまでには時間はかかったが、年を重ねていくごとに、欲しい順位が上昇し続けているのがアルファロメオ・ジュリアSSだ。かつてオーナーに聞いた「若いときは全く好みのデザインじゃなかったんだけどね」と言うコメントも今なら頷ける。見る目が肥えたのか、単に趣味が変わったのか、いずれにしても“流麗”という形容詞がつくクーペの筆頭はジュリアSSで間違いない。買うんだったら写真のような濃いブルーかシルバーだろうか。(中本)

ジャガーEタイプ

少し前、驚いたニュース。それはジャガー・ランドローバー・クラシックが、Eタイプをベースに、パワーユニットをそっくりそのまま電動パワープラントに置き換えた電気自動車『Eタイプ ゼロ』を発表した事。ヒストリックカーを電動化する試みは各国で見られる動きだが、これほどの“ほぼワークス”体制で来られると、ビジネス&政治経済をも巻き込んだ戦略? なんて思えたり。個人的には、そんな事情は我関せずの態で、昔ながらのEタイプをシレッと走らせ続けたい。(ナガオ)

ジャガーXJ-S V12

初めてステアリングを握った輸入車。市場価値は落ちる一方だが、存在感は一向に薄れない。絶世の美人ではないが、乗っている人を見ると嫉妬心が湧き、オーナーの甲斐性に心酔せざるを得ない。一連のコベントリー・クライマックスを手掛けたウォルター・ハッサン設計によるV12を、ジャガー珠玉の名作、XJ6シャシーの上でヒタヒタと回す贅沢を心の底から理解できれば、信頼性、クオリティの低さ、リッター3km以下の燃費にも目を瞑れるはず。(吉田)

ジャガーXK8

高校時代の通学路で、毎日のように見ていたジャガーXK8。クルマ単体の美しさもそうだが、借景となる家も実に瀟洒で、その組み合わせに憧れオーナーやそのライフスタイルを通るたびに想像したものだ。それから数年後、大きな憧れを持つクルマだけに初めてドライブした時は緊張したが、運転しなければ……なんて後悔することもなくさらに欲しくなった。スーパーチャージドのXKRもあるが、NAのXK8でアイスブルーの良い個体があればいつかはと思っている。(中本)

ユーノス・コスモ

ロータリーが復活するしないで一喜一憂しているマツダ・ファンは決して少なくないだろうが、こちらはおそらく二度と生まれる事の無いスーパー・クーペ。バブルの時代に生まれた究極の3ローター、ご存知ユーノス・コスモだ。この時代の多チャンネル化とかバブルの崩壊とかそもそも燃費が、とか色々な事情もあったろうが、自動車産業遺産(?)として、もう一度新車に乗ってみたい。(ナガオ)

マツダR360クーペ

ご存知、マツダ初の市販四輪車。最近では“R360”の呼び名が一般的だが、自分も含め、当時は多くの人が単に“マツダ・クーペ”と呼んでいた。付け加えるならば、当時の一般的なオトナ達は“クーペ”というのがマツダが発明した固有名詞で、ボディ形式からの命名とは思っていなかった節がある。余談だがロードスターもその伝かも。マツダって昔から……。ともかく、自分にとって生まれて初めてのクーペ体験こそ、このマツダR360クーペであった。ただし、バンダイのブリキの玩具だったが。(ナガオ)

スズキ・フロンテ・クーペ

戦後初めてクーペを名乗ったマツダR360の登場から10年。日本でも“ちょっと贅沢で遊び心を感じさせるスポーティーな2ドア・モデル”を意味する言葉として“クーペ”の言葉が定着した頃、遂に現れたのがフロンテ・クーペ。ジウジアーロのデザインを360ccのサイズで製品化したスズキは、エライ。そのスタイルは伊達じゃなく、3気筒3キャブの2ストローク・エンジンで、モータースポーツ方面でも活躍。知り合いも何人か乗っていた。ニッポンの、自動車青春時代。(ナガオ)

日野コンテッサ1300クーペ

ボクの憧れの1台。お題からは外れるが、4ドア・セダンでもいいので死ぬまでに乗りたい1台である。RRレイアウトを活かしたミケロッティの流麗なデザインを、車体後端全面をグリルとして冷却を行う大胆なレイアウトで実現させた日野の技術者の努力は計り知れない。その賜物がこの頭からつま先までなだらかに美しい面が続くボディだ。車名の由来はイタリア語で“伯爵夫人”の意味。コンテッサ・クーペはたった2年で生産終了となった。まさに美人薄命と言えよう。(前田)

いすゞ117クーペ

たとえば夏休み。親戚の中でも、特にクルマ好きが集まると、たちまち“物知り自動車クイズ合戦”が始まる。その中のあるあるクイズのひとつが「このクルマは国産車か、外車か」。で、そのネタに多用されたのが117クーペ。いすゞがジウジアーロにデザインを依頼した顛末は既に誰もが知っていたから、クイズにはならなかったのだが。いずれにせよその流麗なデザインは当時の国産クーペの白眉。訂正されるまで、ひゃくじゅうななクーペと読んでいたのは秘密。(ナガオ)

トヨタ・カローラ・スプリンター

“クーペ”の持つ語感はシリーズ全体のイメージ向上にも役立つ。そんな営業会議があったかどうかはさておき、セダンをベースに2ドアのクーペをそのラインナップに追加するというパターンは、1960年代後半以降、数多く見られるようになっていった。カローラ・スプリンターもそのひとつ。当初はカローラの2ドア・クーペ版に付けられた名称がスプリンター。後継の27レビン/トレノの知名度に比べると、いささか地味な初代カローラ2ドア・クーペだが、それもまた歴史。(ナガオ)

