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シトロエン製SUV、第2弾の魅力CITROËN C3 AIRCROSS

2019年に創業100周年を迎えたシトロエンが用意した初のSUV、C5エアクロスSUVに続いてC3エアクロスSUVが発売された。後発と言えるシトロエン流コンパクトSUVの実力はいかに。

TEXT / 森口将之 PHOTO / 山本佳吾
SPECIAL THANKS / グループPSAジャパン(https://www.citroen.jp

シトロエン製SUV、第2弾の魅力

創業100周年という記念すべき2019年に我が国で発売された、シトロエン初のSUV 2台。このうちC5エアクロスについては以前カー・マガジンNo.495でも取り上げており、これだけSUVが増えた中でも独創的なデザインと、プログレッシブ・ハイドローリック・クッションが生み出す極上の心地良さに感心したことを記した。

では、新世代のハイドロを持たない弟分のC3エアクロスはどうなのか。山梨県の富士五湖周辺で試乗してみた。

フロントマスクは日本での稼ぎ頭になっている同じC3のハッチバックに似るものの、サイズは3方向に少しずつ拡大され、ホイールベースも70mm長い。

デザインはボディサイドのエアバンプがなくなったけれど、代わりにバンパー下にアンダーガード風のディテールを加え、ルーフレールやリアクォーターはオレンジやシルバーに塗装していて、ハッチバック以上に目立つ。

個人的に好感を抱いたのはリアクォーターウインドウ。単なるグラフィックではなく窓としての機能も持っているところは、かつて所有していたBXに通じるところがある。さりげなく伝統を継承していてうれしかった。

インテリアは造形こそハッチバックに似るものの、インパネをシートと同じファブリック張りとし、オレンジのアクセントを入れたおかげで、遊び心を感じる。一方でアイポイントが高めなので車両感覚は掴みやすい。優しい掛け心地のシートはハッチバックのそれに似ており、シトロエンそのものの感触だった。

ホイールベース延長に加え、ルーフラインが丸みを帯びたハッチバックに対し直線に近いためもあり、室内はサイズを考えれば広い。後席は身長170cmの僕ならゆったり過ごせる。前述のリアクォーターウインドーのおかげで明るさと視界が確保されているのもいい。

今回は中間グレードのシャインと最上級シャインパッケージの2台に乗った。パワートレインはハッチバックと同じで、110ps/20.9kg-mを発生する1.2リッター直列3気筒ターボに6速トルコンA/Tを組み合わせる。車両重量は約1300kgだが、加速は余裕を感じる。急ぐとき以外は3気筒特有の音も気にならない。Dレンジで約2000r.p.m.となる100km/h巡航も静かだ。

背の高さを反映してサスペンションはハッチバックより固め。C5エアクロスのような夢心地は望めないものの、このクラスのSUVとしてはまろやかだった。16インチのサマータイヤを履くシャインより、17インチのオールシーズンタイヤのシャインパッケージのほうが、段差や継ぎ目の吸収がうまかった。ハンドリングはC5エアクロスと比べればキビキビしていて、コンパクトSUVであることを実感できた。

ちなみにシャインパッケージには、プジョーのSUVでおなじみのグリップコントロールとヒルディセントコントロールも用意している。以前プジョー3008で試した際は4WD顔負けの走破性を披露したので、こちらも期待できそうだ。

シトロエンならではの快適性の高さはC3エアクロスも備えていた。一方C5エアクロスとの比較では、車格や価格の違い以上に1.2リッターガソリンターボと2リッターディーゼルターボというエンジンの違いが印象に残った。C3エアクロスはシティラナバウト、C5エアクロスはロングツアラーという方向性の違いが、パワーユニットの選択に現れていると感じた。

C3よりもボディサイズは若干大きいが十分にコンパクト。リアクオーターパネルはデザイン・アイコンだけでなく後方視界にも役立つ。スタンダードの16インチに対して、17インチホイールを履くシャインパッケージは、オールシーズンタイヤが組み合わされる。エンジンは直列3気筒ターボで、トルコン6速A/Tとのマッチングは上々でもたつく印象はない。シトロエンらしく、ソフトで包み込むような座り心地のフロントシート。6:4分割可倒式のリアシートは前後15cmのスライドが可能だ。ラゲッジの容量は520リッターで、リアシートを倒せば1289リッターまで拡大する。

SPECIFICATION
CITROËN C3 Aircross SUV Shine
全長×全幅×全高:4160×1765×1630mm
ホイールベース:2605mm
車両重量:1290kg
エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
総排気量:1199cc
ボア×ストローク:75.0×90.5mm
圧縮比:10.5:1

最高出力:110ps/5500r.p.m.
最大トルク:20.9kg-m/1750r.p.m.
トランスミッション:6速A/T
サスペンション(F/R):マクファーソンストラット/トーションビーム
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(F&R):195/60R16
価格:282万円

CONCEPT MODEL

シトロエンC-AIRCROSS CONCEPT
近年のシトロエンの市販車は、まずコンセプトカーとして披露された後デビューするものが多い。C4カクタスやC5エアクロスはそういうストーリーで生まれた。C3エアクロスも例外ではなく、2017年のジュネーブ・ショーでお披露目されたC-AIRCROSSコンセプトが母体になっている。ドアが観音開きであることなど細部を除けば市販型にかなり近く、早い段階でコンセプトが確定していていたことが想像できる。なおC5エアクロスのプロトタイプは2015年上海ショーで公開されたコンセプトカーAIRCROSSであり、別物なので注意されたい。