OTHERS

<その他コンテンツ>
ニューカー、ヤングタイマー、クラシック、オーナー、ライフスタイル、
カタログ、100ドロ、ミニカーなどなど
CLASSIC&YOUNGTIMER

個性を競い合ったRR車 国別カタログRR CARS OF THE WORLD

リアエンジン・リア駆動のRR車は今でこそ数える程だが、1950~70年代には世界中で盛んに作られていた。そこで各国のRR車をカタログ的にご覧いただこう!

TEXT / 中島秀之

個性を競い合ったRR車 国別カタログ

GERMANY(ドイツ)

VWやポルシェの故郷には知られざるRR車も多い

VW やポルシェなどから、ドイツ(旧西ドイツ)はRR の本場というイメージがあるが、実はメルセデス・ベンツも戦前に130H/170H というRR 車を生産していた。戦後はBMWやNSU などがRR 車を生産した。

BMW

600
BMWイセッタを元に、後部座席とドアを設け、リアに582ccの空冷水平対向2気筒エンジンを搭載した小型車。1957~60年に生産。
700 LIMOUSINE
700 CABRIOLET
イセッタと共に戦後のBMWの経営基盤を作ったのが700。BMW初のモノコックボディに空冷水平対向2気筒OHV 697cc/30psエンジンを搭載。これにミケロッティデザインの美しいクーペボディを載せ、1959年に発売。その後2ドアセダンやカブリオレ、ロングホイールベース仕様や40ps 仕様も追加。

NSU

PRINZ
戦後オートバイで成功し、1958年に4輪生産に復帰したNSUの最初のモデル。583ccの空冷2気筒エンジンをリアに積むマイクロカー。
PRINZ 4
1961年にプリンツがプリンツ4に発展。ボディは一回り大きく、60年代らしいものになった。598ccの2気筒エンジンは30psを発揮。
PRINTZ 1000/TT/TTS
プリンツ4の車体を延ばして直4 OHC 996cc/40psを搭載した1000は1963年登場。スポーツモデルの1100TT/TTSや1200TTも存在。
SPORT PRINZ
プリンツにベルトーネ・デザインのクーペボディを与えたのがシュポルト・プリンツ。1959~67年に生産。エンジンは583cc、後期は598ccだ。

GOGGOMOBIL

T250/300/400
TS250/300/400
グラース社が1955~69年に生産したゴッゴモビル。同社は大型セダンまで発売するが1966年にBMWに吸収された。T250/300/400は空冷2ストローク直2エンジンを載せるセダン。TS250/300/400 はそのクーペ。

NSU/FIAT(NECKAR)

WEINSBERG 500
1929年以来フィアット車を生産していたNSU/FIAT(1960年からネッカーに社名変更)は、1959年からフィアット500に独自のボディを載せたヴァインスベルグを生産。セダンとクーペがあり1963年まで作られた。

TOPICS

量産水陸両用車

AMPHICAR 770
1961~68年に3800台余が生産されたアンフィカー770は、レジャー用の水陸両用車。ハンス・トリッペルが設計しIWK社が製作。多くが北米に輸出された。リアに搭載されるエンジンはトライアンフ製の直4 OHV 1147ccで43ps。陸上用と水上用のミッションがあり、水上では2基のスクリューで推進した。車名は水陸両生のアンフィビアスとカーの造語。770は水上の最高速度7ノットと陸上の70mphを意味していた。

世界初のロータリー車

NSU WANKEL SPIDER
ヴァンケル博士が発明したロータリー・エンジンを搭載する、世界初の市販車がNSUヴァンケル・スパイダー。ベースはシュポルト・プリンツで、リアに500cc(前期50/ 後期54ps)の1ローター・エンジンを搭載。1964~67年に2375台が作られた。NSUではこの後継車として、497.5×2で115psの2ローター・エンジンを搭載したFFセダンのRo80を1967年に発売するが、1969年にVW傘下に入った。

ITALY(イタリア)

500、600、850ベースの多くの派生モデルが存在

イタリアには、1950~70年代にかけて、フィアット500、600、850という大量生産されたRRのベーシックカーが存在した。このためその派生モデルが大量にあり、少量生産車も多く、全てを紹介しきれない程だ。

AUTOBIANCHI

BIANCHINA
アウトビアンキはフィアット500ベースでやや高級志向のビアンキーナを1957年から発売。トラスフォルマビレ(キャンバスルーフ)、カブリオレ、ベルリーナ、パノラミカ(ワゴン)、フルゴンチノ(バン)などが用意された。
STELINA
アウトビアンキが僅か1年間だけ生産した2座オープンカー。ベースはフィアット600Dで、ボディはFRP製。エンジンは767cc/32psだった。

