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ワーゲンでバギーの達人になろう!VW DUNE BUGGY &
BAJA BUG

ビートルをベースにした手軽なオフロード・キットカーとして1960~70年代に一世を風靡した、「デューン・バギー」と「バハ・バグ」。ともに愛嬌とホビー感あふれるキャラクターで、今なお多くのファンを魅了し続けている。

TEXT / 竹内耕太 PHOTO / 宮越孝政
SPECIAL THANKS / ケーズコレクション(http://www.ks-vw.com/), ガレージタイプワン(http://www.typeone.co.jp/

今でもキットが新品で
手に入るって知ってた?

エルヴィス・プレスリー主演の『バギー万才!!』(1969)という映画をご存知だろうか? 劇中でカリフォルニアの海岸線を爆走しているのが、ここでご紹介するのとそっくりな、ブラウンのバギーなのだ。

フォルクスワーゲン・ビートルを元にしたバギーは「デューン・バギー」と総称され、近年ではVWザ・ビートルに「デューン」の名を冠した限定モデルが登場したのが記憶に新しい。それらの元祖が、1963年に南カリフォルニアのチューナー、ブルース・メイヤー氏が製作した、VWシャシーにFRP製モノコックボディを組み合わせた「メイヤーズ・マンクス・バギー」である。プレスリーがドライブしていたバギーだ。

その後EMPI impバギーなどのフォロワーを大量に生みつつも、メイヤー氏の会社は71年にキットの製造を停止したのだが、2002年から活動を再開。2016年には往年の「マンクス2」のボディの再生産をスタートしている。

一方、1967年から現在までメキシコのバハ・カリフォルニア半島にて行われているオフロードレース「バハ1000」を舞台に、68年から登場したカスタムが「バハ・バグ」だ(なお67年の優勝はメイヤーズ・マンクス)。

ノーズとテール、それにフェンダーを大胆にカットしたボディキットを装着し、車高を上げて大径タイヤを履いたバハ・バグは、ユニークなルックスも相まって、70年代のアメリカ西海岸の若者たちの間で大流行。その後、世界中に広まり、こちらも、現在でも新品のキットが販売されているのである。

1969 MAYERS MANX BUGGY

いつでもどこでもアドベンチャー!

「上がりのクルマ」という言葉がある。雑誌『モデル・カーズ』出身のマニア系編集者、山田剛久さん(取材時57歳)は、人生の折り返し点を過ぎて、ふと、「健康なうちに本当に欲しいクルマに乗ろう」と決心したそうだ。その対象は、幼少時から憧れていた1960~70年代のバギー。デイリーユースには全く不適合なクルマではあるが、だからこそ、その非日常的な走りを楽しんでおきたいというわけだ。

メイヤーズ・マンクス・バギーは、先述の通り往年のボディの復刻販売が開始されていたが、山田さんとしてはあくまで当時物にこだわりたかったし、ホイールベースを短縮したシャシーやエンジンも別途用意する必要があったため、コストも大幅にかさむ。

そこでバギーの実績とノウハウの豊富な神奈川県の空冷VWショップ「ケーズコレクション」に相談して、レストアベースとなるコンプリートカーをアメリカで探してもらい、購入したのが2017年2月のこと。

1962年式のシャシーにボルトオンされたボディは69年製で、69~70年にわずか250台が作られた「マンクス2」。フォルムは先立つ「マンクス1」と同一ながら、リアのデッキ部分がシートになっているのが特徴だ。

一番悩んだというボディカラーは「往年のマッスルカーらしいソリッド」とのイメージから試行錯誤の末、日産の通称「サファリブラウン」、510型ブルーバード・セダン用のカラーコード906番でペイントした。

足まわりは基本ノーマルだが、フロントをディスクブレーキ化。前後輪にスペーサーを挟んで微調整し、バギー全体のスタンスのバランスを取っている。ホイールは憧れであったアメリカンレーシング製トルクスラストを、PCDをGMピッチに変更までして装着。

こうして完成した山田さんのメイヤーズ・マンクス・バギーは、2017年12月の横浜ホットロッドカスタムショーでお披露目の後、年末に納車された。取材時に少し運転させていただいたが、車重わずか550kgのバギーが野太いフラット4サウンドを奏で風を切り走る感覚は軽快そのものだ。

「楽しさのあまり恥ずかしさは飛んでいく感じですね(笑)」という山田さん。ご実家の富山までもこれでドライブしているのだった。

OWNER/山田剛久さん

ネコ・パブリッシングOBで通称「ヤマダマ」。クルマ、模型、オモチャにどっぷりの編集者。映画「Cars」のキャラ監修でも知られるアーティスト、故デイブ・ディールを深く敬愛し、ソフビ・フィギュアを製作・発売してしまった程。
http://www.motor-psychology.jp

ビートルのシャシーを元にホイールベースを12インチ(約30cm)短縮し、FRP製ボディをボルトオン。車重550kgという軽さながら、剛性感は高い。

前後のエンブレムは、メイヤーズ・マンクス社にレジストリーを申請して本物であることが認められると、ブルース・メイヤーズ氏の直筆サインとともに送られてくる。
前後のエンブレムは、メイヤーズ・マンクス社にレジストリーを申請して本物であることが認められると、ブルース・メイヤーズ氏の直筆サインとともに送られてくる。
トルクスラストDホイールはリム部分をポリッシュ。フロントはブレーキをディスク化し、ファイアストンのバイアスタイヤ5.60-15を履く。
前後ショックはSACHS製の新品を装着している。
リアタイヤはグッドイヤー・ポリグラスGTのライセンス・リプロダクション品、F70-15を装着。
リアは少しだけポジキャンになっている。
エンジンは70年代末の1600ccで、キャブはソレックス34PICT。マフラーはマンクス純正のサイドワインダータイプ。
ステアリングホイールはスーペリア製。ウインカーレバーは1960年代のユニバーサル製だ。
ハースト・クイックシフターは、トリガーを引いてバックに入れるスタイル。
1964年から市販されたメイヤーズ・マンクス。69年から70年に製作された「マンクス2」ではリアデッキがシートになっている。
リアデッキ下のキルスイッチ。その上にあるのはオリジナル・マンクスを証明するレジストレーション・プレート。

もう一つの王道EMPI impバギー

1960年代から70年代にかけて一時代を築いたVW用アフターパーツメーカーのEMPIが、66年に投入したデューン・バギーが“EMPI imp”だ。メイヤーズ・マンクスと比べて、丸みを帯びてワイドなスタイルが特徴。写真はVWショップ「FLAT4」が所有する希少な1970年式で、オリジナルに忠実にフルレストアされた逸品。定期的に店頭にディスプレイされている。
https://www.flat4.co.jp/

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