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女性的美しさが際立つA/TのジュリアALFA ROMEO 2000 GTV

ヒストリックカーを愛するオーナーはここ数年増え続けている。だがこうしたクルマを日常的に使っている方となると、かなり少ないだろう。ここでは普段から旧いクルマとの生活を愉しんでいる、素敵なオーナーを紹介しよう。

TEXT / 中島秀之 PHOTO / 奥村純一

普段からヒストリックカーに
乗っています!

東京都にお住まいのM.TANAKAさんの愛車は、1975年式のアルファロメオ2000GTVだ。男臭いイメージがあるジュリア・クーペの最終モデルだが、この個体はシルバーのボディにベージュの内装という珍しい組み合わせで、女性オーナー車らしい優しい印象に満ちている。

元々オーストラリアに新車で渡った右ハンドル車で、最初からZF製3速A/Tを装備していた。同時期に作られたサルーンの1750/2000にA/Tがあったのは書籍でも確認できるが、クーペのGTVでもオプションで選択できたのだろう。おそらく生産台数は極めて少ないと思われる。

この個体は彼の地でおばあさんが乗っていたそうだが、日本に輸入された後暫く放置されていたものを、M.TANAKAさんの友人が購入。それを気に入ったM.TANAKAさんがその旨を伝えていたところ、手放す時に声をかけてくれ、入手することができたという。今から10年ほど前のことだ。

ご自身にとっては久々の車両購入だったそうだが、実はM.TANAKAさんのご主人は、アルファロメオ2000トゥーリング・スパイダーや4Cなどを所有されるエンスージァストで、当時はまだ結婚前だったものの、ヒストリックカーに対する不安は感じなくて済んだようである。

元々M.TANAKAさんは運転がお好きで、マニュアル車でも問題なく運転できるどころか、ご主人とヒストリックカーのイベントに出かける時には、交代でトランスポーターまで運転されるとのこと。このためMTでも良かったそうだが、クラッチを踏む足が届かないことと、何よりこの個体を気に入ったため、迷わず購入されている。

しかもこの2000GTV、非常に優秀だった。真夏の渋滞でもオーバーヒートすることもなく、故障は皆無に近いそう。今でこそ暑さが酷い夏場はあまり乗らないとのことだが、かつては年間1万kmくらい乗られたそうだ。購入時3万kmだった走行距離はもうすぐ8万kmに達するというから、いかに普通に使われているかがわかる。

5年ほど前に外装を同色で塗り替え、最近内装を同じ色のレザーで張り替えたそうで、その際パイピングをグレーに変更。元々付いていたブラウンのシートベルトとの相性も抜群で、実にお洒落で良い雰囲気に仕上がっていた。

またCピラーの蛇のエンブレムは緑色が抜けていたため、M.TANAKAさんがピンクのポスカ(!)とマニュキュアコート剤で色を変更しているが、これもまたよく似合っていた。

「アクセルの踏み方と加速の仕方のリニアさや、ステアリングのダイレクトさが旧いクルマの良さと思います。今のクルマは機械に支配されているようで、好きになれないんです」と言われるM.TANAKAさん。今後は、「右ハンドル用のインパネ上部が再生産されたら交換したいのと、可能ならクーラーを付けたいです」とのことだった。

美しい女性がこんな素敵なクーペを運転しているのを見かけたら、その日一日得した気分になりそうだ。これからもぜひ大切にしていただきたい。

ベルトーネ(オリジナルデザインはジウジアーロ)による美しいデザインは今見ても新鮮。2000GTVはオーバーライダー付バンパーや大型テールランプを備える。新車時と同じ色で一度再塗装されている。

2000GTVは1971年に登場。フロントグリルは盾を含めて横桟基調となった。

ホイールは純正スチール+キャップ、タイヤは165/80R14のヨコハマS-208が装着されていた。

オーナー自ら、ポスカとマニュキュアのコート剤で蛇をピンクに塗り替えたCピラーのエンブレム。

伝統のアルファ・ツインカムは排気量を1962ccに拡大。機械式インジェクションを備えた北米仕様など以外はウェーバー40 DCOE 32ツインキャブ装備で131㎰/18.2kg-mを発揮した。

インパネは専用デザイン。速度計と回転計の間に燃料計と水温系、その下に警告灯。ステアリングはパーソナル。

新車時から内装色はベージュで、シートベルトはブラウンだったとのこと。

同色の革で張り替えた際に、パイピングと段の部分を外装色に近いグレーにしている。このため実にエレガントな雰囲気。

助手席に乗るご主人の要望で常時装着されているという扇風機。クルマに負荷をかけないクーラーを装着したいとのこと。

かなり広いトランクには、最低限の工具とジャンプコード、アルファの傘などが搭載されていた。

OWNER/M.TANAKAさん

気候がいい時は2000GTVで出かけるというM.TANAKAさん。重いステアリングも「慣れれば全然平気です」とのこと。カフェ・ド・ジュリアには毎年参加されているそうだ。