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フレンチAセグハッチバックの直接対決!RENAULT TWINGO vs PEUGEOT 108

現行型のルノー・トゥインゴは2014年にフルモデルチェンジした3代目。同年にデビューしたプジョー108は日本に正規輸入こそされていないが、フランス本国では同じAセグメントに位置するガチのライバル車だ。今回、この2台をわが国で実際に乗り比べる機会を得た!

TEXT / 森口将之 PHOTO / 宮越孝政
SPECIAL THANKS / ルノー・ジャポン(http://www.renault.jp/), YMワークス(http://www.ymworks.com/

フレンチAセグハッチバック直接対決!

RENAULT TWINGO INTENS

コロンと丸くて可愛いフォルム
淡いボディカラーもGOOD!

日本には2016年9月から導入された3代目トゥインゴ。

3代目トゥインゴはRRレイアウトとなって、5速M/Tと6速EDC(エフィシエント・デュアル・クラッチ)仕様が用意された。組み合わせられるエンジンもEDCはEDCが0.9リッターターボ、M/Tは1リッター自然吸気だ。最高出力と最大トルクはターボが90ps/13.8kg-m、自然吸気が71ps/9.3kg-mとそれなりの開きがある。

フランスで2つのパワートレインに試乗したときは、自然吸気M/Tはもう少し力が欲しいと感じた。でもそれは日本より加減速にメリハリがあるフランスゆえの感想で、日本の道では力不足には感じなかった。3気筒ならではのフレキシブルさを実感したほどだ。

リアエンジンなので、エンジンを回しても音が気にならないのもいい。これはフランスでも体感したこと。タコメーターがないので回転数は分からないけれど、100km/hは4速でも気にならず。3速でやや耳につく程度というのは、フロントエンジンの1リッタークラスでは考えられないことだ。

もちろんターボEDCの美点もある。それはいろんな部分でラクだということ。パワーやトルクに余裕があるし、常に最適なギアをセレクトしてくれるうえに、エアコンやヘッドライトがオートになることも大きい。

もうひとつ、ターボエンジン搭載車はパワーステアリングがバリアブルレシオになる。切っていくほど鋭くなっていく設定で、ビックリするほどの最小回転半径は同等ながら、自然吸気では4回転近かったロックtoロックは3.5回転ぐらいまで減っている。これもラクな要素になっているのだ。

RRレイアウトを採用したことで、最小回転半径4.3mという、軽自動車も顔負けの小回りを実現している。
反射鏡の左側にある小さい黒い丸型のアイテムがバックソナー。女性ドライバーにとっては頼りになる装備品だ。
サイドモールの上部にはクロームメッキが施され、高級感を演出。
15インチのアルミが奢られる。流行りのクロームとブラックのツートーンカラーを採用。
低速トルクに優れ、EDCとのマッチングも良くスムーズな走りを実現する0.9リッターターボユニット。JC08モード21.7km/hと優秀な数値。
送風孔、ダッシュボードだけでなくステアリング・スポークにも配されたボディ同色のカラーが乗り手を楽しい気持ちにさせてくれる。
クレイドルの採用により思い切ったデザインが可能となったセンターコンソール。
モノトーンでまとめられたシートは、カジュアルな雰囲気。サイズが大きめというコダワリはルノーらしい。
カワイイデザインのヘッドレストを採用。
荷室容量は少ないが、リアシートを垂直に立てられる仕組みを持つ。

SPECIFICATION
RENAULT TWINGO INTENS
全長×全幅×全高:3620×1650×1545mm
ホイールベース:2490mm
トレッド(F&R):1455mm
車両重量:1010kg
エンジン:直列3気筒DOHCターボ
総排気量:897cc

最高出力:90ps/6000r.p.m.
最大トルク:13.8kg-m/2850r.p.m.
トランスミッション:6速EDC
サスペンション(F/R):ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤ(F/R):165/65R15/185/60R15

PEUGEOT 108

オーソドックスなボディフォルム
完成度では一歩リード

2014年にデビューしたプジョー108は、先代107に続き、PSAグループとトヨタ自動車が共同開発したモデルで、チェコにあるTPCA(トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモビル)で生産されている。ルノーとダイムラーの提携から生み出されたトゥインゴとバックグラウンドは似ている。こちらは兄弟車としてシトロエンC1、トヨタ・アイゴがある。

