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6代目ポロは現代の初代ゴルフ?VOLKSWAGEN POLO

近年多くのクルマたちは安全性や快適性を求めサイズアップしており、フォルクスワーゲン・ポロや、その"兄貴分"となるゴルフも含め少しずつサイズアップを重ねている。ポロはこの6代目で、ついに3ナンバーとなった。果たして本当に、大きいことはいいことなのだろうか?

TEXT / 森口将之 PHOTO / 山本佳吾
SPECIAL THANKS / フォルクスワーゲン・グルーブ・ジャパン(https://www.volkswagen.co.jp/ja.html

“昔のゴルフは今のポロ”。そんな意味合いのフレーズを最近よく目にする。

安全性や快適性といった要求に応えたりすべく、クルマは大型化の一途を辿ってきた。その結果フォルクスワーゲン(VW)で言えば、先代ポロのサイズは今なお根強い人気を持つ2代目ゴルフと同等になっていた。そして2018年3月に我が国で発売された通算6代目は、ついに全幅が5ナンバー枠を超越し、全長は4mを超えた。日本で売っているBセグメントのライバルでも、同等のサイズを持つのはルノー・ルーテシアぐらい。それを考えると、プラットフォームがゴルフと共通のMQBになったという社内事情が、サイズアップの要因と言えるかもしれない。

MQBは前輪とスロットルペダルの間の設計を共通化したことが特徴のひとつとなっている。この部分の寸法はゴルフと共通だ。とどまるところを知らない欧州車のサイズアップを肯定するつもりはないけれど、Bセグメントの成長を目の当たりにして、MQBの核の部分の設計を決めたのかもしれない。

でもデザインに目を向けると、ポロとゴルフでは異なる部分が多いことも分かる。ポロはサイドウインドウが6ライトで、テールゲートの傾斜が急で、リアコンビランプがスクエアであることなどだ。さらにデザインテーマが次世代にスイッチしていることも伝わってくる。最後についてはグループのデザイン部門責任者の交代が大きいかもしれない。かつてアルファロメオで156を描き、現行ゴルフやup!のデザインを指揮したワルター・デ・シルヴァが2015年にVWを辞めた後の作品であることが、6代目ポロのディテールを眺めていると理解できる。

ストイックなまでにシンプルなゴルフやup!と比べると、6代目ポロはヘッドランプやボディサイドが象徴しているように演出豊かだ。デ・シルヴァ時代のデザインを懐かしむ声も出てきそうだが、多くの日本人には受けそうな形ではないだろうか。

インテリアもエクステリア同様、シャープな線を多用して今のVWらしさを表現している。ドライバーオリエンテッドな造形では歴代VWで随一だろう。センターコンソールの助手席側に壁を立てた作りはスポーツカー風でさえある。ステアリングやセレクターレバーはゴルフと共通のようなので格下感はないものの、全幅にわたるグレーのパネルはup!との近さも感じる。

キャビンは驚くほど広くなったわけではないが、身長170cmの人間が4人乗るには十分だ。荷室についても同様。上を見れば同じMQBプラットフォームでゴルフやパサートもあるけれど、後席はたまに使うだけで大きな荷物も積まないというユーザーなら、機動性や経済性、操る楽しさまで含めてここに行き着いたほうが幸せではないかと思う。

旧型ではゴルフにも積まれる1.2リッター4気筒ターボだったエンジンは、1リッター3気筒ターボになった。ダウンサイジングにもかかわらず最高出力、最大トルクはアップしているが、後者の発生回転数は引き上げられた。そのためもあって以前よりターボらしさを感じるようになった。

とはいえ流しているときは、デュアルクラッチトランスミッションのギアが7速もあるので、回転をほとんど上げずに加速していくほどの余裕ぶり。3シリンダーであることを意識するのはスロットルペダルを大きく踏み込んだときだけだ。

しかもその音色は、昔のゴルフIIあたりの自然吸気SOHCの響きに似ていなくもない。そして乗り心地とハンドリングについてもまた、良い意味で今のゴルフよりかつてのゴルフを思い出すキャラクターだった。同じMQBなのにこうも違うかと驚かされた。

これ以前に乗ったゴルフのグレードは今回のポロと同じTSIハイラインだった。マルチリンクのリアサスペンションなど、スペックでは格上感が漂っていたが、ダンピグが不足気味で揺れが収まらず、ステアリングは重くて渋いので曲がらない印象を抱いた。必要以上に上質感や重厚感を意識してしまっているような気がした。

その点、6代目ポロはすっきりシャッキリ。乗り心地はドイツ車らしい固さで、ドライなのにむしろ自然な感じがする。重すぎないステアリングは剛性感にあふれ、切っただけ素直にインを向いていくれる。ペースを上げればがっしりしたボディを支える固めの足がしっとり動きはじめ、懐の深いグリップ感を生み出し、安心と安定につなげてくれる。

6代目ポロには背伸びしていないドイツ車、生のドイツ車らしさがあふれている。それは僕たちがゴルフIやIIで体験したみずみずしさに似ている。5ナンバーから3ナンバーにはなった。でも3ナンバー的な高級化を目指さなかったことに好感を抱いた。

1975年に欧州で初代が発売されたポロはこれで6代目。8年ぶりのフルモデルチェンジとなった。ボディサイズは全幅が+65mm、全高が−10mmとワイド&ローとなり、今回がシリーズ初の3ナンバーだ。

新型はコックピットデザインが垂直基調から水平基調へと変化。ドライバーのほうへ向いたデザインとなり、センターディスプレイと操作パネルはなるべく高い位置に配置。水平基調のデザインの中で、ドライバーから見やすい位置になるよう工夫されている。

サイズアップしているため、ラゲッジスペースは十分な広さ。

リアシートは3名乗車が可能。シート、ラゲッジスペース共に広さは十分だ。

VWによれば、MQBプラットフォームの採用で『最適化したクラストップレベルの居住性とユーティリティ』を誇るとのこと。

日本仕様のエンジンは1リッター直列3気筒ターボのみで、7速DSGの組み合わせ。それは十分な動力性能といった印象だ。

ポロの伝統とも言える6ライトのサイドウインドウ。

LED化されたもののこれまたポロらしいスクエアなデザイン。

メーターはアナログなのも注目すべきポイント。

PECIFICATIONS
VOLKSWAGEN POLO TSI HILINE
全長×全幅×全高:4060×1750×1450mm
ホイールベース:2550mm
トレッド(F/R):1505/1485mm
車両重量:1160kg
エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
総排気量:999cc

内径×行程:74.5×76.4mm
圧縮比:10.3
最高出力:95ps/5000-5500r.p.m.
最大トルク:17.9kg-m/2000-3500r.p.m.
変速機:7速A/T(DSG)
懸架装置(F/R):マクファーソンストラット/トレーリングアーム
制動装置(F/R):ベンチレーテッドディスク/ドラム
価格:301万9000円

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