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自動車型録美術館

日産240RSNISSAN 240RS

古今東西の自動車カタログをご紹介します。

TEXT / 板谷熊太郎

グループB競技車両のカタログですが意外と立派です

240RSは、ご存知の通りラリーの日産がWRCのグループB参戦のために開発したクルマです。今回はそのカタログをご紹介いたします。

個人的な郷愁

240RSには、少しだけ個人的な思い入れがあります。それは座間工場生産課で研修した1982年のことです。当時の日産では本社の海外部門に配属されると、将来にわたってクルマとは縁遠い業務となるため、半年間の工場勤務が課せられていました。工場といっても製造作業を行なうのではなく、部品の手配などを担当するのですが、たまたまわたしの研修中にラインを流れたのが240RSだったのです。

専用パーツ

クルマは約3万点の部品から成り立っています。240RSのような特殊部品の多いクルマを通常の生産ラインに流す、というのは、かなり無理のある話です。それでも日産は240RSを座間工場のラインで生産しました。わたしの仕事は生産ラインに遅滞なく不足なく部品が供給されるように手配すること。競技車両である240RSの専用部品はどれも魅力的なものばかりで、特にエンブレムのように小さなものは、ラインで紛失する事態が起こらないよう、詳述は避けますが、工夫が必要でした。

カタログ

240RSのカタログは、英文のものしか存在していないと思います。作成したのは、その頃はまだ銀座にあった日産本社の海外向販売促進部署です。

グループBなどの競技車両の場合、メーカーが作成するのはプレスキットと呼ばれる広報資料の類が多いのですが、この240RSのようにカタログが用意されることもあります。本稿ではこれから先、折をみてそうした競技車両の紙資料も紹介していきたいと考えています。16ページもある240RSのカタログは、競技車両のものとしては例外的に立派です。240RSにかける日産の思いが伝わってくる気がします。当時の日産本社でこのカタログを目にした時は驚きました。本文にも書いたように、240RSには若干の縁があったので、カタログ管理部署の許可を得て、カタログの置かれた棚から少し多めに貰ってきたのが、つい昨日のようです。

●サイズ(縦×横):250mm×300mm
●全16ページ

カメオ出演、という言葉があります。映画などで短いシーンに、文字通り特別出演する、といった意味合いの語です。たとえば、うろ覚えですが「ロビンフッド」という映画にショーン・コネリーがちらと出てきたりしています。実はこの240RSのカタログにも、関係するプロドライバーがカメオ出演しているのです。あえてその人が誰かは書きません。意外な場面に登場していますから、それが誰かを探すのもたのしいと思います。

プロフィール●板谷熊太郎
幼いころからのクルマ好き、実車よりもカタログや書籍などの紙モノに魅かれる変わり者。カー・マガジンの『自動車型録美術館』の他、姉妹誌モデル・カーズにも『自動車博物記』を連載中。