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EVENT REPORT

かわいさの裏に秘めしは無限の闘志2CVで24時間突っ走れ!

フランス自動車史に燦然と輝くキングオブ大衆車、シトロエン2CV。生産終了から四半世紀が過ぎた今もなお、ガチンコの24時間レースが毎年行われているのだ。しかも2ヵ国で!

TEXT / 竹内耕太(Kota Takeuchi) PHOTO / Jacques Letihon(Belgium), Suzanne Peedell & Maria Cooke(UK)
SPECIAL THANKS / 2CV Racing Teams @ Belgium(http://24h2cv.be/), Classic 2CV Racing Club @ UK(http://www.2cvracing.org.uk/

ベルギー名物、
ドゥーシストの祭典

ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで毎年行われている、2CVの24時間耐久レースをご存じだろうか?

1990年に2CVの生産が終了する以前、85年から開催されているこのレース。すっかり恒例のイベントとして定着し、2016年は10月15~16日にかけて第32回が開催された。エントリー台数は73台。その内訳は、2CVと兄弟車のディアーヌがほぼ半々で、さらに特別枠のシトロエンC1、イギリスから特別参戦の旧ミニが数台ほど混ざっている。

レース前日からサーキットの周りにはキャンピングゾーンが設けられる。エントラントと関係者のみならず、ヨーロッパ各地から2CVオーナーたちが集まってきて、1000人を超えるドゥーシストたちの宴が2泊3日にわたって繰り広げられるのだ。

24時間レース本番では、F1も開催されるスパのコースを小さな2CVの大群が元気よく駆け巡る。とはいえ、もはやほとんど原型を留めていないモンスターマシンが目立つ。

クラス分けは、オリジナルのC(クラシック)クラス、2CV/ディアーヌの602ccエンジンを使わないといけないA(改造)クラス、そしてビザの652ccエンジンを使い721ccまで拡張OKなP(プロトタイプ)クラスと続く。最上位のH(ハイブリッド)クラスは、BMWのR850系モーターサイクル用850ccエンジン(73ps)を搭載し、ボディも全長3950mm×全幅1640mm(オリジナルは全長3830mm×1480mm)まで拡大可能で、最低車重620kgさえクリアしていれば、材料やカタチは一切不問!

そんな中でエントラントの方向も二極化し、実際のところ、ほとんどの2CV&ディアーヌが、ドノーマルのCクラスか、あるいは大人げなく(誉め言葉)手間暇カネを投入しまくったHクラスでの参戦となっていて、気合いの入り方たるや尋常ではない。

ノーマル2CVで仲間と気楽に参加する人も、本気組も、そしてギャラリーである2CVオーナーたちも、一体となって楽しむ雰囲気が魅力の24時間レース。祭典の締めくくりには、スパのコース上のパレードランが待っているのだ。

スパ・フランコルシャン・サーキットのパドックの外には、ヨーロッパ各地から数百台規模の2CVと1000人以上のドゥーシスト(2CVファン)が大集合! スワップミートも開催され、キャンピングゾーンも用意される。
クラシック・フェイスのカスタムやアカディアーヌなど、2CVファミリーが続々と集結。
アミ8にも参戦資格はあるが、近年は出走していない様子。
「C(クラシック)」はボディやエンジンなど基本的にオリジナルをキープする、一番クラシックカーらしいクラス。ロールケージ、シートベルト、ヘルメットなど安全装備は厳密に規定されている。
F1ベルギーGPが行われるスパのコースを2CVが駆け抜ける姿は、痛快の一言だ。
Cクラスで優勝を果たしたのは、オランダチームのディアーヌ。ちなみに総周回数288で、2位と2周差をつけての勝利だった。

やりすぎ上等の
モンスター2CVたち

H(ハイブリッド)クラスはBMW R850シリーズ用850ccエンジン(OHC 4バルブ)を搭載でき、ボディの自由度も高い。もはやベース車が2CVでもディアーヌでも区別はできない。この黄色いのは2CVだそう。
こっちの緑はディアーヌがベース。どうでもいい?
1999年創業のオランダの2CVスペシャルショップ、BURTON社によるキットカーも参戦。
2016年のチャンピオンに輝いたのはベルギーのCGSレーシングチーム。総周回数は373。空力ボディに、2CVの面影はもはやほぼ残っていない。
これは1位と同一周回、34秒差で3位のディアーヌ。2CVの24時間レースの上位クラスで勝つためには、ロングテール化がすでに定石と化している。
ロングテール化にともなって、リアの剛性確保に各チームの工夫がこらされている。
数少ないAクラス(602ccエンジンとミッションはオリジナルをキープ)の2CV。

イギリスでも
2CVレースが定着!

また一方、ドーバー海峡を挟んだイギリスでも、2CVの24時間耐久レースが開催されている。こちらはベルギーの24耐に刺激を受けて1990年から開催されており、やはり長寿イベントとなっている。主催のクラシック2CVレーシングクラブでは、年5回のスプリント&耐久複合チャンピオンシップを開催していて、毎年、24時間耐久レースがその最終戦となる構成だ。

2016年は8月19~21日にウェールズのアングルシー・サーキットで2CV24時間レースが行われた。全部で33台が参加し、イギリスのクラブのマシンが16台、ベルギーからのゲストが9台、旧ミニが6台に、C1が2台という内訳。

アイリッシュ湾と牧草地帯を望む、いかにもイギリスらしいローカルサーキットを疾走する、フランスの大衆車代表、2CV。なかなかオツな風景なのだ。

イギリス版2CV 24耐の舞台となるアングルシー・サーキット。ウェールズ地方北西部のアングルシー島にあり、海と丘に挟まれた美しい風景が特徴だ。ただし横風がおそろしく強いため、ドライバーにとっては過酷なサーキットでもある。
イギリスでの2CV 24時間耐久レースは1990年以来、ベルギーと協力しながら継続している。
Aクラスの車両。このくらいが見ていて安心できる改造レベルと思うのだが、いかがだろうか。
レース開始直後はあいにくの雨。ピットでは各所のチェックに追われる。
夜間のタイヤ交換、シンプルな2CVならそれなりにカンタン?
夜の帳が降りてくるとLEDも駆使して自分の姿をアピール。風の強い夜間の走行が続く、実はハードな耐久レースなのだ。
こちら2台のC1は特別枠での出走。ちなみにセーフティカーはDS3が活躍していた。
C(クラシック)クラスのマシンたちが緩やかにロールしながらコーナーを抜ける、穏やかな光景。