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FF車ニュル最速アタッカーの
血を受け継ぐホットハッチ
RENAULT MEGANE R.S. TROPHY

ルノー・メガーヌR.S.における"お約束"ともいうべきハイスペックモデル、トロフィー。FF車ニュル最速アタッカーの血を受け継いだこのクルマは、標準のメガーヌR.S.とどこがどう違うのか? 上手い具合に回り込んだコーナーが多い筑波サーキット、コース2000で試した。

TEXT / 吉田拓生 PHOTO / 山本佳吾
SPECIAL THANKS / ルノー・ジャポン(https://www.renault.jp

FF車ニュル最速アタッカーの
血を受け継ぐホットハッチ

第4世代となるメガーヌR.S.にも、走りに特化したR.S.トロフィーが追加された。現行メガーヌR.S.の流れは、標準モデルとなるメガーヌR.S.のデビュー後、サーキット志向の限定モデルであるメガーヌR.S.カップが追加。そしてこのR.S.トロフィー登場となる。ちなみにニュル最速タイムを記録した辛口モデルであるR.S.トロフィーRも発表されている。

筑波のパドックに用意されたジョンシリウスメタリック(イエロー)のトロフィー。そのリアエンドに専用のエンブレムのようなものは見当たらない。フロントまわりにも見当たらない……と思いきや、ナンバープレートのすぐ上あたり、インテーク内に“TROPHY”の文字がステッカーで掲げられていた。足まわりのみならず、装飾に至るまでエンジニアが担当したようなこのクルマは、どこまでもストイックな見た目だ。

トロフィーの中身はメガーヌR.S.の通例どおり徹底して鍛え上げられている。スプリングは前が23%、後ろが35%、前スタビが7%、トーションビームのリアアクスルが11%アップレートされた。もちろんHCC(セカンダリーダンパーを内蔵したショックアブソーバー)も25%減衰が高められる。この数値は実は限定車のカップと同じもの。つまりトロフィーはカップの限定解除版のようなモデルと捉えることができる。

カップはM/Tのみだったがトロフィーは6速EDCが選べるようになった。また標準モデルやカップでは279psだった最高出力がトロフィーでは300psまで引き上げられている。トルセンLSDもカップからトロフィーに受け継がれている。

筑波サーキットのコース2000は現行モデルのメガーヌR.S.のために作られたステージのように思える。通常は60km/hで設定が切り替わる4コントロール(後輪操舵)は、スポーツやレースモードでは切り替わりポイントが100km/hまで上がる。つまり1コーナーや第1ヘアピン、第2ヘアピンでは逆位相で曲がりやすく、最終コーナーでは同位相で安定方向に働く計算となる。

実際に走り出してみると、トロフィーはタイトコーナーでこれまで以上によく曲がる。舵角が最小限なのでトラクションのかかりもよく、立ち上がりも速い。現行メガーヌR.S.は4コントロールのおかげでスロットルを開けるタイミングが非常に早い部類に入るが、トロフィーはLSDのおかげでさらに早くスロットルを開けられる。第一ヘアピンのようなタイトコーナーでは、ターンインの瞬間からエイペックスまではスロットルを開けずに待つことが通例。ところがトロフィーではスロットルを積極的に踏み込み、グイグイと加速しながら縁石をかすめることができる。

さらにペースを上げていくと、例えばダンロップコーナーの進入などではスロットルオフ側のLSDの微かな効きをきっかけにして、リアタイヤの滑りをコントロールできるようになる。FF車のタックインはスロットルオフで瞬間的にリアの荷重を抜き浮かせる感じで行うものなので“一発芸”的なアクションになりがちだが、トロフィーはパーシャルスロットル(微かにスロットルオンを維持した状態)と逆位相の後輪操舵によってリアの滑りを意のままにコントロールできる。

ひとつだけ気になったのはブレーキの制動力が足りない点だが、これはパッドを換えれば済む問題だろう。専用レカロ、LSD、シャシーカップ等々フル装備で標準より約50万円アップはバーゲンプライス。サーキット派なら迷う必要はない。

リアビューは標準モデルのメガーヌR.S.と一緒だが、スポーツエグゾーストを装着。ワンメイクレース用のレースカーであるR.S.01と同じデザインの19インチホイールはトロフィーの専用装備だ。

ステアリングはアルカンターラとのコンビ。赤い差し色やステッチがレーシーだ。

フロントシートはよりレーシーなレカロが標準となる。

エンジンはターボ過給のプログラムが変更され300psの大台に到達しているが、それでもなおサーキットではシャシーファスターなクルマだ。

19インチホイールに組み合わされるタイヤは専用開発のブリヂストン・ポテンザS001。フロントのブレーキローターはスリットが入る他、ハブの部分がアルミ製となっている。

SPECIFICATION
RENAULT MEGANE R.S. TROPHY(EDC)
全長×全幅×全高:4410×1875×1435mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1470kg
エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1798cc
ボア×ストローク:79.7×90.1mm
圧縮比:8.9

最高出力:300ps/6000r.p.m.(参考値)
最大トルク:42.8kg-m/3200r.p.m.(参考値)
トランスミッション:6速A/T
サスペンション(F/R):ストラット/トーションビーム
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(F&R):245/35R19
価格:499万円

TOPICS

ルノー・スポールが手掛けた飛びきり速いメガーヌは2004年、第2世代に用意された。そのモデル末期に450台という限定数で生産されたメガーヌ・ルノー・スポールR26.Rは、2シーター化されロールケージが仕込まれた他、ボディパネルの素材変更、ウインドウ類の樹脂化などなりふり構わぬ軽量化によってベースモデルより100kg以上の軽量化を達成し、ニュルブルクリンクのFF量産車によるベストラップを更新して見せた。現代のトロフィーRに相当する記録と記憶に残るメガーヌだが、日本における正規販売がなかった幻の1台でもある。