OTHERS

<その他コンテンツ>
ニューカー、ヤングタイマー、クラシック、オーナー、ライフスタイル、
カタログ、100ドロ、ミニカーなどなど
100万円でドロ沼に陥る!?

気軽に乗りたい! けれど乗りたくない?RENAULT 4 TL

編集部員がこれは!と思った趣味グルマを紹介する『100万円でドロ沼に陥る!?』。今回はヒストリックカー入門の定番モデル、ルノー4を取り上げます。生産終了から早くも25年前が経過し、当然めぼしい個体は減少中です。

TEXT / 中本健二 PHOTO / 山本佳吾
SPECIAL THANKS / ジェイ・エンジン(http://www.j-engine.jp/

気軽に乗りたい! けれど乗りたくない?

ルノー4と言えば、ヒストリックカーの入門モデルとして、カー・マガジンやティーポでは、幾度となく取り上げてきた。ボディサイズがちょうどよく、前席、後席とも大人が余裕で座ることのできるパッケージング。エンジンもパワフルで、幹線道路の合流でも怖い思いをすることはない。街中で見かける機会は減ったが、国内最大級のフランス車の祭典『フレンチブルーミーティング』へ出かければ、会場の車山高原の急こう配をモノともせずに駆け上がり、ずらりと整列したキャトルの雄姿を見ることが出来るはずだ。

32年の間に813万台が生産されたルノー4は、特段珍しいモデルではないが、1992年に生産が終了しているため最後期モデルでもすでに30年近くが経過している。そのため、良好な個体が減少しているのは当然のこと。ユーズドカー・マーケットを見渡せば、高年式のGTLは数台見つけることが出来るが、初期型のカマボコ型グリルは皆無。ここで取り上げたグリルがブラックのTLも見かける機会は少ない。

「先日、このキャトルでお問い合わせいただいたのですが、第一声でクーラーは付きますか? と聞かれたので丁重にお断りしました」と話すのはジェイ・エンジン代表の永瀬純一さん。「オリジナル・コンディションを残している個体なので、出来ればこのまま乗って欲しいんです。さらに希望を言えばペイントも当時のままなので、ガレージがある方が良いですね」とのこと。

当然購入者のハードルは高くなるが、これはルノー4の良い個体を残していきたいという永瀬さんの気持ちの表れだろう。裏を返せば、オリジナルを残した個体が希少になりつつあるという証明でもある。もはやフランスの大いなる大衆車は、大切に残していきたいというスペシャリストの思い、そしてオーナーが必要不可欠となっているのだ。

実用性の高いクルマなので、ぜひ乗って楽しみたいが、乗りっぱなしは厳禁。これはどんなクルマにも言えることだが、永瀬さんの気持ちを汲み取り、キャトルを楽む方にこそぜひ、次期オーナーとなっていただきたい。

数値では計れない

845ccの水冷直列4気筒OHVエンジンは、956 & 1108ccユニットと区別するため生産地からビヤンクール(B)ユニットとも呼ばれる。エンジン上部を渡るのはシフトロッドだ。軽量なため、排気量からは想像できない程軽快に走る。

前後とも特等席

プレーンなデザインながら腰を下ろせば乗員を包み込むようにサポートするシート。スレや破れで交換されるケースが多いだけに、オリジナルが残るのは嬉しい。

後席は、着座位置が前席より高いため圧迫感は少ない。

オリジナルをキープ

直射日光を常に受けるため傷みやすいキャンバストップもご覧の通り良好なコンディションだ。

弾力がなく硬化しているのではと思い開閉をためらっていたが杞憂であった。開口部は実に広い。

加飾よりも操作性

必要なモノだけを、使いやすく配置したインテリア。

ステアリング脇に伸びるシフトレバーは、不思議と一度操作すればスムーズにシフトチェンジが出来る。

シートの間に備わるのは当時のラジオ。

ドアの内貼りは簡素で、パネルはむき出しだがボディ同色のためチープさは感じない。黒い横長の穴の中にドアの開閉レバーが備わる。

細部も見逃せない

ヘッドライト内蔵のグリルは中期モデル以降の特長で、TLはブラック、GTLはグレーとなる(87年以降は全グレード・グレー)。

メッキバンパーやモールもオリジナルが残るが、サイドミラーはノンオリジナル。

オリジナルのホイールキャップが4枚残っている点にも注目したい。

テールゲートはバンパー・レベルから大きく開き、トランクの床はフラットで容量もたっぷりなので使いやすい。

唯一無二の経年変化

オールペイントで新車当時の輝きを取り戻すことはもちろん出来るが、誕生から長い時を経て手に入れたオリジナルの落ち着いた色合いは、この個体だけが持つ魅力といえる。

ルノー4とは?

ルノー4は“ブルー・ジーンズのようなクルマ”をコンセプトに1961年8月に誕生した。その狙い通り、だれもが乗れる安価で実用的なクルマの代表モデルだ。1992年まで、32年に及ぶ長いモデルライフを誇った。

1981 RENAULT 4TL
車両本体価格:130万円(税別、取材時)
ベストセラー度:★★★★★
実用度:★★★☆☆
ドロ沼度:★★★☆☆