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歴史を踏まえて新たなキャルルックを提案VW TYPE 1 CALIFORNIA LOOK

キャルルックという言葉がアメリカで誕生してからすでに40年以上が経過。派生してビンテージキャルやレストキャルなど、多彩なスタイルへと広がっている。そして、最先端のキャルルックを体現した“ロクナナ”がここに1台、完成した。

TEXT / 石原 淳 PHOTO / 新井康介
SPECIAL THANKS / FLAT4(https://www.flat4.co.jp/

歴史を踏まえて新たなキャルルックを提案

ロクナナ。1967年型は、空冷タイプ1の歴史の中で、特別な意味を持つ。電装系が6Vから12Vに変更され、大幅にモダナイズを果たした記念イヤーだ。随所にこの年式専用のディテールが存在し、さらに機能も各段に向上したこともあり、ドラッグレースシーンを中心にロクナナモデルが活躍。人気のある年式として知られている。

40年以上にわたり日本のVWシーンを牽引してきた『FLAT4』でも、かつてプロモーション用にキャルルックのロクナナを製作しデモカーとして活用していた。そこで今回新たに、藤田社長の下でスタートしたのが、オリジナルのロクナナをカスタマイズして西海岸のキャルルックに仕上げるというプロジェクトだ。

キャルルックといえば70年代にアメリカの『HOT VWs』誌でそのスタイルを紹介されてからビッグムーブメントを呼び起こし、日本でも大流行したスタイルだ。今でもキャルルックのスタイルは引き継がれ、ビンテージキャルやレストキャルなど、オーナーの好みやトレンドに応じて多様な進化を遂げている。それらを踏まえ、トレンドリーダーである『FLAT4』が、過去のスタイルを検証した上でカスタマイズしたのが、このロクナナというわけである。

ボディは当時の純正色であるL282ロータスホワイトでオールペイントし、キャルルックのセオリー通りワンピースウインドウとしている。またフェンダー上にあったウインカーはリロケートし、クオーターウインドウやリアウインドウにはティントを貼るなど、70年代の西海岸のVWスタイルを忠実に再現している。ボディモールは残したものの、ランニングボードのモールを外しバンパーはTバーに変更され、スマートで精悍なスタイルに変更されている。ボディ同色のヘッドライトリムや、米国モデルに置いてコレクトなディテールとなる、鍵穴の備わらないパッセンジャーサイドのアウタードアハンドルといったディテールのこだわりも見逃せないポイントだ。また、リアに履いたミシュラン製185のファットなタイヤも見所だ。ノーマルのアクスルでは165までしかフェンダーに収まらないのだが、ショートアクスルに変更することで解決している。

インテリアはビニールレザーとツイードという組み合わせで、すべて日本で仕上げている。ステアリングは『FLAT4』が開発したばかりの14インチのGTウッドステアリングをチョイス。また、AUTOMETERタコメーターやVDOコクピットシリーズの各種ゲージ類を追加している。エンジンはホットなカムを入れた1776ccのチューンドで、ウェーバー48 IDAを装着。さらにトランスミッション専門店『Rancho』が組み上げたスーパーデフを入れた強化ミッションが組み合わされている。熱対策にコンバチフードにしており、フードを開けずとも内に秘めたホットなモーターを予感させる。

これらの作業のほとんどが日本で行なわれ、2018年11月の『12th Street VWs Jamboree』でデビュー。『FLAT4』のブースに展示されたロクナナは、キャルルックのルーツというべきスタイルを現代に甦らせて、日本のキャルルッカーたちのハートを射止めている。

「カスタムは細かなディテールの積み重ね。VWイベントで多くの人にクルマを見てもらい、FLAT4が提案するキャルルックを見てもらえてよかったです」と藤田社長は語っていた。

エンジンはストリートでもハイトルクで乗りやすい排気量1776ccをチョイスし、ウェーバー48 IDAのキャブレターを採用した。エンジンカバーにはブラックリンクルペイントされたパーツを選んで精悍なルックスに。

サークルフランジを採用した米国A-1製のステンレスマフラー。スティンガーではなくサイレンサー付きのストリートマフラーにこだわるのもキャルルックである証。

キャルルックを意識してフェンダーにあったウインカーをホーングリルの位置にリロケートし、すっきりとしたスマートなフロントフェイスを実現している。

ワンピースウインドウの変更と同時に、ゴム類はすべてブラックのキャルラバーに変更して、当時の正統派キャルルックとしてのルックスを実現。

1776ccチューニングエンジンのパワーを最大限生かすため、レーシングスーパーデフやH/Dアルミサイドカバー等で強化されたプロストリートトランスミッションを搭載。

MICHELIN 185/70VR15 XWXタイヤをリアに履くために、リアのアクスルをショートタイプに変更。ファットなタイヤをフェンダー内に収めている。ショックはKONI製

USモデルならではの鍵穴が備わらないパッセンジャーサイドのアウタードアハンドル。ノーマルパーツに関してはおざなりになりがちなキャルルックだからこそ、こうした細かなディテールが車両の価値を高める。

これまで『FLAT4』からは15インチのFLAT4 GTウッドステアリングホイールがラインナップされていたが、新たに14インチバージョンが追加され、このロクナナに装着してのデビューとなった。シフターにはGENE BERG製Tハンドルを採用している。

チューニングエンジンを搭載したキャルルックVWには必須のAUTOMETERタコメーター。レーシーな当時の雰囲気に合わせるためタコメータースタンドは、スチール製のものを採用。

ロクナナのVW純正オプションとして採用されていたBendix SAPPHIRE V AMラジオを探して取り寄せ、インストールしている。

昔のキャルルックカーをイメージしてブラックビニールレザーとツイードの素材でシートとドアパネルを製作。日本国内においてオーダーの上、丁寧な作業で張り替えている。