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自動車型録美術館

シトロエンGSビロトールCITROEN GS BIROTOR

古今東西の自動車カタログをご紹介します。

TEXT / 板谷熊太郎 TEXT&PHOTO / 編集&撮影者テスト

仏独混血のロータリー、シトロエンGSビロトール

個性的な車種が多いフランスのシトロエンでありますが、フランス車とはいっても、GSビロトールはロータリーエンジンを搭載しているので仏独混血のようなクルマだと思っています。

シトロエンはカタログにもユニークで魅力的なものが多く揃っています。GSも例外ではなく、物語の感じられる素敵なカタログが用意されていました。それらは機会をあらためて紹介させていただくとして、今回は、ある意味最もGSらしいと言えるビロトールを。

革新を好みドイツを嫌うシトロエン。ナチスに協力的だったルノーに対し、侵攻するナチスに備えて2CVのプロトタイプを壁に塗り込めた話は有名です。それほどドイツを嫌うシトロエンですが、ロータリーエンジンに関しては節を曲げてNSUと協業し、ロータリーエンジンの開発を行なっています。GSではサスペンションとエンジンそれぞれに革新を搭載したい、との思いが強く、その具体案がハイドロニューマチックとロータリーエンジンでした。

本来は2CVとDS間のギャップを埋めるためのGSでしたが、ロータリーエンジンはDSよりもコスト高で、しかもDSより燃費が悪い。営業面も不調で売れたのはたったの847台。部品供給が難しくなるとの理由で、シトロエンがそれらの回収に走ったのは周知の通りです。

(初出 カー・マガジン491号/連載第39回)

わたしがリアルタイムで直接海外に依頼して入手したカタログがふたつだけあります。そのうちのひとつはBMW M1のもの。そしてもうひとつが今回とりあげているシトロエンGSビロトールのカタログです。中華思想を連想させる頑ななフランス企業が、ドイツに頭を下げて実現したクルマ、というだけで、わたしにとってシトロエンGSビロトールは特別な存在なのです。そのような個人的思い入れの強さは、カタログの程度にもあらわれています。何度も何度も飽きずに繰り返し眺めた為、入手した時はきれいだったカタログが、今ではすっかりくたびれてしまいました。なぜか魅かれてしまうロータリーエンジン搭載車、いずれ真打のNSU Ro80のカタログもカー・マガジン誌連載ページでご紹介しようと思っています。
●サイズ(縦×横)210mm×267mm ●ページ数 24p

GSビロトールでわたしが好きなのはインストルメントパネルまわりです。初期のGSに見られるような、後のCXにも通じる前衛的なメータ類も嫌いではありませんが、丸メータで構成されるオーソドックスなビロトールのインストルメントパネルは、どこかNSU・RO80の計器まわりを連想させ、このクルマの出自を感じさせるのです。ビロトールのカタログを入手した頃、家の近くにNSU RO80があり、ビロトールのカタログを手に、よくRO80の室内を覗き込んだものでした。

プロフィール●板谷熊太郎
幼いころからのクルマ好き、実車よりもカタログや書籍などの紙モノに魅かれる変わり者。姉妹誌モデル・カーズにも『自動車博物記』を連載中。