OTHERS

<その他コンテンツ>
ニューカー、ヤングタイマー、クラシック、オーナー、ライフスタイル、
カタログ、100ドロ、ミニカーなどなど
自動車型録美術館

アルファロメオ・ジュニア・ザガートALFA ROMEO JUNIOR Z

古今東西の自動車カタログをご紹介します。

TEXT / 板谷熊太郎

緊張感のあるシャープな面構成に魅かれます

高嶺の花が多いザガートボディのアルファロメオですが、ジュニアZには親近感を覚えます。今回はジュニアZ発売時の単独カタログです。

■1300と1600
1985年に創刊されたスタイリングインターナショナルという美術誌に少しだけ縁があり、創刊号でとりあげるクルマの選択を任されたことがあります。アルファロメオのジュニアZを進言し、1300と1600の2台を清水行雄さんの写真でじっくりと描くことができました。スタイリング誌創刊時からの執筆陣のひとりだった徳大寺有恒さんは、仕上がった誌面をみて、1300と1600でボディが違うのか、と驚いておられました。これこそが企画の狙いそのものだったので、徳大寺さんの一言はとてもうれしかったのを覚えています。

■ジュニアZ
ご存知のようにジュニアZという名称は、アルファロメオの105系が改称したGTジュニアに由来しています。GTジュニアに1600が加わった1972年、当初1300だったジュニアZは1600に一本化されます。1972年には、ジュニアZをデザインしたエルコーレ・スパーダが既にザガートを去っていて、そのことは1600ジュニアZのデザインに影響を与えているのではないかと推察しています。

ジュニアZが登場した1969年、エルコーレ・スパーダはぎりぎりザガートに在籍していました。私見ですが、1300と1600それぞれのジュニアZを子細に較べると、やはり断然1300の方が美しいと思ってしまいます。

(初出カー・マガジン481号/連載第29回)

当時のカーグラフィックに1300ccのエンジンだと、箱根で思いっきり走れるのでたのしい、といった趣旨の記事がありました。わたしのまわりではジュニアZのエンジンを2000ccに換装するのが流行っていて、わたしもジュニアZを持つなら2リッターに載せ換える、と考えていました。今では1300のままでもいいな、と思っています。もうしばらくしたら、カタログやミニカーがあれば実車はいいや、となってしまいそうで恐いです。

当時のアルファロメオのカタログでデザイン画の類がこれほど多く掲載されているのは、珍しいと思います。しかも105/115系の一派生モデルとしてGTジュニアのカタログに収められるのではなく、こうして単独の立派なカタログが用意されている。ジュニアZファンにとって、実にありがたいことです。このカタログを入手した頃はジュニアZのデザイナーが誰なのか知りませんでしたが、その後、かのTZなどをてがけたエルコーレ・スパーダの作と判明し、カタログを構成するレンダリングの数々が神々しく感じられるようになりました。
●サイズ(縦×横)280mm×150mm●全22ページ

プロフィール●板谷熊太郎
幼いころからのクルマ好き、実車よりもカタログや書籍などの紙モノに魅かれる変わり者。カー・マガジン誌の他、姉妹誌モデル・カーズにも『自動車博物記』を連載中。