プジョーが初めてFFを実用化したのは1965年発表の204。フランス初の横置き前輪駆動でもあった。このときライバルだったのがRRのルノー8。当時はもちろん204のほうが革新的と見られていた。

ところがあれから半世紀が経過して、スモールカーのほぼすべてがFFになると、逆にRRのトゥインゴのほうが革新的に思えてしまうのだから、時代の流れって面白い。

でも長い間スモールカー=FFという状況に慣れてきた人たちにとって、RRは果たして良いのかどうか、気になっているはず。そこでフランスでライバル関係にあるプジョー108が並行輸入されたのを機に、比較してみることにした。

2台を並べると、108のほうが小柄なことが分かる。スペックを比べると、長さは145mm、幅は35mm、高さは85mm、108が下回るのだ。ただし取材場所で試してみると、小回り性能はやはりRRのトゥインゴのほうが上だった。

当然ながらプロポーションも違う。ノーズにエンジンがないトゥインゴはキャビンが前寄り。それに比べると108はオーソドックスな2BOXフォルムだ。

108のインテリアは、メーターやエアコンスイッチのデザインが凝っていて、トゥインゴとは違うテイストで楽しませてくれる。運転席に座ると、インパネが高く、床が低く感じる。後席はひざの前も頭上もトゥインゴのほうが広いが、これはボディサイズの違いもあるし、108は床が低さを生かして立ち気味の着座姿勢としているという考え方の違いもある。

今回試乗した108は、1リッター3気筒自然吸気エンジンと5速ETG(シングルクラッチ2ペダル)というパワートレインで、トゥインゴのM/T仕様に近い。英国仕様で比べる限り、車両重量も大差はない。なので加速に不満はなかった。

この種のトランスミッションで気になる変速時の減速感も、軽さのおかげかあまり気にならず。ただアクセルペダルを大きく踏み込むとエンジン音が響いてくるところは、RRのトゥインゴとの違いだ。

そのトゥインゴから乗り換えると、108のハンドリングにはホッとした。慣れ親しんだ前輪駆動ならではの親しみ感、安心感があったからだ。とくにステアリングは、操舵している感覚や路面の感触がしっかり伝わってきて好ましい。直進安定性も、前が重いので当然ではあるが、FFにアドバンテージがある。

乗り心地はどちらも固めだが、その中で108はプジョーらしいしなやかさを表現できていた。手馴れたFFなのでチューニングのノウハウがあることも関係しているだろう。逆に言えばRRながらルノーらしいフラット感を手にしているトゥインゴはたいしたものだ。

取材の日までしばらくトゥインゴに乗っていたこともあって、FFの特徴や美点を再確認。選択肢があるとクルマがより楽しくなることを改めて感じた1日だった。

オーソドックスな2BOXフォルムを持つエクステリア。クロームで縁取られたフロントグリルと、猫科の動物を思わせる特徴のあるヘッドライトにプジョーらしさを感じる。
今どき軽自動車でもなかなか見られなくなった14インチ。スチールホイールにホイールカバーの組み合わせ。
1リッターNAユニットは、パワーはないが実用域のトルクが厚く扱いやすい。
トゥインゴと比べると、カラーもデザインも平凡に見えてしまうコクピット。ステアリングの奥に備わる独立したメーターは特徴的。
センターコンソール上部にはタッチパネル式のディスプレイ、その下にエアコン、更に下にシガーソケット、USB、AUX端子が備わる。
NA1リッターに組み合わされるトランスミッションは、5速M/Tと5速ETGの2種類。今回の試乗車は5速ETG。
タータンチェックとブラックのコンビシート。平凡な造形ながら座り心地は良い。
平面な作りに見えるが、座ると絶妙に沈み込み、自然と身体が固定される。
開口部から下に広い荷室。容量は大きいが、重い荷物は注意。

SPECIFICATION
PEUGEOT 108 ACTIVE
全長×全幅×全高:3475×1615×1460mm
ホイールベース:2340mm
トレッド(F/R):1425/1420mm
車両重量:915kg
エンジン:直列3気筒DOHC
総排気量:998cc

最高出力:69ps/6000r.p.m.
最大トルク:9.7kg-m/2850r.p.m.
トランスミッション:5速ETG
サスペンション(F/R):ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤ(F&R):165/65R14