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魔法の絨毯に魅せられて、新旧ハイドロ2台持ち!CITROËN CX & C5

趣味車と実用車が新旧ハイドロ系シトロエンだったら? そんなシトロエン乗りの夢を叶えたオーナーにフォーカス。それは理想の組み合わせだった!

TEXT / 遠藤イヅル PHOTO / 山本佳吾
SPECIAL THANKS / 福田晃治氏

魔法の絨毯に魅せられて、新旧ハイドロ2台持ち!

実用で毎日使う「アシグルマ」と、「趣味のクルマ」を持つことはクルマ好きなら誰しもが憧れる夢。クラシックカー+実用車、ヤングタイマー+現代のクルマなどなど、組み合わせはいろいろで、「同じメーカーのクルマ」というパターンもあるだろう。

東京・秋葉原で歯科医院を開業している福田晃治氏は、シトロエンを2台持つ。趣味車はCXで実用車はC5だが、この2台にはある共通項がある。それはハイドロニューマチック車ということ。厳密にはC5は電子制御版ハイドロの「ハイドラクティブ3+」が正しいが、ハイドロ系搭載車には間違いない。しかも残念なことに、その最後を飾るクルマになるかもしれない。

福田氏は以前シトロエンBXやエグザンティアも所有しており、シトロエンのハイドロニューマチックの乗り味を熟知していた。2005年にシトロエン専門店「JAVEL」に足を運んでCXのワゴン版であるブレーク(もしくは英国仕様のサファリ)の購入を検討したところ、乗り心地に関して、セダンのパラスのほうが求めていたイメージだった。そこで丁度ドイツから上陸していた1985年式プレステージュを手に入れることを決めた。プレステージュはホイールベースが伸ばされたいわゆるリムジンで乗り心地がパラスよりさらに良く、好みだったシリーズ1だったことも購入を後押しした。

納車時にはエンジンをオーバーホール、ボディは鈑金修理と再塗装してリフレッシュ。エアコンも冷媒をR134aに変更、電装系も国産オルタネーターに換装するなど強化を行って古いクルマの日常使用に耐えるように整備が行われたほか、JAVELのオプションメニューから本革巻きのステアリング、HIDヘッドライト、オーディオやスピーカーのレベルアップ、リアには後付けクーラーを設置するなど、オリジナルにこだわらない使い勝手重視のモディファイも追加されている。CXはフランス大統領も乗った大型車だが、そこはフランス車だけあって高級車でありながらもどちらかというと「大きな実用車」の側面も強く、日常の使用でもとても便利で、気負いもあまりいらないのも魅力だ。

その後2010年に2台目としてエアコンが効くクルマであるスバルWRX STI Aライン(A/T)を購入。以降は2台体制となった。福田氏は古くからラリーを行っていて、今でもNB型ロードスターでデイラリーに参戦するなど実は走るクルマも大好きなのだ。後にWRXはM/TのBRZに買い替えたが、BRZだと増えた家族への対応が難しくなり、また奥様も運転するということでリアドアがあり実用的でクラッチレスの現行型パンダにさらに乗り換えることになった。ところがパンダだと家族+愛犬2匹+荷物を積むとパンパンになってしまい、結局再び永久動態保存を目指す「実用車」CXの出番が増えてしまったという。

そんな折、JAVELに「2009年式英国仕様C5ツアラーHDi(並行車)」の在庫情報が。慣れ親しんだハイドロ車だし、C5ツアラーの積載力はハンパない。さらにディーゼルターボの魅力は大きかった。そして2017年6月、このC5がやってくることが決まり、ついに福田氏は新旧ハイドロ2台持ちに。購入理由のひとつだった積載力を存分に発揮して、日常のアシとして大活躍を開始している。

このCXは数年前、個人的に運転する機会があった。久しぶりにステアリングを握ったが、浮遊感たっぷりの乗り心地、独特のタッチのブレーキ“スイッチ”、勝手に戻るセルフセンタリングステアリング、フカフカのシート、いつか夢見た未来感に溢れるインパネなどに触れているうちに、個性の塊のようなCXの良さに改めてすっかりヤラレてしまった。でも最新車でもあるC5ツアラーも、タイヤがあるの? と感じさせるほどの浮遊感を誇る。C5もやはりまぎれも無いシトロエンのハイドロ一族なのだ。ハイドロニューマチックを長年にわたり作り続けて来たシトロエンの意地と伝統を強く感じて嬉しくなった。その唯一無二の乗り味、高速道路の驚異的な安楽さ、高い積載力、燃費とパワーのバランスに優れたHDiエンジンを持つ「無敵の魔法の絨毯」C5ツアラーを実用車に、そして古き良きシトロエンらしさが詰まっているリアル・シトロエンたるCXプレステージュを永久保存の趣味車にするという夢のようなハイドロ2台持ちは、かなり理想的でストライクな組み合わせではないだろうか。

そして困ったことにぼくは、現行C5の中古車を検索しています(笑)。元ハイドロ乗りとして、これはストライクカーのひとつ! ヤ、ヤラレたー!

