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EVENT REPORT

ヨーロッパ最大級のVWイベントEUROPEAN BUG-IN 8

2年に1度、ビールで有名なベルギーのシメイ・サーキットで開催されるヨーロピアン・バグイン(EBI)。2019年は6月28日から30日にかけて開催された。カーショーあり、ドラッグレースあり、キャンプありの盛大なイベントの様子をお届けしよう。

TEXT / 石原 淳(Jun Ishihara) PHOTO / 竹内耕太(Kota Takeuchi)

カーショーあり、ドラッグレースあり、
キャンプあり!!

70年代にカリフォルニアのオレンジカウンティで開催されていた伝説のVWイベント「バグイン(Bug-In)」。当時のアメリカ西海岸のVWカルチャーを愛好する人々の手によって、「バグインをヨーロッパで!」との趣旨のもと、2007年にベルギーの片田舎にあるサーキットで始まり、今回で8回目となる。

このイベントは金曜日から日曜日まで3日間開催され、VWによるドラッグレース、カーショー、スワップミート、ディーラーブース、オフロードでのVW走行、スラローム、そしてキャンプができるゾーンに区分けされ、ヨーロッパ中からカリフォルニアルックのVWを中心にクルマが集まってくるのだ。

EU圏では簡単に国境を越えてクルマが自走して来れるので、開催国・ベルギーはもちろんのこと、オランダ、ドイツ、フランス、イギリスといった各国からエントリー。ヨーロッパのVW事情をチェックするには最適なイベントといえる。EBIでは毎回天気が心配されるが、2019年は3日間、快晴かつ歴史的な猛暑で、連日36度オーバーの気温の中、盛り上がりを見せた。

EBI最大の見どころはノスタルジック・ドラッグレース。70年代当時、カリフォルニア州オレンジカウンティで活躍していたキャルルックマシンが走る姿を見られるのだ。当時を知らない人も、VWのパワフルな走りを見たり、キャルルック草創期の伝説のドライバーからサインをもらったりと楽しめる。今回は伝説のクルマ、DKPの63年式ビートルや、Auto HausがつくったTar Babeをレジェンドたちがドライブしてドラッグストリップを走り、会場を盛り上げた。

そして1日2回デモンストレーションを行ったのが、ロールス・ロイスの航空機用ジェットエンジンを荷台に搭載したジェットカー「オクラホマ・ウィリー」。オリジナルのBUG-INでアナウンスを担当していたダイノ・ドン氏によるコールとともに、轟音をたててストレートを爆走した。

EBIは当初のコンセプトを忠実に守り、DKPといったアメリカの名門クラブ、そして伝説のドライバーたちの協力を得てノスタルジック・ドラッグレースをヨーロッパに持ち込み、ヨーロッパの多くのキャルルッカーに文化を伝えてきた。ノスタルジック・キャルに影響を受けたマシンたちも集まり、レースに華を添える。会場に並んだショーカーのカスタムにも影響を与えているに違いない。次回EBIは2021年にベルギー・シメイにて開催予定。ぜひ行ってみよう!

伝説のドラッグレーサーたちの
走りに注目!

このイベントの最大の盛り上がりは1日2回行われるジェットカーのデモラン。ロールス・ロイス製ジェットエンジンは1万馬力!
70年代にNHRAレースにエントリーしていたSmall Carsのマシンがレースに登場。マフラーからグリーンの排気ガスでアピール!
往年のレースカーTar Babeもドラッグストリップを全開で走行。回数こそ少なかったが、当時の雰囲気を残した貴重なマシンの走りに観衆は注目した。
フランスから毎年エントリーするクリストフの1983年式フィアット126は1778ccのフラット4エンジンを搭載。11秒67をマーク。
現在はドイツのコレクターが所有しているPink Panther。70年代のスペック2110ccでエンジンを組み直し、コンスタントにタイムを叩き出す。EBIでは12秒4をマーク。
10秒台でドラッグストリップを駆け抜けるドラッグスター。最速タイムを狙う。

