OTHERS

<その他コンテンツ>
ニューカー、ヤングタイマー、クラシック、オーナー、ライフスタイル、
カタログ、100ドロ、ミニカーなどなど
USED CAR

予算300万円前後で狙う、コアなイタリア車たちFIAT 600 & MASERATI 3200GT

左ハンドルのイタリア車、マニュアルしか買ったことがない筆者がここで推薦するのはこの2台。年式もブランドも性格もまるで違うが、筆者の琴線に触れるポイントがありすぎて、こうして原稿を書いている今も正直ドキドキが止まらない。ドウスル? どうしよう!? どうする!

TEXT&PHOTO / 平井大介
SPECIAL THANKS / ガレーヂ伊太利屋(フィアット600  http://www.garage-italya.co.jp/), ベニコ(マセラティ3200GT  https://www.venico.co.jp/

予算300万円前後で狙う、
コアなイタリア車たち

ヨロヨロ号なるニックネームを頂いた(そう、自称ではない)ランチア・イプシロン・モモデザインに乗り14年を経過した筆者。左ハンドルのイタリア車、マニュアルしか買ったことがないと各方面で何度か書いてきたが、47歳という年齢になり、状況が許す限り一生それを貫き通せないかと思うようになった。しかし正規輸入の新車は現在その設定があるのは素のアバルト595、1台のみ! (たぶん)ならば選択肢は並行輸入車か中古車となる。そこでここでは食指が動いた2台をご紹介しよう。

まずはヨロヨロ号購入先でもあるガレーヂ伊太利屋にてフィアット600のシネオリ。シネオリはアントニオ・シネオリが第二次世界大戦終了直前の1943年に興したカロッツェリアで、ロンバルディやモレッティなどと同じ類となる。当時は富裕層向けにフィアット500や600をベースにモディファイした、”ちょっとオサレ”なモデルを作っており、このシネオリもその1台だ。特徴は何といってもランチアでいうBコローレ、つまり2トーンカラーで、オリーブとローザという組み合わせが素敵すぎ! 内装もロッソとグリジオつまり赤とグレーで、これぞイタリアンデザインの面目躍如だ。

イタリア車乗りの某先輩にまずはヌォーバ500に乗るべしと言われて以来やっぱりそうなかと思っていて、某取材で600の横に乗って以来そのしっかりとした作りにまずはこれかなと納得し、今回まさにヨロヨロ号の父、いや先祖様とも言えるこの組み合わせにすっかりヤラれてしまい、「国内未登録なので車検3年付きますよ」なんて殺し文句を投げかけられた日には、その気持ちがグラリグラリと揺れ……。その日撮影した写真も揺れて(ブレて)いたかどうかは定かでない。

さて続くマセラティ3200GT。初期モデルのマニュアルモデルと言えば、新車当時カー・マガジンがテストカーとして導入したことを記憶の方もおられるだろう。ちなみに取材車は色も同じブルーネットゥーノだ。当時は『3200GTで3200km』なる企画を展開していて、当時編集部に所属していた私も京都を日帰りで往復したのをよく覚えている。

実は記憶の中では、マセラティ製V8ツインターボからフェラーリ製V8 NAへとスイッチしたマイチェン後のクーペのほうが印象よく、あれは名車だと言い続けてきた。そしてその延長にあるアルファロメオ8Cコンペティツィオーネこそ究極だとも。確かにこの”ブーメランテール”と呼ばれる独特のライトデザインを持つ3200GTのほうがデザインとしてはいいとは思うが……と。

そんな前提で取材に伺ったベニコの紅粉さんのご好意で、撮影後に少し試乗させて頂くことができた。その第一印象は……。

こ、こ、こ、こんなによかったっけ?

ドロドロドロ〜としたいかにもV8らしいエンジン音を聞きつつちょっと右足を踏み込むと、1500~2000r.p.m.あたりからターボがぐっと効いてきて、モリモリとトルクが溢れてくるそのフィーリングがまあ最高。そしてひと息入れた時のブローオフサウンドよ!

ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい!!

何度そう車内で叫んだことか。速いといっても街中の法定速度内なのでたかがしれているが、京都往復で何だこのクルマは! と、車内で何度も悶絶していたことを思い出してきた。ドライビングポジションもしっくりくるし……うわああああ~~~。

……取り乱して申し訳ない。でも試乗中は本当にそんな感じだったのだ。この脳内麻薬がドバドバ出てくる感覚は実に久しぶりで、今の世代のマセラティ、いやイタリア車が決して持っていないものだ。

ドウスル? どうしよう!? どうする!

激しく動揺しつつ帰路につくべくヨロヨロ号のクラッチを踏んだら、ん!? 抜けた!? と思うほど軽く、ステアリングも冗談みたいに軽いではないか。否、それだけ3200GTに重さと手応えがあったということで、脳内麻薬の出すぎで興奮して、そんなことも気が付かなったのである。『いつかマセラティが似合うオトナになりたい』というのも何度か各方面に書いてきたのだが、どうやらマセラティ3200GTを乗りこなすには、これまた”オトナの自制心”が必要なようである。でも欲しい。

1956 FIAT 600

318万円で販売中(取材時)の1956年式フィアット600カロッツェリア・シネオリ。白眉はシネオリがプロデュースしたローザ&オリーブのボディカラー、ロッソ&グリジオの内装色という組み合わせ。室内は4人がちゃんと乗れる広さで、エンジンは600ccのノーマルのまま。イタリアから持ち込んで国内未登録だが、特に手を入れる必要がないようで、確かに見た目がシャッキリしている。乗るには最低限のメンテだけで充分とのことだ。

1999 MASERATI 3200GT

マセラティを始め、多くのクルマを所有してきた趣味人でもある紅粉光宏さんが営むベニコが290万円で販売中だった1999年式マセラティ3200GT(取材時)。初期モデルのマニュアルで、2オーナー。諸事情で乗れなくなった友人から引き取り、自分で乗ってもいいと思ったそう。消耗品交換ずみで、言われるほど壊れないと紅粉さん。バッテリーがダメだと途端にエンジン不調になるそうで、こちらは交換ずみ。とにかく調子のいい1台だった。