オーナーの福田晃治さんは秋葉原で歯科医院を営んでいて、皆から「いんちょ」と親しみを込めて呼ばれる。デイラリーも趣味。以前はWRXやBRZなども所有。

CITROËN CX 25 Prestige

大統領も愛用したフレンチ・リムジン

DS/IDに替わり1974年に登場した旗艦がCXだ。1989年に後継のXMがデビューして置き換わった。プレステージュはそのストレッチリムジンで、3mを越えるホイールベースはワゴン版と共通。
長いフロントオーバーハングと巨大なキャビンがシトロエンらしい姿を作り出す。逆反りリアウインドウも特徴的だ。ちなみにハッチバックに見えてそうじゃないのは後の旗艦C6と同じ。
15インチアルミホイールはなんとアルファ164用。
レンズカットの美しいヘッドライトはシビエ製。バルブはHIDに換装済み。イエローバルブなのが嬉しい。各種バルブはLED化されており、ウインカーも「へへ」の文字状に光る。
リアのウインカーもシトロエンのエンブレムを思わせる光り方。心憎い演出。
ピラーには「Prestige」の文字が刻まれるが、本来は無地のパネルが装着される。
DS譲りの2.5リッターOHV 4気筒はフロントの低い位置に搭載。トルクフルでありながらしゅるしゅると爽やかに回り気持ちがよい。
ボビンメーターとサテライトスイッチが織りなす「来なかった未来」感にワクワクなインパネ。レクチャーを受けないと操作が出来ない。ルーフにもパネルが。これもワクワク。
カロッツェリアのカーナビがオーナーの自作パネル内にきれいにビルトイン。日常で乗りやすいようにアップデートしているのも維持の秘訣。
このCXはドイツ仕様ゆえ取説やオプションカタログもドイツ語で書かれている。
フロント、リアともにフカフカのファブリックシートの座り心地は抜群。
リムジン仕様なのでリアシートの足元は子供が相撲を取れそうなほど広大。

SPECIFICATION
CITROËN CX 25 Prestige
全長×全幅×全高:4900×1770×1471mm
ホイールベース:3095mm
トレッド(F/R):1586/1557mm
車両重量:1695kg
エンジン:水冷直列4気筒OHV
総排気量:2500cc

最高出力:138ps/4000r.p.m.
最大トルク:21.0kg-m/4000r.p.m.
サスペンション(F/R):ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(F&R):195/70R15

CITROËN C5 Tourer

無敵! ディーゼルターボの空飛ぶ絨毯

エグザンティアを継いだミドルクラスシトロエンがC5で、2代目は2007年登場。ワゴンはツアラーと呼ばれる。足まわりはハイドラクティブ3+を備え、滑るような乗り心地を誇る。
CXに比べてしまうとシトロエンの個性が失われた……ように見えるが、長いフロントオーバーハングがシトロエンらしいプロポーションをしっかり与えている。完成度の高いデザインだ。
正規輸入版C5のヘッドライトはプロジェクター式だったため表情が異なる。
足元を引き締めるのはアルミホイール“PERSIQUE”。タイヤサイズは225/55R17。
エンジンは、残念ながらC5には日本に正規では未輸入のディーゼルターボ(HDi)。2リッターながら3.5リッターガソリン車並の強大なトルクを持つ。
英国仕様ゆえスピードメーターがマイル表示。
シートはCXなどの往年のシトロエンのようなフカフカさは消えたが形状と座り心地の良さは見事に継承されている。
黒いシート表皮は正規の「セダクション」に近い印象で、リアシートも快適そのもの。
載力の高いラゲッジルーム。ワゴンボディはシトロエンの伝統。

SPECIFICATION
CITROËN C5 Tourer
全長×全幅×全高:4845×1860×1490mm
ホイールベース:2815mm
トレッド(F/R):1586/1557mm
車両重量:1710kg
エンジン:水冷直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1997cc

最高出力:138ps/4000r.p.m.
最大トルク:34.7kg-m/2000r.p.m.
サスペンション(F/R):ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(F&R):225/55R17