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COLUMN

受け継がれる名車の血統、その一例INHERITED TRADITION CARS CATALOG

変わらなければよいという訳ではない。かといって過去を捨て去ればよいという訳でもない。常に同時代性を備えつつも趣味的な魅力を維持し続ける、そんなクルマたちを、独断と偏見でビックアップしてみた。

TEXT / カー・マガジン編集部

受け継がれる名車の血統、その一例

モーガン

“基本的な骨格を変えない長寿スポーツカー”はと聞かれたら、まず真っ先に思いつくのがモーガンだろう。進化し続けるクルマの中でその遺伝子は受け継がれるのか、という今回のテーマのなかにあって、変わる必要のないところは徹底して変えない事を是とするのが、このブランドのアイデンティティー。それは、このモーガンを必要とする人々が”最新の文明”を欲しているのではなく”そのクルマに備わる文化”を求めているからではなかろうか。1930年代と変わらず、マルヴァーンのモーガン・モーター・カンパニーのファクトリーでは、今も職人達が木のフレームを作り、シートを縫い、大メーカーから調達して来たエンジンを組み付ける。80年以上前に生まれたときから現在に至るまで、ある意味、趣味のクルマとしては究極にして孤高の存在。ちなみに写真は1936年の4/4と、4/4誕生80周年を記念して80台が限定生産された特別仕様車。

モーガン初の4輪車、4/4の名称が4つのタイヤと4気筒を意味するのはよく知られているが、それ以前は英国を代表する三輪スポーツカー・メーカーだったのも有名な話。ハリーH.F.S.モーガンが、エンジニア学校と実地修行を経て、1905年に小さなガレージを開いたのがそのルーツ。1909年にスリーホイラーの試作車を完成させて以来、英国ならではの”スポーツカー”として、こちらも連綿と作り続けられてきた。現在は開発が止まっているようだが、少し前にはEVの新型スリーホイラーも発表され、過去と未来が融合したその存在が、他に例を見ないプロダクトとして注目を集めている。こんな伝統と革新の融合もまた、いかにもモーガンらしい。

ポルシェ911&ケータハム・セブン

前出のモーガン以外で長寿スポーツカーの代表選手といえば、ポルシェ911にロータス/ケータハム・セブンの名前も挙げられるだろう。その長い歴史の中でポルシェ911もセブンも、それぞれのキャラクターを守りつつ、連綿とそれぞれの進化を続けて来た。特にポルシェは日々機械としての進化を続ける事がその存在意義であり、その姿勢をして「最新のポルシェが最良のポルシェ」と言わしめるのである。また、G.ニアーン氏なきあとの近年のケータハムも、さらに進化の速度を速めているようで、様々なトライを続けている。そして、一介のクルマ好きである我々としては、その長い歴史と伝統に敬意を表し、自分の一番好きな時代・身の丈にあった個体との出会いを目指せば良いのだ。趣味とは、必ずしも最新の機械を手に入れる事ではないのだから。

ランドローバー&ジープ

メルセデスやくろがねが、いち早くオフロード4WDを実用化していたとしても、その後の世界に与えた大きなインパクトの大きさを考えれば、やはり四駆の王様・オフロードの元祖はジープ。そして、そのジープに倣って戦後に生まれたランドローバーも、軍用・民生の両方で世界を席巻した。現代の軍事作戦で求められる機動力がハマーに取って代わられ、貴族の乗り物となったレンジローバーが、もはや戦場に向かう事はなくなっても、その唯一無二の個性とヒストリーは、他に代えがたい世界だ。

フィアット124&アルファロメオ・ジュリア

フィアット500にとどまらず、FCAはフィアット124、アルファロメオ・ジュリアといった、オールド・ファンにもお馴染みの名前を次々にリリース。もちろんオープン2シーター・スポーツと4ドア・セダンという点以外は、新旧の間に機械的な継続性があるわけではないが、それでも気になってしまうのはクルマ好きの性。新型の評判がよいと聞けばなおのこと。写真は載せていないが、今ではフィアットと同門であるクライスラーの300も、いにしえのレターカー・シリーズの復刻。目まぐるしく移ろう昨今では”新たなクルマを生み出し長年にわたって育て上げていく”よりも、かつての名作のイメージをなぞる方が現実的なのだろう。

ミニ&フォルクスワーゲン・ビートル&フィアット500

その特徴的なデザイン・モチーフと共に車名を復活させた”セルフカバー”の元祖といえば’98年のニュービートル。2001年にはニューミニが、さらに2007年にはフィアット500も登場し、それぞれのオリジナルに乗っているオーナーはなんだかちょっと違和感を覚えたものだが、いまではすっかりそれが当たり前の世の中に。たとえば自分の中でミニと言えば、言わずもがなのADO15なのに今時はあえて”クラシック・ミニ”と呼ばざるを得ないもどかしさ。まぁ、そんなことに拘っていると、頭が硬いと言われてしまうかもね……。

トヨタ・クラウン&ランドクルーザー&カローラ

国内はもとより、世界的に見ても半世紀以上同一の車名を継続している例は数少ないが、1955年デビューのクラウン、1954年のランクル(トヨタ・ジープまで遡れば1951年)、1966年のカローラと、時代に即した変化を遂げつつそのキャラクター自体は不変というクルマ造りを続けるトヨタのブレなさはお見事。

日産GT-R

R35となったGT-Rが”スカイライン”で無くなった時、実はニッボンの多くのクルマ好きの胸中には、淡い寂寥感が去来したのではないか。あるクルマ好きのセンパイは「カルロス・ゴーンの決断は、日本人のメンタリティとは違う」と。現在R34以前の”スカイラインGT-R”は、海外の好事家が買いまくっていると聞く。次期GT-Rは果たして?

スズキ・ジムニー&スバル・サンバー&ホンダN-ONE

ある特定の分野で、車名とキャラクターを連綿と継続させ続けることは難しいが、スズキ・ジムニーはその希有な例外。今や世界に冠たるオンリーワン。逆に、リアエンジンに四輪独立懸架と、唯我独尊の境地を歩んで来たスバル・サンバーは、今では他社のOEMに。また、ホンダN-ONEの如く、海外勢の”セルフカバー”に倣った展開は、国産車ではむしろ小数派。