ヨーロッパ的
カリフォルニアルック

ヨーロッパというと“ジャーマンルック”を想像しがちだが、EBI会場に並べられたショーカーたちはアメリカ西海岸にインスパイアされたキャルルックばかり。その台数およそ500台。しかもそのレベルは高く、VWの隅々まで愛情を注いでいるのは世界共通だ。クラブによってもクルマの個性があり、どのマシンからも個々のカスタムのポリシーが伝わってくる。日本ともアメリカとも異なる、個性的なクルマたちを紹介しよう。

イギリスから海を越えて自走で会場までやって来た1960年式タイプ2のオーナー、マーク。7年間かけて自分でスバルの6気筒エンジンにスワップ。ギアボックスもスバルに交換。ブレーキはポルシェ944のディスクにしている。
2010年に創刊したVW雑誌『AirMighty』の表紙を飾ったバギー。斬新なスキャロップペイントが鮮やかで、インテリアもきっちり仕上げられている。
ハンドメイドで1950年式スプリットウインドウをベースにダネンハウアー・スタウス風のスタイルに仕上げたというベルギー在住のエドウィンさん。エンジンは1520cc。スチールボディの成型に時間がかかり苦労をして仕上げたとのこと。
カーショー会場で注目を浴びていたのは、スコットランドの民族衣装を身にまとい、バグパイプで自国の民謡を演奏していたタイプ2オーナー。ヨーロッパ各地のお国柄を垣間見れるのは、EBIならでは。
右ハンドルのスプリットをベースにHOT RODスタイルにカスタマイズ。チョップトップにチャネリングして、50年代のフォードのホイールを履く。
会場内のオフロードコースが似合いそうな、がっつりリフトアップされたバハバグ。カリフォルニアのような眩しい日射しの下、バハバグの存在感は抜群!
高年式のカスタムも会場内で一大勢力を誇っていた。撮影車はオレンジメタリックボディにホイールも合わせ、フォグランプが追加された高年式タイプ1。
ストックの状態のクルマもエントリー。ご主人がドラッグレースにエントリーしていたため、奥様の55年式オーバルはカーショーにエントリーしたそうだ。

広大なキャンプエリアで
ゆったり過ごす

3日間かけて開催されるEBIの会場横にはキャンプエリアが設けられている。ここにカーショーやレースカーを持ち込んだエントラントは、クラブの仲間や友人たちとテントを張って宿泊するスペースを確保。ビールを飲みながら、バーベキューを始め、夜のパーティがスタートする。この時期22時まで太陽が出ているベルギーでは、夕方からずっと食べて飲んで、個々にのんびりと時間を楽しんでいる。これがまさにEBI8の真髄なのだ。

カーショー会場にエントリーしていたクルマたちも、夕方にはキャンプエリアに移動してバーベキューをスタート。日本のような焼肉より、ソーセージを焼いてビールを飲むスタイル。
1970年式タイプ2ハイルーフのアイスクリーム屋さんは移動販売をしていたがBest BayWindowを受賞。
歴史的な猛暑を考慮してか、イベントスタッフたちは荷台をプールにしたシングルピックのバスで会場中を巡って、みんなにシャワーを浴びせていた。仕事なのか?
タイプ2に積みきれなかった荷物はトレーラーに。大小のトレーラーを駆使するのがヨーロッパ・スタイル。
会場の真ん中に用意されたのはバーンナウトゾーン。夕方になると派手なバーンナウト・デモがスタート。
夜も更けてくると、バーンナウトエリアにタイプ2も登場。ビール片手のエントラントは大盛り上がり。
毎回用意されるオフロードコース。希望者は用意されたVWの助手席に乗りドライブすることができる。ドロドロになること必至だ
夜にスタートするダンスタイム。食事を終えた参加者たちが酔っぱらいながらDJエリアで踊り狂う姿は、日本ではなかなか見ない光景。
EBIは様々なプログラムが数多く用意されているので、楽しみ方はエントラント次第といったところ。家族や仲間とのバーベキューを楽しみにやってくる人たちも多い。