メルセデス・ベンツSEC

スパ24時間でクラス優勝を遂げたAMG300SEL6.8の様に、巨大なボディで戦うレーシングカーが好きだ(グッドウッドでいえば、A35に追いまわされるジャガーMk2につい肩入れしてしまう)。その影響からか、DTMで活躍した190Eよりも1989年のスパ24時間へ、フューゴボスのカラーリングを纏って出場した500SECの方が好み。AMGがレーシングカーの素材として選んだ歴史、そしてSEを2ドアにしたというラグジュアリーさもSECに惹かれる理由だ。(中本)

日産シルビア

かつてクルマ趣味界のさるセンパイが、初代シルビア(CSP311)に対する印象として、こんな事を語っていた。曰く「その流麗なクーペ・ボディと、SP310ベースのタフでハードな乗り心地のギャップに馴染めない」「だから自分にとってシルビアは、遠きにありて思うもの」だと。その時は、なるほどそういうこともあるのかと思っていたが、ある日、きちんと手入れの行き届いたCSP311に乗った時、聞かされていた話とはずいぶん違うと感じたのだ。聞かされていた様な荒々しさはさほど感じず、むしろその外観と室内の儚い美しさとも、よくバランスしている。それ以来、積極的に選びたいヒストリックカーの1台となったのだ。だって、うちのケータハムにハードトップ付けたって、CSP311ほど優雅で美しいノリモノにはならないし。(ナガオ)

ベントレー・コンチネンタルGT

先代に比べ、その顔つきをはじめ各部がさらにマッシブに進化したベントレー・コンチネンタルGT。このクルマと過ごすということは、自分自身の立ち位置を含めた全てのシチュエーションを、コントロールする事すら求められそうだ。いわば“ベントレー劇場”とでも呼ぶべき偉大なる演劇空間で、自然体で暮らせるだけのタフなオーナー限定。(ナガオ)

プジョー504クーペ

プジョー504のサルーンと言えば、質実剛健な実用セダンのお手本であり、また、サファリをはじめとするタフなラリーで活躍するなど、クルマ好きの間でも“一目置かれる”存在。実際、自分の周囲にも愛用している人がいた。その派生モデルであるクーペが、“フツーによさそう”だと気づいたのは、実は1980年代に入ってから。403や404ほど旧くないし、504自体はそこそこ輸入されていたから、そのクーペは十分アシになりそうだ、といまだに思っている。(ナガオ)

プジョー406クーペ

人によって、世代によって捉え方はまちまちだろうが、自分的にはプジョー504はちょっと旧いクルマ。405は最近のクルマ。そして406は新しいクルマ。それ以降は、えーと、未来のクルマ。だから小学校時代に同級生だった友人が1990年代に「406クーペの新車を買う」と宣言したときには「昔はA110が欲しいと言っていたY君も、ずいぶん立派なオトナになったものだ」と感心したものである。確かにピニンファリーナの手による一連のプジョー・クーペは、エレガント。(ナガオ)

ルノー・メガーヌ・クーペ16v

90年代のラリーシーンを大いに沸かせた『F2キットカー』。その筆頭と言えばG.パニッツィが駆るプジョー306Maxiだが、個人的にはこのメガーヌ・クーペをベースとしたMaxiが好きだった。フランス国内選手権で当時、圧倒的な強さを誇った306maxiに敗北。プジョーはその後WRCにステップアップし、今度はシトロエンがクサラ・キットカーを投入。そしてクサラにも敗北し、無冠のまま世代交代した。マニア度高めの希少車だが、売り物があるならば迷わず飛び込みたい。(前田)

スバル・アルシオーネSVX

バブルだったから、だけでは済まされない“やる気のカタマリ”。1991年にデビューしたアルシオーネSVXの、第一印象。四駆のポルシェ911を前後ひっくり返したかの様な構成、イタルデザイン/ジウジアーロの煮詰められたデザイン。現在、スバルのスポーツ・クーペと言えばBRZだが、オジサンとしては若々しく元気なBRZよりも、むしろこのSVXの様なデカダン的グランドツアラーを希望。スバルさん、せめて消耗パーツの供給、始めませんか?(ナガオ)

キャデラック・エルドラド(2000年代)

申し訳ないが、昔からアメリカ車に興味がない。でもこの自動車雑誌の編集者になって実車を見る機会が増え、キャデラックとコルベットだけは、たまにグサっと刺さるクルマが出てきた。C6のZ06は最後の旧き良きコルベットとして名車だと思うし、このエルドラドも刺さった1台だ。ビッグアメリカンクーペでありながら、どこか欧州車の香りを漂わせるのは、後のCTSあたりにも通じるキャデラックらしさ。買いたいとは思わないが、見ているのは好きだ。(平井)

タルボ・ラーゴ・クーペT150 CSS

1920〜30年代のヨーロッパと言えば、ふたつの世界大戦の狭間、アールデコの時代。既にキナ臭い世界情勢になりつつあったが、それでもまだ人々は、旧き佳き欧州を慈しむように過ごしていた。そんな時代、上流階級の人々はお気に入りのシャシーとカロッツェリアを組み合わせた、まるで白日夢の様なクルマを仕立て、コンクールでその美を競い合った。このフィゴーニ&ファラッシの手によるボディを纏ったタルボ・ラーゴ・クーペT150 CSSも、そんな時代を代表する、ある意味究極のクーペのひとつ。前出のアトランティック・クーペ同様、地上のどこかで存在してくれさえすれば、シアワセ。(ナガオ)