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COLUMN

いすゞのヒストリックカーと新旧商用車の歴史を学ぶISUZU PLAZA & HISTORIC CARS

ベレットに117クーペ、フローリアンにジェミニ……。日本の自動車史に残る数々のいすゞのヒストリックカーと新旧商用車の歴史を学べるいすゞプラザは、クルマ好きなら一度は訪ねて見たいスポットだ。

TEXT&PHOTO / 長尾 循
SPECIAL THANKS / いすゞ自動車(https://www.isuzu.co.jp/

いすゞのヒストリックカーと新旧商用車の歴史を学ぶ

施設を入るとすぐに、いすゞの原点であるウーズレーCP型トラックがお出迎え。館内にはトラックから商用車まで、数々の歴代いすゞ車が展示される。いずれの車両も、基本的に全て動態保存であることが素晴らしい。

かつての高度成長期の我が国では、とかく”目の前の仕事をガンバル”ことばかりに忙殺されがちで、時に立ち止まってじっくりと”自身の歩んできた歴史を振り返り、それを後世に伝える努力”は二の次にされてきたフシがあった。しかし昨今では国内の多くの自動車メーカーが、自社製品の歴史や社会との関わりを語る活動や施設の展開にも力を入れてきている。そんな思いをより強くしたのが、この『いすゞプラザ』の開業だ。

いすゞ自動車創立80周年記念事業の一環として、かねてより準備が進められてきたこの施設は、”商用車の役割”や”運ぶを支えるいすゞのくるまづくりと稼働サポート”、”いすゞの歴史”などを紹介し、よりいすゞを身近に感じもらうことを目的として、2017年の春にオープンした。

いまでこそ商用車専業メーカーとなっているいすゞだが、かつてはトヨタ、日産とともに日本を代表する総合自動車メーカーの御三家と言われ、独自の個性に彩られた様々な乗用車を送り出してきたことは、皆さんも良くご存知だろう。館内にはレストアされた車両から最新のトラックやバスまで多数の実車が展示される。また、同社が生み出してきた歴代のクルマを1/43スケールのミニカーを使って紹介する立体年表や、物流の仕組みが一目で理解できる巨大なジオラマなど、力の入った展示物の数々も圧巻だ。国内の現存自動車メーカーの中では最古の歴史を誇るいすゞ。その今昔を楽しく知ることが出来るこの施設は、クルマ好きならば一見の価値あり、だ。

建物の外観と、館内のディスプレイ。現存する日本最古の自動車メーカーの歴史と現在が、立体的に把握できる施設。

やはり117クーペは同社の手がけた歴代乗用車の中でも白眉の存在だ。いすゞプラザ館内の一等地に展示されるのは、シャシーNo.が80番台という、極初期のハンドメイド。

デビュー時はベレット・ジェミニと呼ばれたジェミニは、ご存知の通りGMの世界戦略車『Tカー』のいすゞ版。展示車両は1975年式。

最新のバスやトラック、エンジン、自衛隊向け”3トン半”などの車両展示に加え、1/18スケールのトラック組み立てライン、1/43の歴代いすゞ車のミニカー絵巻、HOスケールのジオラマと、力の入った展示物も圧巻。

また、このいすゞプラザのオープンの4ヵ月ほど前には、いすゞプラザに隣接するいすゞ自動車藤沢工場敷地内にて、メディア向けの『いすゞヒストリックカー撮影会』も開催されている。これは、同社が所蔵する歴代車両を動態維持の為に走らせたり、社内の資料用に撮影などを行うもので、不定期に開催されている非公開のイベント。2016年12月、久しぶりに開催されたその”撮影会”には、いすゞベレル、117クーペ、ジェミニなどの乗用車から、戦前の石川島自動車製作所時代の1932年式スミダバス、敗戦の翌年に登場し、戦後の復興を担ったTX80トラック、歴代エルフなどの商用車まで、総勢11台のクルマが展示され、デモランも行った。

社名が現在のいすゞ自動車となったのは戦後、1949年の事だが、東京石川島造船所と東京瓦斯電気工業が自動車製造を企画した1916年まで遡れば、同社は、実は現存する自動車メーカーとしては日本最古の歴史を誇っている。今回の”撮影会”も、そんな同社の長い歴史と伝統を垣間見ることの出来る貴重な機会となった。もちろんこれらの車両の多くは、いすゞプラザで展示されている。

石川島自動車製作所時代、1932年式のスミダM型バス。4気筒2.7リッターのガソリンエンジンだ。

1932年式のスミダM型バスの銘板。昭和七年 六月製作、石川島自動車製作所の文字が読める。

手前の小さなバスは、いすゞ社員有志が作ったひとり乗りの小さなペダルカー。

敗戦からわずか3年後の1948年に生産されたTX80トラック、5トン車。

戦前は1922年にウーズレーA9の国産化を果たしたいすゞ。戦後はヒルマンのノックダウン生産から戦後の乗用車事業をスタート。これはそのいすゞヒルマン。1953年式のミンクス。

ベレットをベースにしたバン、1967年式のベレット・エキスプレス。

クラウンやセドリック、グロリアと共に国産上級セダンの一翼を担ったベレル。

今なお2トンクラスではベストセラーのエルフの、こちらは1964年式の初代。

こちらは1969年式の二代目エルフ。

GMとの提携時代、ファスターをベースに生まれた1973年式のシボレー・ラブ。

同時代のレンジローバーを連想させる、1982年式のロデオ・ビッグホーン。

撮影会当日はこれらほとんどの車両が元気なエンジン音を轟かせ、ムービーの撮影用に敷地内を走行した。