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今も人気の極上スポーツサルーンALFA ROMEO 155

DTM/BTCCで大活躍し絶大なる人気を誇ったアルファロメオ155シリーズ。もっとも発売当初こそFFになって牙が抜けたと揶揄されたモデルでもあった。

TEXT / 武田公実 PHOTO / 佐藤亮太

DTM、BTCCといった
ツーリングカーレースで大活躍!

DTM/BTCCで大活躍し絶大なる人気を誇ったアルファ155シリーズ。もっとも発売当初こそFFになって牙が抜けたと揶揄されたモデルでもあった。

ティーポ本誌の2020年の読者投票で、『アルファ155』が第6位と聞いて、筆者はちょっと意外に思ってしまった。しかも第3位には、後継車である『156』がランクイン。この時代のアルファに懸けるティーポ読者の熱い想いに、今さらながら驚かされたのだ。

でもその情熱はよく理解できる。『164L』からスタートし、『145QV』や『GTV3.0』なども所有。また貸与ながら、『156V6』にも短期間乗っていた筆者も、90年代のアルファ好きとして負けてはいないと自負している。そして所有経験の無い、数少ない90年代アルファである155を今回走らせるチャンスを得て、その想いを再認識することになったのである。

近頃では、間近に見る機会さえ少なくなった155だが、久方ぶりに目の当たりにすると、その個性的なスタイルに目を奪われてしまう。4ドアのベルリーナ・ボディは、あのフィアット・ティーポ一族だけのことはあってパッケージングは極めて秀逸。インテリア/ラゲッジともに広大なスペースを実現している。しかしその一方で、アルファロメオのブランドに相応しくアグレッシブで個性的なデザインは、”醜い(これはホメ言葉である)”アルファ・ベルリーナの最終進化形であることを実感させられる。

しかし、このクルマがエンスー諸氏を惹きつける最大の要因と言えば、やはりその熱きドライブフィールと見るべき。今回ご提供いただいた個体は、1996年モデルの155Q4。『デルタ・インテグラーレ』用のランチア製ターボユニットが、4WDドライブトレインともども移植された最上級版である。

現役時代には、旧き佳きアルファ・ツインカムを横置きFWD用にモディファイした8V時代のツインスパークや、その後継たる16Vツインスパーク。あるいはアルファ“伝家の宝刀”、ブッソーネV6の2.5リッター版と比べると「純血アルファではない」とか「熱さに欠ける」などと言われることもあったQ4だが、今こうして乗ってみると、実に魅力的。加速感やサウンドも申し分なく、フルタイム4WDらしい、ややネットリとしたハンドリングも、かえって上質に感じられる。155ファミリーを形成する、ほかのモデルたちとは異なる個性だが、いずれの155も極上のスポーツサルーンであることを実感させられるのだ。

そして155の名声の決定打となったのが、モータースポーツでの活躍。独DTMと英BTCCという、この時代におけるツーリングカー世界頂上決戦で覇権を握ったという事実は、四半世紀以上の時を経た現在においても、本誌読者にとっては決して忘れ得ぬ記憶なのだろう。

現代の路上で使用するにも充分という以上の実用性を保持する傍らで、良い個体を選べば辛口なイタリアンテイストが健在。しかも、そろそろ“クラシック”の領域へと足を踏み入れ始めているアルファ155の読者人気第6位は、ある意味当然とも言うべき結果なのかもしれないのである。

黒を基調とした落ち着いた室内。メーターにはオレンジのレタリングが採用される。

Q4は標準で大きなサイドサポートを持レカロ製のスポーツシートを採用。ヘッドレストとサイドサポート部にはレザーがあしらわれる。

リアシートの室内はヘッドクリアランスがややタイト。左右方向と足元の余裕は許容範囲という程度だ。

ランチア・デルタ・インテグラーレと共通の2リッター直列4気筒DOHCターボユニットを搭載。典型的な高回転型ユニット。

ブラックの星形ホイールは、1995年以降に発売されたワイドボディの後期モデル専用アイテムとなる。

1995年に行われた大幅なマイナーチェンジでTS、V6、Q4と全車ワイドボディを採用し、精悍で迫力あるボディフォルムとなった。

155前期型のナローボディは1990年代車らしいボクシーなボディスタイルで今見ても新鮮に映る。スポーティなイメージで人気のあった155だけに、スッキリとしている前期型は人気が低く、現在の残存数も僅か。

搭載エンジンはどれも魅力的! 

ターボ以外で正規輸入の155に搭載されたエンジンはふたつ。ひとつは高回転まで一気に回る痛快なフィールが身上のツインスパーク(右)。もう一つは低回転域では迫力ある低音を響かせ、高回転域では吠えるような咆哮音を奏でるブッソーネV6の2.5リッター(左)。それぞれ強烈な個性を放っていた。

TOPICS

DTMで大活躍!

イタリアツーリングカー選手権で圧倒的な速さを誇った155GTAで培ったノウハウをベースに、2.5リッターのV6ユニットを新たに換装して作り上げたのが155V6TIだ。DTMには1993~1995年まで参戦し、メルセデスを筆頭にライバルたちと激しい戦いを繰り広げた。1993年はメイクスとドライバーのWタイトルを獲得したが、その後はタイトル獲得には至らないまま撤退している。

プロフィール●武田公実
イタリア車全般、旧車、ロールスやベントレーといった英国の超高級車に造詣の深い自動車評論家。愛車はニューミニのカブリオレ。