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一時代を築いたブリティッシュ・コーチビルダークレイフォード社の華麗なる歴史

クラシックミニのオープン架装で最もよく知られているクレイフォード社は、他にも英国車を中心に多彩なオープンカーを世に送り出していた。オープンカー史に輝くクレイフォードの軌跡をご覧あれ!

TEXT / 竹内耕太(Kota Takeuchi)
SPECIAL THANKS / Crayford Convertible Car Club(https://www.crayfordconvertibleclub.com

クレイフォード社の歴史は1959年、南ロンドン郊外クロイドンのランブレッタ・トロージャン社において、セールスマンのデビッド・マクマランと、エンジニアのジェフ・スミスが出会った時から始まった。彼らは同社内でスポーツカー、エルヴァ・クーリアのプロジェクトに携わる中で意気投合し、ともに起業を志した。

2人は1台のミニを購入し、昼はランブレッタで働きながら、夜にガレージでコンバーチブルの製作に励み、1962年に第1号車が完成。電話交換局の名前を取って「クレイフォード・オート・ディベロップメント」を立ち上げた。

クレイフォード製のオープン・ミニは大ヒットとなり、64年には全英で16の代理店を抱え、同年にオーストラリアでもライセンス生産が開始された。66年にケチャップやスープでおなじみのハインツ社のキャンペーン賞品として、ウーズレー・ホーネットのオープンモデルを生産したことでさらに評判が高まり、クーペやセダンのオープン化、あるいはエステート化の依頼も激増することとなった。

1971年には南アフリカにも拠点を設け、翌年にはマイクロカーやATV(全地形対応車)を英国へ輸入するビジネスも開始。1973年にドイツとベルギーにも進出し、一大企業へと成長した。

やがて1985年、開発責任者だったジェフがバイク事故で亡くなると、意気消沈したデビッドは87年にクレイフォード社を売却。以降同社はコーチビルドから撤退し、ATVのディーラーとして現在もひっそりと存続している。

1962年、ミニとともに創業

創設者のデビッド・マクマラン氏はランブレッタ・トロージャン社出身。後年に再会したAFO887と。

クレイフォード製ミニの第1号車、ナンバー「AFO887」の62年完成当時の写真。ノーズのデザインが特徴的。

こちらはミニ・クラブマン。なお、クレイフォード初期のミニは10数台しか現存が確認されていないそうだ。

ワンオフで製作されたミニのオープンビーチカー。スペインのヴィラで移動用に使用されたらしい。

ハインツ食品の
キャンペーン賞品

1966 CRAYFORD HEINZ 57
WOLSELEY HORNETS

クレイフォードの名を知らしめ事業拡大の推進力となったのが、ハインツ食品イギリス法人が1965~66年に行ったキャンペーンだ。ハインツのスープ製品をテーマとしたキャンペーンの賞品として、クレイフォードがウーズレー・ホーネットのオープンカーを57台(「57」はハインツのブランドを象徴する数字)だけ専用に仕立てるという、何とも豪勢な企画だった。現在も57台中41台が世界各地に残っており、うち半数が走行可能な状態だと言われている。

1966年、完成したばかりのハインツ仕様ホーネット57台と、クレイフォード社の共同創設者であり開発責任者のジェフ・スミス氏。

ハインツ57賞品車には、ブレクストンのピクニックバスケットや電子ケトル、タータン・ラグや前後シートベルトといった豪華アクセサリーも付属した。

キャンペーンの性質上、当選者のほとんどは女性だったそうだ。

マックスファクターのプロデュースによるメイクアップトレーも備えていた。

コーティナのオープン版なら
おまかせ!

1964 CRAYFORD CORTINA Mk.1
1962~82年に作られたフォード・コーティナは全モデルがベースとなった。当初コンサル・コーティナと呼ばれたMk.1は1964年から50台弱のみ生産。

1966 CRAYFORD CORTINA Mk.2
1966年登場のMk.2にはコンバーチブルと2+2のカブリオレがあり、400台程を生産。内40台余がロータス仕様。

1970 CRAYFORD CORTINA Mk.3
1970年登場のMk.3はピラーが残るサンシャイン・コンバージョンが中心機種に。

1976 CRAYFORD CORTINA Mk.4
1976年登場のMk.4とはセンターピラーが残るコンバーチブルだった。

1979 CRAYFORD CORTINA Mk.5
こちらは1979年登場のMk.5と当時のクレイフォードの社屋。

美しいオープンカーを
続々と世に送った

1965 CRAYFORD CORSAIR CONVERTIBLE
フォード・コーセア(1964~70年)にもコンバーチブルと2+2のカブリオレが用意され、後者はケルンのカール・ドイッチェで生産された。

1968 VAUXHALL VIVA CONVERTIBLE
1966~70年に生産された2代目ヴォクゾール・ヴィヴァ(HB)ベースのコンバーチブル。現存7台と言われ、内2台が2.3リッターのGTとのこと。

1969 MORRIS 1300 CABRIOLET
ADO16の2ドアエステートをベースに作られたカブリオレ。内張のある立派な幌を備える。1969年から僅か12台が生産されただけだった。

1969 CRAYFORD CAPRI
初代カプリ(1969~74年)はリアを大改造され、美しいカブリオレとしてカール・ドイチェでライセンス生産された。36台が作られたという。

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