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新生ラーダの先駆けとなるザ・実用車NEW LADA LARGUS

日本では「ラーダ・ニーヴァ」でおなじみのロシアの自動車ブランド「ラーダ」。ルノー・日産アライアンスのブランドとして再出発し、今回、ステーションワゴン「ラルグス」が新たな使命を受けてビッグマイチェン! たぶん日本に入ってくることは無いものの、安グルマ愛好家なら要チェックの1台だ。

TEXT / 竹内耕太

新生ラーダの先駆けとなるザ・実用車

3月8日にロシアでMCされたばかりの「ラルグス」。これは今回新たに追加された「ラルグス・クロス」で、当世流行のクロスオーバー風味に。

あの「ラーダ・ラルグス(LADA LARGUS)」がついにリニューアルしましたね!!

ひょっとしたら「何ソレ?」という読者もいるかもしれないので一応説明しておきますと、ロシアの自動車ブランド「ラーダ」は「アフトヴァス(AvtoVAZ)」のブランドで、日本には「ラーダ・ニーヴァ」(後に「ラーダ4×4」とも)が輸入されているので見たことがある人も多いハズ。そのアフトヴァスはずっと経営不振が続いていて、2012年にルノー・日産から出資を受けることになりました。その際に、ルノーの子会社であるルーマニアの「ダチア」が生産していた安セダン「ロガン」のステーションワゴン版「ロガンMCV」を、「ラーダ・ラルグス」という名前でバッヂだけ付け替えてロシアで生産・販売することになったのでした。

新型ラーダ・ラルグス・クロスのリアビュー。観音開きのゲートを備え、往年のルノー・エクスプレスをそこはかとなく彷彿させる素敵なスタイル。

さて、その後2016年にアフトヴァスがルノーの完全子会社となり、つい先日の2021年1月にルノーがアフトヴァスの事業の刷新を発表しました。いわく、ルーマニアのダチアとロシアのラーダ、両ブランドを一つの事業セクションとして統合することでシナジー効果を促進するとのこと。

どういうことかと言えば、ダチアはルノー・日産アライアンスのプラットフォームやパーツを使って「ダスター」や「サンデロ」といったロワーグレードの大衆車を生産し、東欧のみならずグローバルに市場を広げることに成功したブランド。そのノウハウをラーダにも活かして、ロシア市場を軸にブランドを強化しようというわけです。

同時に、ラーダ・ブランドの象徴であると同時に、1977年デビュー以来40年以上ほったらかしだった「ニーヴァ」の新型をフルEVとして2024年に発売するとのアナウンスも。2025年までにラーダから4つのニューモデルをラインナップする野心的な計画なのです。

2024年に発売される新型ラーダ・ニーヴァは、CMF-Bプラットフォームを用いた4輪駆動BEV。ボディはスモールとミディアムの2サイズ用意されるとのこと。
初代ラーダ・ニーヴァは1977年登場。名前など転々としながら現在も製造が続いている。写真は1994年式。
ちなみに2003年からラーダとGMの協業による2代目「ラーダ/シボレー・ニーヴァ」も販売されている。2021年1月以降こちらを「ニーヴァ・トラベル」、古い方を「ニーヴァ・レジェンド」と改称して区別している。

そんな情勢の中、2020年9月にルーマニアでは「ダチア・サンデロ」&「ダチア・ロガン」の新型が発表されました。こちら2012年以来8年ぶりのフルモデルチェンジで3代目となり、新型ルノー・ルーテシアやキャプチャーと同じCMF-Bプラットフォームを採用。南米、アフリカ、ロシアでは「ルノー・サンデロ/ロガン」として販売されている、日本には入ってこないけど実は重要なグローバル戦略車なのです。

で、従来はダチア側でハッチバックの「サンデロ」、セダンの「ロガン」、ステーションワゴンの「ロガンMCV」がラインナップされ、ロガンMCVのロシア版が「ラーダ・ラルグス」という位置づけでした。

昨年秋にフルモデルチェンジして3代目となったダチア・サンデロの一族。左が新たに追加されたクロスオーバータイプの「サンデロ・ステップウェイ」、右がハッチバックの「サンデロ」、中央がセダンの「ロガン」。

そこで満を持して3月8日にロシアで発表された「ラーダ・ラルグス」はどうなったかというと……既存のプラットフォームをそのまま流用した、ビッグ・マイナーチェンジでした……。

とはいえ、デザインは内外装ともに刷新され、新たにクロスオーバーモデルの「ラルグス・クロス」がラインナップに追加。ステアリングウォーマーやリアビューカメラ、マルチメディアといったモダンな装備の数々が用意されるとともに、遮音性も向上させています。乗用モデルには7人乗り3列シート仕様も用意され、お仕事からファミリーユースまでマルチに対応できるのです。

フェイスリフトによってラーダの最新デザイン言語をまとったラルグス。日本人には三菱のアウトランダーなどを想起させるフロントフェイスだが、ルノー・日産・三菱アライアンスとなった影響があるのかどうかは不明。
ルノーや日産とあちこち共有しているインテリア。ついにマルチメディアを搭載し、空調スイッチは直感的でスピーディな操作が可能なダイヤル式。
参考までにフェイスリフト前のラルグス、パトカー仕様。色気のまったく無い、この佇まいも好ましかったのは確か。

エンジンはアフトヴァスのVAZ系ユニットをアップデートしたものを搭載し、直列4気筒1.6リッターで90psと106psの2種類。組み合わされるトランスミッションは5速M/Tのみという潔さ。お値段は5人乗りのスッピングレードが約100万円~、ラルグス・クロスが5人乗り/7人乗りとも約126万円~となっており、ロシアの自動車市場においてコスパ部門で圧倒的な威力をふるうことが期待されます。ダチアとラーダの事業を統合する中で、ラインナップの棲み分けをはっきりさせる方向のようです。

というわけで、ロシア独自の安グルマとして歩み始めたラルグス。すでにヴォルガ川のほとりトリヤッチの工場にて生産ラインがスタートしています。ロシア国外で販売される計画は当面なさそうなのが残念なところですが、ロシアに旅行する機会があればチェックしてみてください。

なおラーダの現行ラインナップで一番安いのが「グランタ」で、セダンは約70万円~。

【ラーダとダチアについてはこちらの記事もどーぞ】
LADA 4×4 & FIAT PANDA CROSS
DACIA DUSTER
DACIA DOKKER