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100万円でドロ沼に陥る!?

仕上げ済みのイタリアン・スタンダードはいかが?FIAT 500L

編集部員がこれは!と思った趣味グルマを紹介する『100万円でドロ沼に陥る!?』。今回はイタリアが誇る大衆車フィアット500を取り上げる。コンディション良好のフィアット500で、イタリアンベーシックの真髄に触れてみたい。

TEXT / 中本健二 PHOTO / 近藤浩之
SPECIAL THANKS / トゥルッコ(https://a-trucco.com/

仕上げ済みの
イタリアン・スタンダードはいかが?

イギリスのミニ、ドイツのビートル、フランスの2CVを迎え撃つ、イタリアの大衆車と言えば間違いなくフィアットのヌォーバ500だ。初代の500とは異なり、ヌォーバ500は空冷直列2気筒ユニットをリアに搭載し、3mを切る全長ながら大人4人(ディーラー車は5人登録!)の乗車を可能とした傑作。安価な販売価格、また使い勝手の良さから大人気を博したのはご存知の通り。登場から60年経った現在は、そこに”趣味性”が加わり多くの愛好家を持つに至る。

ここで取り上げる個体は、歴代フィアット&アバルトなどを得意とするトゥルッコの販売車両で、ひと通り整備済でコンディションはすこぶる程よい。販売価格は170万円+税(取材当時)で、値段だけを見れば驚くことはないだろう。しかしその仕上がり見ればむしろ”お得”に思えるはずだ。500Lの外観の特長であるオーバーライダーは備わらないが、もうひとつの特長と言える前後ウインドーを縁取るメッキモールはシッカリと残っている。実はゴムモールを交換する際に省かれることもあるが、現車ではしっかりと残っており丁寧に作業されていたことが伺えた。

動力性能はというと、現代の基準ではハッキリ言って速くない、というか遅い。高速の合流や、交差点での右折ではタイミングを間違えるとヒヤリとするだろう。またシフトアップ、特にダウンは丁寧にエンジン回転数を合わせる必要があるが、レブカウンターは備わらないためエキゾーストノートや体に感じる振動から状態を知り丁寧にギアを繋ぐ必要がある。カー・マガジンの誌面で長年レポートしている”丸餅号”オーナーの門内さんの言葉を借りれば「始めは間違いなくギアを鳴らしてしまうけど、スムーズにできるようになると快感なんだ」とのこと。

そう、購入しても苦労が多いのでは? と思われたかもしれないが、門内さんに限らずオーナーは心底500のある生活を楽しんでいるのだ。カー・マガジンのイベントなどでで丸餅号に同乗された方は、その点を間違いなく実感できたことだろう。一度気に入れば、抜け出せなくなる500の沼へ陥ってみるのも悪くない。

フィアット500とは?

36年デビューの初代フィアット500と区別するため、ヌォーバ500とも呼ばれる2代目は57年に登場した。3mを切るコンパクトなボディに大人4人の乗車を可能にするためRRレイアウトを採用する。写真のようなワゴンボディのジャルニディエラもラインアップされていた。

音と鼓動も魅力のエンジン

リアに搭載される直列2気筒エンジンは空冷式で、補器類は最小でシンプルかつコンパクト。現行ラインナップの水冷2気筒とはまた異なる振動やエキゾーストノートも楽しみたい。ある意味、五感へ訴える官能系エンジンだ。

お馴染みのポーズはこちらから

ソフトトップの状態は良好で、購入後はここから顔を出した写真を1枚は撮りたくなるはず。映画グランブルーのエンゾとロベルトの様に、巨大なオトコふたりでにっこり顔を出すのもアリ?

余分な装備は一切なし

豪華(Lusso)の”L”を車名に冠するように、ダッシュは鉄板むき出しではなく樹脂製のパッドで覆われ、メーターも850と同タイプの燃料計付きとなる。

トランスミッションは4速M/Tで、シフトレバーの後ろに備わるレバーは左がチョークで右がスターター。

65年にマイナーチェンジが行われた500F以降からドアは後ろ開きに。初期型と見分ける外観上の大きな違いといえる。

RRのためフロントにトランクを備えるが、容量は必要最小限といったところ。

外観も良好なコンディション

夏は三角窓がクーラー替わり。これから気になるヒーターは、レポートでお馴染み門内氏に聞くと「十分利く」とのこと。

タイヤサイズは135/80R12で、ホイールキャップはオリジナルが残る。

意外なほどふっくら

ビニールレザー製のシート表皮は前後共に良好で、シートのあんこは意外に厚みがあり座り心地も良い。

リアのシートバックは可倒式で、前に倒すとラゲッジスペースとして活用できる。

車歴に入れたいエバーグリーン

ベージュのペイントは内装同様に美しく保たれており、ヒストリックカー初心者、また一度は体験したいという方にもオススメ。写真ではわかりづらいが、前後ウインドーの縁にメッキモールが付く点も500Lの特長だ。

ヒストリックカー相場の上昇に伴い、フィアット500も安価な出物は少なくこちらの個体もオッ!と目を引くほどの値段ではないが、コンディションを見ればお得に感じることは間違いない。一度体験して肌に合うと、離れられなくなることは、丸餅博士が実証中だ。

1971 FIAT 500L
車両本体価格:170万円(取材時)
1度体験すべき度:★★★★☆
実用度:★★★☆☆
ドロ沼度:★★★★★