ACMA

VESPA 400
ヴェスパのピアジオ社が設計し、フランスACMA社が1957~61年に生産したヴェスパ400。空冷2気筒394cc/14ps エンジンを搭載。

FRANCIS LOMBARDI

OTAS GRAND-PRIX
フランシス・ロンバルディ社がフィアット850を元に開発したスポーツカー。オータス社やアバルトでも、エンジンが異なる同型車を販売した。

MORETTI

500 COUPE
モレッティ社はフィアットベースの改造車を多く生産。これは500ベースのクーペの後期型で1965年から生産。595SS仕様も存在。
850 SPORTIVA
モレッティは850ベースでもコンプリートカーを開発。これはその中でも特別スタイリッシュなスポルティーバ。1967~71年に300台程生産。

ABARTH

500
595
695
フィアット500ベースのアバルトもバリエーションが豊富だ。最初は1957年に21.5psのアバルト500が登場。1963年には排気量を拡大した27psの595、更に1964年には32psの595SSと695、38psの695SSも誕生。そして1965年には、トレッドを拡大しワイドフェンダーを与えた695SSアセット・コルサも追加されている。
ABARTH-SIMCA
600系850系以外のアバルトを紹介。これはシムカ1000ベースのアバルト・シムカ。1.3リッターDOHC/132psエンジンだが、1600や2000もあった。

VIGNALE

SPIDER GAMINE
カロッツェリア・ヴィニャーレが1967年に、フィアット500をベースに開発・販売したスパイダー・ガミーネ。クラシカルなデザインが特徴。

SAVIO

600 JUNGLA
カロッツェリア・サビオが600Dを元に、1965~74年に3200台程生産したユングラ。1969年からはSEAT製エンジンを搭載した。

FIAT

126
1972年に500の後継として登場。594cc/23ps から652cc/24psとなり1980年まで生産。ポーランドで2000年まで生産された。
850 SERIES
1964年誕生のフィアット850。ベルリーナに続きクーペとスパイダーも登場。843ccエンジンは40~52ps、1968年に903cc/52psも登場し、1972年まで生産。

FRANCE(フランス)

ルノー、アルピーヌ、シムカ、それ以外にRR車は少ない

フランスはルノーと、それをベースとしたアルピーヌ、更にフィアット系をルーツに持つシムカに多くのRR車が存在する。それ以外ではシムカをベースとしたCG1000/1200Sがあるくらいだろう。

CG

シャップ兄弟とジェサランが作ったCG。1966~74年にシムカベースの1000クーペ/カブリオレと1200Sクーペ/カブリオレ(85ps)を生産。

AUSTRIA(オーストリア)

先進技術を持つあの会社がフィアットを生産していた

オーストリアのシュタイア-プフは、かつての子会社マグナ・シュタイアの4WD技術やピンツガウアーの生産などで知られるが、1950~60年代にはフィアット車に独自のエンジンを搭載した車両を生産していた。

STEYR

STEYR-PUCH 500D/650TR
フィアット500のシュタイア-プフ版はエンジンが独自の水平対向2気筒で、リアサスもスウィングアクスル。650TRは660cc/27psだった。

SPAIN(スペイン)

親会社とは異なる独自のモデルも開発

現在VW傘下のセアトは、1950年にフィアットの子会社として設立、1953年からライセンス生産を開始した。基本的にエンブレムや意匠を変えただけのモデルだが、独自開発したモデルも数種類販売されている。

SEAT

800
セアトがフィアット600/600Dを独自に4ドア化したのが800。エンジンは633/767ccのままで、ボディが少し長い。1964~67年に生産。
850(4DOOR)
セアトではフィアット850ベルリーナ・ベースの4ドアも1967~74年に生産された。フロアを15cm延長して作られており違和感は全くない。
133
1974~82年に作られたセアト133は完全オリジナル車。127(FF)より僅かに小さいボディのRR車で、エンジンは850用の843ccまたは903cc。

UNITED KINGDOM(イギリス)

インプ系の仲間以外はあのタイムマシーンだけ!?

