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フェルディナンド・ポルシェが目指した完成形VOLKSWAGEN TYPE3

キャラクターのたったタイプ1タイプ2に比べると、いささか影の薄い存在といえるタイプ3。しかしタイプ1譲りのシャシーや足まわり。さらにフラット4を搭載しRR特有のドライブも楽しめる。偉大なる大衆車一族のタイプ3は、間違いなく趣味の定番車なのだ。ここではバリアントにスポットを当てて、その魅力を探る。

TEXT / 中本健二 PHOTO / 和田清志&佐藤亮太
SPECIAL THANKS / トーアインターナショナル(http://www.toajp.com/)

フェルディナンド・ポルシェが
目指した完成形

空冷VWといえば、真っ先に思い浮かぶのはタイプ1。そしてタイプ2やカルマンギアときて、ようやくここで取り上げたタイプ3が登場する。そう、1961年9月に登場したVW 1500(後に1600)、通称タイプ3だ。

そのフォルムはオーソドックスなセダンタイプで、エンジンは全高を可能な限り低めに改良した、いわゆる”パンケーキエンジン”を搭載する。シャシーやサスペンションなどはタイプ1を流用することで価格を抑え、タイプ1の後を継ぐ”大衆車”としてデビューした。

当初はセダンボディのみであったが、62年1月に広いカーゴスペースを持つバリアントが追加された。全高を抑えたエンジンレイアウトの恩恵で、荷室はフラットになっており使い勝手に優れる。タイプ3の中でも高い人気を博しているのも納得だ。65年8月には当時流行していたファストバックボディが追加され、73年に生産を終えるまでに累計254万2382台が生産されている。

250万台以上が生産されたモデルではあるが国内現存数は意外にも少なく、街中で遭遇する機会はタイプ1に比べてかなり低い。そんな中にあって、横浜市鶴見区にあるトーアインターナショナルは国内唯一ともいえるタイプ3専門店(!)であり、常に良好な販売車両がストックされている。今回試乗した69年モデルのタイプ3バリアントも同社の販売車で、1600ccのエンジンは出だしも快速、現代の交通事情でも全く臆することなく走りまわることが出来た。これなら広大なリアのラゲッジスペースに荷物をたくさん積みこんでも、グズることなく走ってくれるだろう。RRは基本エンジン音が抑えられているが、タイプ3バリアントはタイプ1などよりも低く抑えられている印象だった。

ボディサイズは4225×1640×1470mmと、60 年代の大衆車としては立派な体格で、グラスエリアが広大なことと相まって車内は広々としている。それでいながら見切りは良好なため、取り回しで苦労することもなかった。

この個体の大きな特徴が3速のトルコンA/T仕様ということ。2ペダルM/Tのスポルトマティックではなくトルコン。現代のクルマと同じくセレクターを”3″に入れてスロットルペダルを踏み込めば自動で変速してくれる。ちなみにP、R、N、3、2、1の順でセレクトでき、始動はPではなくNに入れて行う。メンテナンスのたまものか、変速マナーは良好で繋がりの唐突感もなく、非常に扱いやすかった。これならA/T限定免許でも楽しめ、また初めてのヒストリックカーといった方でも身構えることなくドライブできるだろう。 タイプ1 譲りの足まわりやシャシー。そして空冷フラット4 特有のエンジン音やRRならではのドライバビリティ。そしてバリアントならではの広大な荷室。フェルディナンド・ポルシェ博士が究極の大衆車を目指してタイプ1を生み出したが、もしかするとその完成形はタイプ3バリアントなのかもしれない。

全高を低く抑えたエンジンを搭載したことで、ラゲッジスペースはフラットになっており、荷室容量は実にたっぷりとしたものだ。趣味車として、また実用車としても高い実力を持つだけに、タイプ3の中でもバリアントは特に人気が高い。

フェルディナンド・ポルシェ博士が開発した、世界一売れた四輪自動車。このVWタイプ1が、それまで累計生産台数世界記録を持っていたT型フォードの抜いたのは72年のこと。戦前に産まれたオリジナルの本国生産終了後、1998年にはFFシャシーのゴルフ・ベースに、タイプ1をモチーフとしたニュー・ビートルが登場した。

ワーゲンバスの愛称で親しまれ、ピックアップやダブルキャブ、ダンプなど多数のバリエーションを持つ。写真左は2022年に生産が決まっているEVの『I.D.BUZZ』で2017年の東京モーターショーでも展示され注目を集めた。

タイプ1の後継となるべく61年9月に登場したVW1500。 ボディバリエーションはセダン、バリアント、ファストバックの3種類。カブリオレはカルマンがプロトタイプを作製したが、ボディ剛性が確保できず量産は見送られている

68年8月に誕生したのがVW411で、エンジンこそ空冷フラット4を積むが、モノコックボディにマクファーソンストラット+セミトレーリングアー ムなどメカニズムは一新。2&4ドア、バリアントが用意された。

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