OTHERS

<その他コンテンツ>
ニューカー、ヤングタイマー、クラシック、オーナー、ライフスタイル、
カタログ、100ドロ、ミニカーなどなど
自動車型録美術館

ポルシェ356BPORSCHE 356B

古今東西の自動車カタログをご紹介します。

TEXT / 板谷熊太郎

やはり356にはビートルとの血縁が強く感じられます

ポルシェ好きの方、お待たせしました。ようやくポルシェです。

ポルシェとフェラーリ

フェラーリが自らの名を冠したクルマをつくり始めたのが1947年。一方、ポルシェの最初のクルマが登場したのは1948年です。この一事からも、両社には似通ったところがあるように思います。それぞれ、個人のファミリーネームを戴くスポーツカーメーカーなのですが、実は、大きく異なっている点もあります。

そのひとつは戦争との関わり方。ポルシェでまず思い出されるのは、フェルディナント・ポルシェが総統にKdfのモデルを説明している写真。そして、フェリー・ポルシェが総統を隣に乗せて運転している写真。ポルシェ砲塔、などを持ち出すまでもなく、ポルシェにはこのような歴史があります。

フェラーリですが、ファシズムの台頭により、ファッショ化するアルファロメオに居心地の悪さを感じ退社。エンツォ・フェラーリのこのような姿勢は、やはり、そのクルマにも現れている気がしてなりません。

文明のポルシェ・文化のフェラーリ

私的見解ですが、ポルシェは文明の象徴です。あくことなき機能の追求。最新のポルシェは昨日のものより優れている。これは文明の姿です。対するフェラーリ。機能もさりながら官能を大切にしている。新しいバイオリンが古いものより良いとは限らない、これは文化の法則です。

(初出 カー・マガジン477号/連載第25回)

ポルシェとして最初にとりあげるカタログを何にしようか、かなり迷いました。おぼろげに356とは考えていましたが、356のカタログにも種類があります。356は初期にこそ立派なカタログが用意されているものの、356Bや356Cなると、比較的ページ数の少ないものが多くなります。356Bで今回とりあげたカタログのように20ページ近いものは珍しいと思い、とりあげることにしました。更に、当カタログにはカレラ2の記載もあります。カレラ2には単独のリーフレットがあって、そちらはオークション等にも時折出品されています。今回のカタログの見所のひとつは、後からわざわざ手作業でページを追加してカレラ2を紹介している点です。

●サイズ(縦×横)205×293mm ●全18ページ

当コラムでフェラーリ250LMのカタログをとりあげました。ポルシェではたまたま917のカタログが手許にありますので、959と併せ、いずれご紹介したいと考えています。また、もう一箇所のキャプションでふれたごく初期の356のカタログは、写真ではなくイラストが多用され見応え充分。そちらも、折を見てとりあげる予定です。ポルシェのカタログが大判で立派になるのは1972年前後のこと、今後の自動車型録美術館をどうぞおたのしみに。

プロフィール●板谷熊太郎
幼いころからのクルマ好き、実車よりもカタログや書籍などの紙モノに魅かれる変わり者。カー・マガジンの『自動車型録美術館』の他、姉妹誌モデル・カーズにも『自動車博物記』を連載中。