イギリスのRR車はヒルマン・インプと、ジネッタG15を含むそのバリエーションが中心で、それ以外はほとんどない。唯一の例外が、元GM副社長のジョン・デローリアンが、北アイルランドの工場で生産したデローリアンDMC-12だろう。

DELOREAN

DMC-12
本社はニューヨークだが、ロータスの協力を得てイギリスで作られた。X型バックボーンフレームのリアにPRV製2.85リッターV6エンジンを搭載。ジウジアーロデザインのボディにはステンレスが貼られる。

USA(アメリカ)

最初で最後の純アメリカ製RR車

1960年は米ビッグ3からコンパクトカーが発売された年だが、GMは他社と異なり、空冷フラット6をリアに搭載したコーヴェアを発売。当初人気を博したが、欠陥車疑惑などにより人気を失い70年代を前に姿を消した。

CHEVROLET

CORVAIR SERIES
コーヴェアは2.3~2.7リッターエンジン(過給機仕様も存在)を搭載。セダン、クーペ、コンバーチブル、ワゴンなどボディは多彩。1965年にビッグマイナーチェンジしている。

INDIA(インド)

インド国民車構想の賜物

インドは長い間、イギリスやイタリアの1960年代製モデルをベースにした車両の生産を続けてきた。だがタタ・モーターズが独自車両の生産を始め、その目玉車種のナノはRRを採用。

NANO
GENX NANO
2008年発表のタタ・ナノは10万ルピーカー構想の元開発された低価格モデルで、装備を簡略化したRR車。エンジンは623cc直2 SOHCで34ps。だが売れ行きは芳しくなく、次第に装備を高級化。2015 年にはGenx Nano(約20万ルピー~)に発展した。

JAPAN(日本)

自家用車普及の急先鋒はRRの軽自動車だった

戦後の日本は昭和30年代になって、ようやく自家用車の普及が進んだ。その主役となったのが軽乗用車で、この時代多くのRR車が存在した。普通車は少なかったものの、今見ても個性的なモデルが多かった。

SUBARU

360
国民車構想を実現する形で富士重工が1958年に発売したスバル360。空冷2サイクル直2エンジンを搭載。爆発的ヒットとなり1970年まで生産。
R2 (Sr.I)
スバル360の後継として1969年に誕生。愛らしいスタイルだったがライバル車に苦戦。水冷エンジン車を追加したものの3年で生産を終えた。
REX (Sr.I)
70年代の高級化路線に乗って1972年に登場。全水冷化され4ドアも用意。1976年に500cc、翌年には550ccに拡大。1981年まで生産された。

HINO

CONTESSA 900
日野はルノー4CVの生産で実力を付け、1961年に独自開発のコンテッサ900を発売。水冷直4 OHV 893ccエンジン搭載。スポーティなSも存在。
CONTESSA 1300
1964年に1251ccエンジンのコンテッサ1300に進化。セダンとクーペがありボディはミケロッティがデザインを担当。1967年に生産を終了。

MITSUBISHI

500
600
戦後三菱最初の自社開発車は1960年発売の三菱500。空冷直2 OHV 493cc/21psエンジンをリアに搭載。4輪独立懸架を採用。1962年には後継車コルト600が登場。前年500に搭載されていた594cc/25psエンジンを踏襲。1965年まで生産された。

MAZDA

R360 COUPE
CAROL (Sr.I)
オート3輪から1960年発売のR360クーペで乗用車メーカーに転身した東洋工業。R360は空冷Vツインだったが、1962年発売のキャロルは静かな水冷直4 OHV エンジンの上、この時代の軽としては貴重な4ドアもあり、人気を集めた。共に1970年代を前に姿を消した。

SUZUKI

FRONTE (Sr.II)
スズキはFFの初代フロンテから一転、1967年登場の2代目はRRを採用。曲線ボディに2ストローク3気筒エンジンを搭載。
FRONTE (Sr.III)
1970年登場の3代目フロンテは車内スペース拡大や高性能化を実現。水冷エンジン仕様も登場しバリエーションを拡大した。
FRONTE (Sr.IV)
1973年登場の4代目フロンテまでがRR。4ドア仕様も登場し、水冷に統一。1976年に450cc、1977年に550ccとなった。
FRONTE COUPE
1971年に3代目フロンテをベースに、ジウジアーロ・デザインの2+2クーペが誕生。水冷2ストローク3気筒エンジンは最大37psを発揮した。
CERVO (Sr.I)
1977年に新軽規格に合わせてボディを拡幅し、539cc/28psエンジンを搭載したセルボとして再登場。最後の国産RRとして1982年まで生産。

TOPICS

大手より先に作られた軽自動車もRRだった!

FLYING FEATHER
1955年、住江製作所が発売したフライングフェザーもRR車だった。徹底的に簡素化された内容で車重は約400kg。エンジンは空冷4サイクル350cc VツインOHV/12.5ps。商業的には失敗に終わった。