OTHERS

<その他コンテンツ>
ニューカー、ヤングタイマー、クラシック、オーナー、ライフスタイル、
カタログ、100ドロ、ミニカーなどなど
100万円でドロ沼に陥る!?

2面性を備えた高値の花DAIMLER SUPER V8

編集部員がこれは! と思った趣味グルマを紹介する『100万円でドロ沼に陥る!?』。ここでは当コーナーでの視点では定番といえるモデルを取り上げます。時代のニーズとは真逆を行く、ビッグサイズの大排気量車はいかが?

TEXT / 中本健二 PHOTO / 山本佳吾
SPECIAL THANKS / ナカオワークス

当コーナー、”100ドロ”の楽しみ方といえば、危険と知りつつも俺だったら大丈夫! と根拠があるようでない自信を持って後先考えずに飛び込むこと。またはそんな挑戦を傍から見て楽しむこと。そしてデビュー当初は高嶺の花と諦めていたクルマを手に入れることなどが挙げられる。

高嶺の花シリーズで100ドロの常連と言えばジャガーXJ。今回はX308型と呼ばれる世代のXJシリーズの中から、バッジエンジニアリングで生み出されたフラッグシップモデル、デイムラーのスーパーV8を紹介したい。XJのボディにはスタンダードとロングホイールベース(LWB)版が用意されていたが、デイムラー版はLWBのみのラインナップで全長は5150mmに及ぶ。それでいながら全高は1380mmと低く抑えられているため、伸びやかで流麗なプロポーションが際立ち、このデザインだけでもスーパーV8を選ぶ理由になるほどだ。

しかし当然ながら車内空間にしわ寄せが及び、同時代のメルセデスのSクラスやBMWの7シリーズと比べれば余裕はない、というかむしろ狭い。しかしそれは比較しての話であり、スーパーV8単体で見れば十分すぎるほどだ。有り余る実用性より、必要なスペースを確保してあとはデザインを優先する。その心意気はむしろ歓迎したい。そんなことを思うのは、次世代モデルのX350では車高が上がり、ヘッドクリアランスに余裕が出来たことで実用性は高まったが、プロポーションでは”攻め”の姿勢が弱まった。確かにXJらしさは継承されているが、独自路線を行く個性は薄まったようにさえ思える。

5mを超えるボディを動かすのは、XK8に積まれた4リッターのV型8気筒にスーパーチャージャーを組み合わせたもの。先代のV12を超える動力性能を備え、最高出力は375psを誇る。走り初めから芳醇なトルクを堪能でき、スロットルペダルに乗せた右足に力を込めれば、シートが体に押し付けられるほどの加速も体感可能だ。そんな目まぐるしく加速するシーンでも、車内は静かさを保ち、車外の喧騒とは隔絶された居心地の良さを感じられる。

時にはドライバーズシートで有り余る動力性能に酔いしれ、そして時には毛足の長いウールカーペットとコノリーレザーのシートに身を委ねる。そんな2面性を備えた高値の花を、気軽に体感できる今や絶好の機会だ。

スーパーV8とは?

1997年にデビューしたジャガーXJシリーズの4代目、X308型の最上級モデルで、スーパーチャージドの4リッターV8エンジンを搭載する。ジャガーブランドではソブリン4.0 V8となる。なお前モデルのX300型に用意されていたV12はX308では用意されなかった。

贅を尽くした快適な空間

ウッドとレザーが多用されたインテリアに古臭さはなく使い勝手も良い。所々にヤレはあるが、致命的なダメージは見られない。直立気味のステアリングに好みは分かれるがジャガーらしさを感じさせるポイントともいえる。

有り余るトルクで余裕の走りを堪能

エンジンは、先に登場したXKに搭載されて好評を博したV型8気筒ユニットAJV8にスーパーチャージャーを組み合わせ、最高出力は375psを誇る。
シフトセレクターは特徴的な”Jゲート”だ。5速となる。

フラッグシップに相応しい
専用装備とデザイン

デイムラーの特長ともいえるフルーテッドグリルがフロントマスクのトピック。ホイールもデイムラーの専用デザインで、タイヤは235/50R17を履く。ダッシュボード中央には”Daimler”のロゴがデザインされたアナログ式の時計が備わる。開口部が広く、左右、奥行きとも十分だが、天地方向はそれほどではない。

実≦質の潔さ

ベースとなるXJには通常ボディとLWB版が用意されているが、デイムラーはLWBのみで、全長は5150mmに及ぶ。それでいながら全長は低く抑えられているため、のびやかで美しいプロポーションを持つ。有り余る車内空間よりも、デザインを優先するセンスもまたこのクルマの魅力だ。
新車当時は軽く1000万円をこえる高級車であったため、憧れだけで終わった方も多いことだろう。それが今や、乗り出しアンダー100万円でも見つかるのだ! この幸せはぜひ体感したい。

2000年式デイムラー・スーパーV8
車両本体価格:68万円(取材時)
使いやすい度:★★★★☆
濃密度:★★★★☆
ドロ沼度:★★★☆☆