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自動車型録美術館

ランチア・ストラトスLANCIA STRATOS

古今東西の自動車カタログをご紹介します。

TEXT / 板谷熊太郎

これでラリーを戦う、その発想力には脱帽するしかありません

ディーノ・エンジン

フェラーリ以外でV6のディーノ・エンジンを用いたクルマとして思い出されるのは、フィアット・ディーノとランチア・ストラトスです。その背景を勝手に想像したことがあります。ディーノのV6ユニットは早世したアルフレディーノが設計し、ヴィットリオ・ヤーノが完成させたものです。これは、ヤーノに関係しているのでは、と考えたのが最初でした。

ヤーノとエンツォ・フェラーリ。たしかにエンツォのアルファロメオ時代に、ヤーノはフィアットから移籍しています。そして、フェラーリとして独立した後、今度はフォーミュラマシンD50とともに、ヤーノはランチアからフェラーリに移っています。ヤーノがいなくては実現しなかったV6のディーノユニット。フェラーリはこの恩を返すために、フィアットとランチアそれぞれにディーノ・ユニットの使用を許可したのではないでしょうか。ちなみにランチア・テーマ8・32は、V8のマシンD50を譲られたことに対する返礼でしょう。

ストラトスに同乗

箱根でストラトスの助手席に乗せてもらったことがあります。運転したことのあるディーノ246G Tに較べ、いかにも競技車両といった感が強かったことを覚えています。同じエンジンでも主に排気系が異なるだけで、これほどまで印象が異なるのかと、大いに驚きました。

(初出カー・マガジン479号/連載第27回)

広げるとポスターにもなるカタログです。ストラトスで通常の冊子タイプのカタログはみたことがありません。ポスタータイプのカタログは、開くと片面が大きな絵柄になっていて、ポスターとして使用できるものが一般的です。クルマそのものの立ち位置が広報に軸足を置いたものに、この手のポスタータイプカタログが多いようです。カタログ自体、購入に向けた検討のため、というよりは、カタログの受け手に夢を届ける、そのような意図があるのでは、と思っています。尚、後述するランチア・ラリーやデルタS4の広報資料にもポスター状の大きな構造画が含まれており、ストラトスからの流れが感じられます。ストラトスはかなり実験的なクルマだったためか、当時ランチアが発行していた年刊や、カロッツェリアが刊行した冊子などにも大きくとりあげられていました。

●サイズ(縦×横)/340mm×240mm( 四つ折状態) 680mm×480mm(開いた状態) ●8ページ(四つ折状態)/2ページ (開いた状態)

ストラトスに続くランチアのラリー用競技車両、ランチア・ラリー(037)やランチア・デルタS4には充実した広報資料(プレスキット)が用意されていました。これらのグループB車両には、徒花の如きはかなさと華やかさを感じます。用意された紙資料も、プレスキットがデジタル化される前の、最後の完成型のような出来映えです。037やS4以外にも、プジョー205ターボ16、アウディ・クワトロ、フォードRS200、等々にも内容の濃いプレスキットが用意されているので、いずれ、こちらで紹介させていただく予定です。

プロフィール●板谷熊太郎
幼いころからのクルマ好き、実車よりもカタログや書籍などの紙モノに魅かれる変わり者。カー・マガジンの『自動車型録美術館』の他、姉妹誌モデル・カーズにも『自動車博物記』を連載中。