OTHERS

<その他コンテンツ>
ニューカー、ヤングタイマー、クラシック、オーナー、ライフスタイル、
カタログ、100ドロ、ミニカーなどなど
OWNER&LIFE STYLE

未だ現役、“ゴルフ1マスク”のピックアップVOLKSWAGEN CADDY

フォルクスワーゲンが北米市場むけにゴルフをベースに作った商用ピックアップトラック「キャディ」。中でもゴルフ1ベースの初代キャディは日本には並行でわずかに入っただけだが、横浜にはボッシュの看板を背負って今なお活躍している個体がいるという! さっそく取材班は現地へ飛んだのだった。

TEXT / 遠藤イヅル PHOTO / 山田芳朗
SPECIAL THANKS / ボッシュ霧が丘ガレージ(https://kirigaoka.co.jp

未だ現役、
“ゴルフ1マスク”のピックアップ

日本の輸入車市場のトップブランドであるフォルクスワーゲン(VW)。見ない日は無いほどに日常に馴染んでいる。でもVWの商用車ってどんなの? と聞かれたら、VWのバス(タイプ2)やカラベル/ヴァナゴンなど以外で思い浮かべられる人は多くないだろう。それもそのはず、日本にはほとんど正規輸入されていないのだ。

その一例が小型商用車のキャディで、現行型は3代目となる。1979年に登場した初代キャディは、ゴルフ1をベースにしたピックアップトラックだった。当初は、ピックアップ市場が成熟している北米に、スバル・ブラッドなどのライバルとして「ラビット・ピックアップ」という名前でマスクを変えて投入され、のちに82年から欧州でも「キャディ」として販売を開始した経緯を持つ。

ゴルフのハッチバックが2、3と進化しても、キャディはゴルフ1と同じ丸目2灯の顔のままで90年代初頭まで販売が継続されている。なお南アフリカ市場のキャディは2000年代まで現地製造が続き、さらに余談だが南アフリカではゴルフ1を「シティゴルフ」と名付けて2009年まで製造していた。

当時、日本にも並行輸入でラビットとともに何台かが上陸しているのだが、商用車という性格と長い年月を経たことで台数が大幅に減ってしまった。しかも現役で商用車として使っているとなると、残っている個体はかなり少ないと思われる。

しかし横浜市緑区にある霧が丘ガレージでは、未だに1986年式のキャディが現役バリバリで活躍している。87年頃から日本にあるというこのキャディ、霧が丘ガレージにやってきてからはドイツ車の整備を得意とする同社によって、それ以来ずっと整備が行われており機関は極上。内外装のコンディションも上々だ。さすが、ボッシュの看板を背負い、高い技術を持つボッシュカーサービスショップである。

キャディによく似合うボッシュのサービスカーカラーは、15年ほど前に施されたという。また、日常使用を快適にするため、ゴルフ2用のコンデンサーやサンデン製の後付けクーラー(エアコンじゃないよ!)を装着、それに合わせてオルタネーターを増強、オリジナルでは存在しなかった三角窓や牽引用のヒッチの取り付け、5速M/Tへの換装、アルミホイールへとグレードアップ、運転席シートをレカロに交換……など多岐にわたる、センス抜群でこだわりを感じさせるプチモディファイが行われている。

個人的にもほぼ初見となる初代キャディ。じっくり観察すると顔だけゴルフ1、後ろがトラックというスタイルは目の錯覚じゃないかと思うほど見慣れない。でもベースが超実用車のゴルフ1なので、ピックアップトラックになってその性格がさらに推し進められているとも感じた。機能美から生まれる美しささえあるのだ。重ステなので乗り手を選ぶ(笑)、とはショップ担当者の談だが、可能な限り乗り続けたい、とも語ってくれた。愛情たっぷりに整備がバッチリされて絶好調なキャディは、今日も元気に走り回っているに違いない。

前のめりの姿がトラックらしさを醸し出す。こうしてリアからみると、ベースがゴルフだと誰が思うだろう。

フロントドアから前はゴルフ1のまま、ボディ後半がトラックという姿は、見慣れないのでちょっとビックリする。

リアゲートにはフォルクスワーゲンの文字がエンボス加工される。

本国のボッシュサービスカーを再現したカラーリングがよく似合う。

ヘッドレストを設置するために後方に出っ張ったアクリル製のウインドウ。しかも純正品。

本来ナンバープレートがあった場所には、牽引用のヒッチボールが備わる。

広大ともいえる大きさの荷台。奥行きは約1.8mもある。

シングルキャブで75psを発生する1.6リッターSOHCエンジン。よく整備されていて絶好調。

三角窓は後付け。縦長ミラーと言うチョイスが商用車っぽくてオモシロい。

ゴルフ2 GTIが履いていたデザインのアルミホイールを装着。懐かしい!

ゴルフ1と同じ造形のインテリアは簡潔そのもの。ダッシュボードはひび割れもなくコンディションは上々。フロントシートはレカロに交換されている。

4速M/Tのノブだが、実は5速に換装済み。リバースは下に押して左上。

助手席はオリジナルを残す。シート表皮がかすれてしまうのはこの時代のVWのお約束。

タコのないシンプルで機能的なメーター。赤い電球のような警告灯が80年代VWを物語る。

SPECIFICATION
VOLKSWAGEN CADDY(I)
全長×全幅×全高:4370×1640×1430mm
ホイールベース:2625mm
トレッド(F/R):1390/1375mm
車両重量:985kg
エンジン形式:直列4気筒SOHC

総排気量:1595cc
最高出力:75ps/5000r.p.m.
最大トルク:12.8kg-m/3000r.p.m.
サスペンション(F/R):ストラット/リーフ・リジッド
ブレーキ(F/R):ディスク/ドラム
タイヤ(F&R):175/65R14(取材車)